『今日もラト帝国は最強であり、軍隊の死亡数、負傷数は、０です。』

そんな国内アナウンスがラト帝国に響く。


時はxxxx年。
地球は世界大戦を起こしていた。

ＡＩが発達し、インターネットが発達。
様々な分野が広がっていく中、国のお偉いさんが最強、一番を目指すためだけに戦争を起こした。

小国だけの戦争だったら世界大戦までには行かなかったものの、事の発端は大国のラト帝国。
大国が起こしたものが小さく終わるはずがない。


この戦争はしばらく続くだろう。全ての国がラト帝国に負ける、もしくは他のどこかの国が一番になるまで。



そんなラト帝国にはどの国の軍隊も勝てない部隊がある。

[太字]“ STAL ”[/太字]と呼ばれる少年少女部隊だ。

すごく活躍している彼ら。彼らがいないとラト帝国は最強でないということはSTALの隊員も知らない。

それはなぜか。理由は至って簡単だ。

STALの隊員は毎日のように政府からこう言われる。

「お前らは国の捨札であり、国の盾だ。まあいなくてもなんとかなるが、しょうもない戦いに軍隊が汚れてはいけないからな。」

と。それをきいた彼らはどう思うだろう？

彼らはいくら強かれまだ子供。
そうなんだ、と素直に受け止めてしまうのだ。

もし、僕らが最強なだけじゃないか、と感じても大人は頭がきれる。
彼らが抵抗できないようにするため、色々と行動に移す。
親を殺したり、痛みを与えたり、だ。


では世間が知らない理由はなんだろう？

これも答えはシンプル。STALになった娘や息子がいる夫婦は殺されるのだ。そして不運な事故があったという嘘で固める。

そりゃ知りよしもない。

そんなの人が死にすぎてバレると思ったかい？

そりゃないね。

だってSTALそもそもの隊員が少ないから。

合計１１人だ。わかるはずもないだろう。



この世界の争いに巻き込まれた少年少女の思う事。
政府に恨みを、憎しみを持った少年少女の抱く過去。



これはそんなラト帝国、STAL代表兼、前線部隊隊長の[漢字]泗水　優芽[/漢字][ふりがな]しすい　ゆうが[/ふりがな]の物語。