「すやぁ…」
バン！
「●●さん起きて！大事件だよ！」
「…バジルどうしたの？」
ここは宿屋。ちぇっ、気持ち良く寝てたのに。
「お城の兵士さんが！僕達がお城に来てって！」
「お城？」
お城ってあのお城？王様とかが住んでるあそこ？第2章1話で凄ーい！って言ってたあのお城？そこに私達が来いと？(それとは別のお城だけど)
「…まず、何で？私達なんかしたっけ」
それにしても疑問符が多いや。でもお城に呼ばれるなんて相当だよね。
「とりあえず来てよ！細かいことは良いから！」
「わかった…」
あー、眠いや…その後クリスとアリーも、説明無しに引っ張られて行った。
「アリッサ！？」
「クリス！」
えー、現在お城に居ます。目の前にはここ、エメラル王国の王様と女王様が居ます。その方達がクリスとアリーの名前を知っているようです。なんで！？
[小文字]「だから来たくなかったのに…」
「兵士…恨んでやる…」[/小文字]
クリスとアリーがなんか言ってる。まぁいっか。
「…そっかそう言う事か！」
バジルが何かに気付いた。
「●●さん。クリスさんはエメラル王国第一王女、アリッサさんはシャーロット侯爵領の領主の娘さんだよ。学園の義務教育に入ってる常識内容。なんで気付かなかったんだろう…」
…異世界転移者には常識ってものがないんだ。ごめんなさいバジル。でも凄いね。クリスは王女でアリーが侯爵令嬢。あれ、何でここに居るの？王室とか、領地に居なきゃまずくない？
「クリスもアリッサも、行方不明になっていたんだ。探しの者を出したが見つからなくて…」
「二人共どこに行ってたの？どれだけ大勢に迷惑を掛けたか…」
「誠に申し訳ございませんでした…」
…旅を一緒にしてた私達ってどうなのかな。行方不明の王女様と侯爵令嬢と一緒に居つつも、どこにも伝えないなんて。どうしよう！困った！
「それだけではなくて───」