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二次創作
孤児の女の子は人虎くんの、初恋の相手でした

#7


「ッ....」

乱歩さんの口に力が入っているのがわかる。痛みに耐えている。

私は、銃を取り落とし、乱歩さんに駆け寄る。

「なんでこんな事言いだしたんですか?.....与謝野先生を呼ばなくちゃ。」

私が与謝野先生の元に行こうとするのを、乱歩さんは制す。

「君の異能力は、人の異能力のコピーだ。名前、異能力者の名前、内容を覚えているなら使えるはずだ。」

「....え、でもそんなの...」

「良いからやるんだ。」

「....!」

乱歩さんが死ぬよりはマシだ。

「異能力、『君死給勿』。」

その後のことはよくはっきりしていない。ただ一つだけ言えるのは。


――乱歩さんの傷は治っていた。




「僕の言ったとおりだったでしょ?」

探偵社の医務室で起き上がっていた私に、先ほどとは違うお菓子を近くのテーブルに置く。

そして、私のねていたベッドに腰掛け、開口一番言った。

「.....はい。それで、どうして私がこの異能力を持っていると思ったんですか?」

「それに関しては....これ。」

手渡されたのは、一つの分厚い本だった。表紙には、『異能力者.異能力覧』と書かれている。

開かれているページには、一人の女の人と、文章が綴られている。

「....これ....私...?」

一人の女の人の写真を、指の腹でなぞる。

なんと彼女は私に瓜二つだった。

「文章、読んでみて。」

言われたとおりに、文章に視線を落とすと、まずは、でかでかと書かれた、文字が目に入った。

【異能模写】と書かれていて、その下には説明が書かれている。

そこには、

「異能力の模写、コピーが可能。しかし、15分以上異能力を解除しないと吐血してしまう。」

とあった。更に下には、

「異能力の名前、異能力者の名前、内容、異能力者のものに触れておく、という条件下のもとで発動する。」

とも書かれていた。なるほど、コピーにはいくつかの条件があるらしい。

女の人の説明には、出身地不明と書かれ、この世界に突然現れ、急死したとあった。

「.....」

「...どうかした?」

私と乱歩さんの二人の空間に、沈黙が広がる。

「こんなの....賭けじゃないですかッ....!」

私の目からは涙が溢れていた。

「...ぇ。」

「これで、私が異能力者じゃなかったらどうしてたんですか?ただの人間だったら....」

「.......」

私が何もできないただの人間だったなら。今頃乱歩さんは死んでいたかも知れないのに。

乱歩さんはそれでも自分の命を天秤にかけた。私なんかの未来をそこまで重んじていたのか。

どこの馬の骨ともわからぬ少女の未来を。

多くの人を救うのに大切な自身の命をかけてまで、確認したいことだったのか。

「そこまで自信があったわけじゃないのでしょう?」

「まぁ、大きな賭けでは合ったね。でも、君は信じていた。」

「そんな、信じられていい人間なんかじゃ......」

ふるふると首を振り、そういう私。

「......」

「私なんかに賭けちゃいけないんです。今回は運が良かっただけ。これからは、きっと...そうはいかない。」

「それでも僕は君に賭ける。いや、賭けてる。」

「...どうして..?」

「○○を仲間だと思ってるって証かな。」

私を....仲間...だと思っている...

「....乱歩さんは変な人ですね。」

「その変な人に助けられてるわけだけど?」

「そのことについても感謝してます。」

「ついて「も」?」

「色々と感謝してるってことですよ!」

耳聡い乱歩さんは、どこまでも言及してくる。

「あれ...敦さんは?」

今頃気づいた私は、あたりを見回すけれど、敦さんは居ない。

代わりに乱歩さんがお菓子を置いた近くのテーブルに、手紙の添えられている花があった。

この字は敦さんだと、小さく笑いながら、内容を見る。

急に任務が入ったから、起きても居ないと思うけれど乱歩さんが来てくれる、と書いてあった。

「あ〜敦くんね〜、任務だって言ってた。」

「....そうですか。」

少し悲しい気持ちもある。いや、少しじゃなかったのかも知れない。

「あれ〜?なんか、悲しそうだね〜?」

なんだか色々わかってそうな乱歩さんは、放って置いて、貰った飴の包装紙を取る。

「すっごい悔しそうだったよ。」

「...ッぇ?」

咥えていた飴を落としそうになりながら、ギリギリのところで防ぐ。

「任務が来た時、すっごい悔しそうな目で僕のこと見てた。」

「...敦さんが...?」

なんだか想像ができない....まぁ敦さんとは面識あるし、それなりの情を抱いてくれてたのかな?

そんなこととを思っていると....

「カハッ」

「あ。」

―――異能力解禁から15分以上経った様子。

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作者メッセージ

あれ、もうちょっとで2000文字ってどういうこと?

必死になって書いてたら、こうなりましたw

2024/12/03 21:46

皇 妃凪  @明鴉 ID:≫ipy3t.X0sp7oo
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