二次創作
孤児の女の子は人虎くんの、初恋の相手でした
「ッ....」
乱歩さんの口に力が入っているのがわかる。痛みに耐えている。
私は、銃を取り落とし、乱歩さんに駆け寄る。
「なんでこんな事言いだしたんですか?.....与謝野先生を呼ばなくちゃ。」
私が与謝野先生の元に行こうとするのを、乱歩さんは制す。
「君の異能力は、人の異能力のコピーだ。名前、異能力者の名前、内容を覚えているなら使えるはずだ。」
「....え、でもそんなの...」
「良いからやるんだ。」
「....!」
乱歩さんが死ぬよりはマシだ。
「異能力、『君死給勿』。」
その後のことはよくはっきりしていない。ただ一つだけ言えるのは。
――乱歩さんの傷は治っていた。
「僕の言ったとおりだったでしょ?」
探偵社の医務室で起き上がっていた私に、先ほどとは違うお菓子を近くのテーブルに置く。
そして、私のねていたベッドに腰掛け、開口一番言った。
「.....はい。それで、どうして私がこの異能力を持っていると思ったんですか?」
「それに関しては....これ。」
手渡されたのは、一つの分厚い本だった。表紙には、『異能力者.異能力覧』と書かれている。
開かれているページには、一人の女の人と、文章が綴られている。
「....これ....私...?」
一人の女の人の写真を、指の腹でなぞる。
なんと彼女は私に瓜二つだった。
「文章、読んでみて。」
言われたとおりに、文章に視線を落とすと、まずは、でかでかと書かれた、文字が目に入った。
【異能模写】と書かれていて、その下には説明が書かれている。
そこには、
「異能力の模写、コピーが可能。しかし、15分以上異能力を解除しないと吐血してしまう。」
とあった。更に下には、
「異能力の名前、異能力者の名前、内容、異能力者のものに触れておく、という条件下のもとで発動する。」
とも書かれていた。なるほど、コピーにはいくつかの条件があるらしい。
女の人の説明には、出身地不明と書かれ、この世界に突然現れ、急死したとあった。
「.....」
「...どうかした?」
私と乱歩さんの二人の空間に、沈黙が広がる。
「こんなの....賭けじゃないですかッ....!」
私の目からは涙が溢れていた。
「...ぇ。」
「これで、私が異能力者じゃなかったらどうしてたんですか?ただの人間だったら....」
「.......」
私が何もできないただの人間だったなら。今頃乱歩さんは死んでいたかも知れないのに。
乱歩さんはそれでも自分の命を天秤にかけた。私なんかの未来をそこまで重んじていたのか。
どこの馬の骨ともわからぬ少女の未来を。
多くの人を救うのに大切な自身の命をかけてまで、確認したいことだったのか。
「そこまで自信があったわけじゃないのでしょう?」
「まぁ、大きな賭けでは合ったね。でも、君は信じていた。」
「そんな、信じられていい人間なんかじゃ......」
ふるふると首を振り、そういう私。
「......」
「私なんかに賭けちゃいけないんです。今回は運が良かっただけ。これからは、きっと...そうはいかない。」
「それでも僕は君に賭ける。いや、賭けてる。」
「...どうして..?」
「○○を仲間だと思ってるって証かな。」
私を....仲間...だと思っている...
「....乱歩さんは変な人ですね。」
「その変な人に助けられてるわけだけど?」
「そのことについても感謝してます。」
「ついて「も」?」
「色々と感謝してるってことですよ!」
耳聡い乱歩さんは、どこまでも言及してくる。
「あれ...敦さんは?」
今頃気づいた私は、あたりを見回すけれど、敦さんは居ない。
代わりに乱歩さんがお菓子を置いた近くのテーブルに、手紙の添えられている花があった。
この字は敦さんだと、小さく笑いながら、内容を見る。
急に任務が入ったから、起きても居ないと思うけれど乱歩さんが来てくれる、と書いてあった。
「あ〜敦くんね〜、任務だって言ってた。」
「....そうですか。」
少し悲しい気持ちもある。いや、少しじゃなかったのかも知れない。
「あれ〜?なんか、悲しそうだね〜?」
なんだか色々わかってそうな乱歩さんは、放って置いて、貰った飴の包装紙を取る。
「すっごい悔しそうだったよ。」
「...ッぇ?」
咥えていた飴を落としそうになりながら、ギリギリのところで防ぐ。
「任務が来た時、すっごい悔しそうな目で僕のこと見てた。」
「...敦さんが...?」
なんだか想像ができない....まぁ敦さんとは面識あるし、それなりの情を抱いてくれてたのかな?
そんなこととを思っていると....
「カハッ」
「あ。」
―――異能力解禁から15分以上経った様子。
乱歩さんの口に力が入っているのがわかる。痛みに耐えている。
私は、銃を取り落とし、乱歩さんに駆け寄る。
「なんでこんな事言いだしたんですか?.....与謝野先生を呼ばなくちゃ。」
私が与謝野先生の元に行こうとするのを、乱歩さんは制す。
「君の異能力は、人の異能力のコピーだ。名前、異能力者の名前、内容を覚えているなら使えるはずだ。」
「....え、でもそんなの...」
「良いからやるんだ。」
「....!」
乱歩さんが死ぬよりはマシだ。
「異能力、『君死給勿』。」
その後のことはよくはっきりしていない。ただ一つだけ言えるのは。
――乱歩さんの傷は治っていた。
「僕の言ったとおりだったでしょ?」
探偵社の医務室で起き上がっていた私に、先ほどとは違うお菓子を近くのテーブルに置く。
そして、私のねていたベッドに腰掛け、開口一番言った。
「.....はい。それで、どうして私がこの異能力を持っていると思ったんですか?」
「それに関しては....これ。」
手渡されたのは、一つの分厚い本だった。表紙には、『異能力者.異能力覧』と書かれている。
開かれているページには、一人の女の人と、文章が綴られている。
「....これ....私...?」
一人の女の人の写真を、指の腹でなぞる。
なんと彼女は私に瓜二つだった。
「文章、読んでみて。」
言われたとおりに、文章に視線を落とすと、まずは、でかでかと書かれた、文字が目に入った。
【異能模写】と書かれていて、その下には説明が書かれている。
そこには、
「異能力の模写、コピーが可能。しかし、15分以上異能力を解除しないと吐血してしまう。」
とあった。更に下には、
「異能力の名前、異能力者の名前、内容、異能力者のものに触れておく、という条件下のもとで発動する。」
とも書かれていた。なるほど、コピーにはいくつかの条件があるらしい。
女の人の説明には、出身地不明と書かれ、この世界に突然現れ、急死したとあった。
「.....」
「...どうかした?」
私と乱歩さんの二人の空間に、沈黙が広がる。
「こんなの....賭けじゃないですかッ....!」
私の目からは涙が溢れていた。
「...ぇ。」
「これで、私が異能力者じゃなかったらどうしてたんですか?ただの人間だったら....」
「.......」
私が何もできないただの人間だったなら。今頃乱歩さんは死んでいたかも知れないのに。
乱歩さんはそれでも自分の命を天秤にかけた。私なんかの未来をそこまで重んじていたのか。
どこの馬の骨ともわからぬ少女の未来を。
多くの人を救うのに大切な自身の命をかけてまで、確認したいことだったのか。
「そこまで自信があったわけじゃないのでしょう?」
「まぁ、大きな賭けでは合ったね。でも、君は信じていた。」
「そんな、信じられていい人間なんかじゃ......」
ふるふると首を振り、そういう私。
「......」
「私なんかに賭けちゃいけないんです。今回は運が良かっただけ。これからは、きっと...そうはいかない。」
「それでも僕は君に賭ける。いや、賭けてる。」
「...どうして..?」
「○○を仲間だと思ってるって証かな。」
私を....仲間...だと思っている...
「....乱歩さんは変な人ですね。」
「その変な人に助けられてるわけだけど?」
「そのことについても感謝してます。」
「ついて「も」?」
「色々と感謝してるってことですよ!」
耳聡い乱歩さんは、どこまでも言及してくる。
「あれ...敦さんは?」
今頃気づいた私は、あたりを見回すけれど、敦さんは居ない。
代わりに乱歩さんがお菓子を置いた近くのテーブルに、手紙の添えられている花があった。
この字は敦さんだと、小さく笑いながら、内容を見る。
急に任務が入ったから、起きても居ないと思うけれど乱歩さんが来てくれる、と書いてあった。
「あ〜敦くんね〜、任務だって言ってた。」
「....そうですか。」
少し悲しい気持ちもある。いや、少しじゃなかったのかも知れない。
「あれ〜?なんか、悲しそうだね〜?」
なんだか色々わかってそうな乱歩さんは、放って置いて、貰った飴の包装紙を取る。
「すっごい悔しそうだったよ。」
「...ッぇ?」
咥えていた飴を落としそうになりながら、ギリギリのところで防ぐ。
「任務が来た時、すっごい悔しそうな目で僕のこと見てた。」
「...敦さんが...?」
なんだか想像ができない....まぁ敦さんとは面識あるし、それなりの情を抱いてくれてたのかな?
そんなこととを思っていると....
「カハッ」
「あ。」
―――異能力解禁から15分以上経った様子。
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