柚夏の読切小説集
私の好きなことは、沢山ある。
ピアノを弾いたり、アニメを観たり、推し活をしたり、小説を書いたり……。
だが、それらは特技ではない。
なぜなら、私より上手い人がいるからだ。
私よりもっと上手にピアノを弾くことができる人がいる。私よりもっと上手く小説を書くことができる人がいる。だから、特技がないのだ。
そう思いながら窓の外を見つめる。
今日は雨。校庭に池のような水たまりができている。魚が泳いでいそうだ。
空は白い。時々、灰色の雲が見えるが、ほば白が占めている。
その平凡な空が懐かしく感じた。
ザーザーを音を立てて降る雨。白い空の下で、灰色の雲が形を変えながら川のように流れていく。
ギャーっと男子が叫び声を上げる。昨日より騒がしい。また、横からは机の上にのりを塗ってペタペタと音を立てながら手でたたく女子。キャハハと高い、サルのような声を出しながら。
この中で読書をしたり、小説を書いたりすることはとても困難だ。頭を使うので
静かな場所で書くのがベスト。騒がしい中で書くと、文章がおかしくなったりしてしまう。今もそうだ。思表が停止している。
右手で持っていたお気に入りのシャープペンシルを静かに置いた。それから、ノートをパタリと閉じ、窓の外を見た。まだ雨が降っている。
「はぁ」
明日は晴れるらしい。私の心も雨上がりの空のように晴れたらいいなと、私は心の中で願った。
ピアノを弾いたり、アニメを観たり、推し活をしたり、小説を書いたり……。
だが、それらは特技ではない。
なぜなら、私より上手い人がいるからだ。
私よりもっと上手にピアノを弾くことができる人がいる。私よりもっと上手く小説を書くことができる人がいる。だから、特技がないのだ。
そう思いながら窓の外を見つめる。
今日は雨。校庭に池のような水たまりができている。魚が泳いでいそうだ。
空は白い。時々、灰色の雲が見えるが、ほば白が占めている。
その平凡な空が懐かしく感じた。
ザーザーを音を立てて降る雨。白い空の下で、灰色の雲が形を変えながら川のように流れていく。
ギャーっと男子が叫び声を上げる。昨日より騒がしい。また、横からは机の上にのりを塗ってペタペタと音を立てながら手でたたく女子。キャハハと高い、サルのような声を出しながら。
この中で読書をしたり、小説を書いたりすることはとても困難だ。頭を使うので
静かな場所で書くのがベスト。騒がしい中で書くと、文章がおかしくなったりしてしまう。今もそうだ。思表が停止している。
右手で持っていたお気に入りのシャープペンシルを静かに置いた。それから、ノートをパタリと閉じ、窓の外を見た。まだ雨が降っている。
「はぁ」
明日は晴れるらしい。私の心も雨上がりの空のように晴れたらいいなと、私は心の中で願った。