柚夏の読切小説集
今日は月曜日。毎週月曜日は塾がある。塾と言っても英会話教室だが。
私は十二年通っている。その十二年の歴史に幕を閉じたいと私は思っている。
何の為に通っていたのか。そう訊かれるとすぐに思いつく。
「将来外国に行きたい」「英語のテストでいい点を取りたい」という理由ではない。“友達に会うため”だ。
十二年の長い付き合い。会えるのは週に一回だが、他の友達とは違う友情が芽生えていた。
だから、私は友達に会う為に通っている。親には「友達が辞めたら私も辞める」と伝えていた。
だけど、最近、その友達は来なくなった。
チャットアプリで繋がっている。だが、どうやって訊けばいいのか分からない。
「最近来ないけどどうしたの?」「大丈夫?」そう訊こうとしたが、相手が嫌な思いをするだろうと思い、送るのはやめた。
足が重い。
「行くよ」と母が言った。
「はあい」とあまり乗り気ではないように言った。
きっと「辞めたい」と言っても辞めさせてくれないだろう。
地獄の一時間が始まった。
私を合わせて五人。私以外全員男子。しかも先生も男の人。
気まずい。気まずい。気まずい。
そう思っていると先生に質問された。
あれ? 何だっけ?
頭が回らない。簡単な問題なのに。
「えっと、areです」
やっと答えられた。私はほっとした。だけどまだ三十分しか経っていない。
今日新しく配られた教科書を開いた。びっしり英語が書かれている。日本語は一切ない。頭がおかしくなりそうだ。すると、一人の人が「先生。これって何年生用の教科書ですか?」と尋ねた。
確かに。と私は思った。中学三年生でこんな難しい英語を学ぶのか? と不思議に思った。
「大学生用です」と先生は答えた。
やはり、中学生用ではない。
時間が余り、トークタイムになった。自己紹介をした。
名前の由来など、英語で説明しづらい事を質問された。
「I don't know」の繰り返し。
脳内では「帰りたい」という単語を繰り返し再生される。もう嫌になる。
何故、自分の願いは叶わないのか。
自分の願いは何だろう? と考える。私の頭に二つ上がった。
一つ目は“二次元に行くこと”これは叶わないと周りの人は言うだろう。
だけど、本当にそうなのか。もしかしたら“二次元”という世界があるのではないか。私はそう考えてトリップ方法を二十種類以上試している。
二つ目は“自分が決めた道を歩みたい”ということだ。
周りが決めた道を歩むのはつまらない。だったら自分が気になる道に進んで行った方が周りが決めた道よりも何倍も楽しいだろうと感じる。
実感が湧かないが三年生になった。
三年生といえば入試。もう高校を決め始めないといけない。
親は公立にしろと言ってくる。だけど、正直、私立に行きたいと思っている、というか気になる。
本当に行きたいのならば、行く。だって自分が決めた道に進んで行きたいから。
そう思いながら満天の星空を見つめていた。
私は十二年通っている。その十二年の歴史に幕を閉じたいと私は思っている。
何の為に通っていたのか。そう訊かれるとすぐに思いつく。
「将来外国に行きたい」「英語のテストでいい点を取りたい」という理由ではない。“友達に会うため”だ。
十二年の長い付き合い。会えるのは週に一回だが、他の友達とは違う友情が芽生えていた。
だから、私は友達に会う為に通っている。親には「友達が辞めたら私も辞める」と伝えていた。
だけど、最近、その友達は来なくなった。
チャットアプリで繋がっている。だが、どうやって訊けばいいのか分からない。
「最近来ないけどどうしたの?」「大丈夫?」そう訊こうとしたが、相手が嫌な思いをするだろうと思い、送るのはやめた。
足が重い。
「行くよ」と母が言った。
「はあい」とあまり乗り気ではないように言った。
きっと「辞めたい」と言っても辞めさせてくれないだろう。
地獄の一時間が始まった。
私を合わせて五人。私以外全員男子。しかも先生も男の人。
気まずい。気まずい。気まずい。
そう思っていると先生に質問された。
あれ? 何だっけ?
頭が回らない。簡単な問題なのに。
「えっと、areです」
やっと答えられた。私はほっとした。だけどまだ三十分しか経っていない。
今日新しく配られた教科書を開いた。びっしり英語が書かれている。日本語は一切ない。頭がおかしくなりそうだ。すると、一人の人が「先生。これって何年生用の教科書ですか?」と尋ねた。
確かに。と私は思った。中学三年生でこんな難しい英語を学ぶのか? と不思議に思った。
「大学生用です」と先生は答えた。
やはり、中学生用ではない。
時間が余り、トークタイムになった。自己紹介をした。
名前の由来など、英語で説明しづらい事を質問された。
「I don't know」の繰り返し。
脳内では「帰りたい」という単語を繰り返し再生される。もう嫌になる。
何故、自分の願いは叶わないのか。
自分の願いは何だろう? と考える。私の頭に二つ上がった。
一つ目は“二次元に行くこと”これは叶わないと周りの人は言うだろう。
だけど、本当にそうなのか。もしかしたら“二次元”という世界があるのではないか。私はそう考えてトリップ方法を二十種類以上試している。
二つ目は“自分が決めた道を歩みたい”ということだ。
周りが決めた道を歩むのはつまらない。だったら自分が気になる道に進んで行った方が周りが決めた道よりも何倍も楽しいだろうと感じる。
実感が湧かないが三年生になった。
三年生といえば入試。もう高校を決め始めないといけない。
親は公立にしろと言ってくる。だけど、正直、私立に行きたいと思っている、というか気になる。
本当に行きたいのならば、行く。だって自分が決めた道に進んで行きたいから。
そう思いながら満天の星空を見つめていた。