甘すぎたマカロン
#1
生まれつき発音が苦手らった。
ふわふわとしかしゃべれなかった。
それがおとうさん、おかあさんには嫌らったみたいら。
生まれてすぐに、僕は首を絞められた。
れも、看護師さんがとめたんらって。
それから、殺されかけたり、怒られたり。殴られたり、蹴られたりを繰り返して生きて来た。
「どうしてこんなこともできないんだ、この馬鹿息子!!」
「ご、ごめんなさい…ごめんなさい…」
「ごめん?そんな上っ面だけの謝罪になんの意味がある?わかったらお前の右腕を噛め。血が出るまでだ。」
「は…はい…っ…」
「お父さんよかったの?大切な笛製作で失敗した罰を右腕だけで済ますなんて」
「いいんだ。あの笛はもともと失敗作。あんな子に作品を任せるわけがないだろう」
「そういえばそうね!」
名前を呼ばれたことはなかった。
らから、僕は自分の名前をしらない。
苗字も、下の名前も。
教えてくれなかったというか、きっとつけられてなかったんらと思う。
マカロンって名前はね。
1日だけ見たことある小学校で、自分とおなじ背ぐらいの子が言ってた、おかし?の名前が、とてもかわいかったから、自分もそう名乗ることにしたんら。
れも、その名前を…
おかあさん、おとうさんの前で、言ったことはない。
きっと責められるから。叱られるから。怒られるから。殺されるから。置いて行かれるから。
殴られるから。蹴られるから。
らから、言わない。
太陽が沈んで、月が昇って。
さくらが咲いて、蝉さんが鳴いて、木が赤くなって、雪が降って。
これをたくさん繰り返したとき、僕の我慢は限界になった。
逃げてた。
いつのまにか、冷たいコンクリートの上を、ずっとずっと走っていた。
足が痛い。
寒い。
おなかすいた。
ここはどこ?
考えが巡るなか、不意に目に入ってきた、明るすぎる光。
やさしいお兄さんが、「ここは媒電通りだよ。君みたいな子がたくさんいるんだ」
って教えてくれて。
ありがとうって言ったら、瓶をくれた。
たくさん、白い粒が入った瓶。
「これをいっぱい飲むと、強くなれるんだよ。」
「君がどこから来たのかは知らないけど、お兄さんは応援してるよ。」
いい大人に初めてれ会ったから、嬉しくて仕方なかったなあ。
その日さっそく、8粒いっきに飲んでみたっけ。
めのまえがきらきらして、きれいらったなあ。
でもちょっとだけこわかったから、あれからは8粒飲むのはやめた。
[水平線]
朝になってから、気持ち悪いのを吐く。
お昼は、おともらちがくれたおにぎりを食べる。
夜寝る前に、白い粒を3粒飲んれ、
きらきらして目が見えなくなったら、寝る。
そんなことを何100回も繰り返していたら、新しいまいごが来た。
アルトっていう子らった。
僕とおなじぐらいの背れ、まら服がきれいらった。
アルトはすごい子らったなあ。
お歌が歌えた。
料理も作ってくれて、掃除もれきた。
僕とは大違いら。
アルトは優しかった。
僕にないものをたくさんもってた。
すごいな、かっこいいなって思ったし、
辛くもあった。
れも憎むなんてれきない。アルトもまた、両親にいじめられた子らから。
僕とおんなじ子らから。
そこらけは、一緒らった。
[水平線]
また長い日が終わった。
一緒じゃいやになってきた。
僕らけがわかるなにかがほしかった。
僕らけの自慢が欲しかった。
らから、道をずっと歩いて…あの日、僕に[漢字]媒電通り[/漢字][ふりがな]ばいれんろおり[/ふりがな]を教えてくれた、あのお兄さんに出会った。
お兄さんに僕は頼んだ。
「もっと強くなれる魔法が知りたいな」
お兄さんは何でも持ってるから。
きもちよくなれるくすり?も。
つよくなれるくすり?も。
やさしくなれる魔法も。
きっと魔法使いのお兄さんなら、なんとかしてくれるよね。
「___この、おくすりを飲んだらいいさ。」
わたされたのは、虹色のおくすり。
今までのどんなくすりよりきれいで。
おかしみたいだった。
[水平線]
にじいろのおくすり、のんら。
ふわふわすよ。きもちいる。
ぐるぐるすよ。
う
あ
あは
…
………………………
「マカロン~、今日の飯、手に入れ…」
[小文字]あれ、だれかのこえがするのら。[/小文字]
「まか、ろん…」
[小文字]あんしんれきるこえらなぁ。[/小文字]
られらっけ?
あ…
アルト…
「あ、あは、はへぁは…」
助けてよ
目がぐるぐるするんら
虹色なんら
頭が割れちゃう
痛いよ
怖いよ
また、さっきみたいに…幸せになりたい…
「たすけて。。。めのまえが、にじいろれ…きれぃ、らのらぁ。」
「お前…どうして!!」
え…
「お前が…お前が、怪しい大人に近づくなって…!
自分は、危機感知があるから大丈夫って…言ったんだろ!?」
あ…
____どうしてこんなこともできないんだ、この馬鹿息子!!
やら…やら、や…
「[太字]やめて!!![/太字]」
アルトらけは、僕のことを…
「責めないで、叱らないで、怒らないで、殺さないで、行かないで、殴らないで、蹴らないで…やめて、やめて、やめて、やめて、やめて、やめて…!!」
「…」
心臓が苦しいよ。
助けてよ。
こんなはずなかったんだよ。
もっとアルトといたかったよ。
遊びたかった。
ずっといられるわけじゃなくても…
あと、[小文字]ちょっとらけ…[/小文字]
「ああああああああああああああぁあ”っっ……」
[水平線]
[小文字]目の前が、真っ暗になって…もうそこから。声は聞こえない。[/小文字]
ふわふわとしかしゃべれなかった。
それがおとうさん、おかあさんには嫌らったみたいら。
生まれてすぐに、僕は首を絞められた。
れも、看護師さんがとめたんらって。
それから、殺されかけたり、怒られたり。殴られたり、蹴られたりを繰り返して生きて来た。
「どうしてこんなこともできないんだ、この馬鹿息子!!」
「ご、ごめんなさい…ごめんなさい…」
「ごめん?そんな上っ面だけの謝罪になんの意味がある?わかったらお前の右腕を噛め。血が出るまでだ。」
「は…はい…っ…」
「お父さんよかったの?大切な笛製作で失敗した罰を右腕だけで済ますなんて」
「いいんだ。あの笛はもともと失敗作。あんな子に作品を任せるわけがないだろう」
「そういえばそうね!」
名前を呼ばれたことはなかった。
らから、僕は自分の名前をしらない。
苗字も、下の名前も。
教えてくれなかったというか、きっとつけられてなかったんらと思う。
マカロンって名前はね。
1日だけ見たことある小学校で、自分とおなじ背ぐらいの子が言ってた、おかし?の名前が、とてもかわいかったから、自分もそう名乗ることにしたんら。
れも、その名前を…
おかあさん、おとうさんの前で、言ったことはない。
きっと責められるから。叱られるから。怒られるから。殺されるから。置いて行かれるから。
殴られるから。蹴られるから。
らから、言わない。
太陽が沈んで、月が昇って。
さくらが咲いて、蝉さんが鳴いて、木が赤くなって、雪が降って。
これをたくさん繰り返したとき、僕の我慢は限界になった。
逃げてた。
いつのまにか、冷たいコンクリートの上を、ずっとずっと走っていた。
足が痛い。
寒い。
おなかすいた。
ここはどこ?
考えが巡るなか、不意に目に入ってきた、明るすぎる光。
やさしいお兄さんが、「ここは媒電通りだよ。君みたいな子がたくさんいるんだ」
って教えてくれて。
ありがとうって言ったら、瓶をくれた。
たくさん、白い粒が入った瓶。
「これをいっぱい飲むと、強くなれるんだよ。」
「君がどこから来たのかは知らないけど、お兄さんは応援してるよ。」
いい大人に初めてれ会ったから、嬉しくて仕方なかったなあ。
その日さっそく、8粒いっきに飲んでみたっけ。
めのまえがきらきらして、きれいらったなあ。
でもちょっとだけこわかったから、あれからは8粒飲むのはやめた。
[水平線]
朝になってから、気持ち悪いのを吐く。
お昼は、おともらちがくれたおにぎりを食べる。
夜寝る前に、白い粒を3粒飲んれ、
きらきらして目が見えなくなったら、寝る。
そんなことを何100回も繰り返していたら、新しいまいごが来た。
アルトっていう子らった。
僕とおなじぐらいの背れ、まら服がきれいらった。
アルトはすごい子らったなあ。
お歌が歌えた。
料理も作ってくれて、掃除もれきた。
僕とは大違いら。
アルトは優しかった。
僕にないものをたくさんもってた。
すごいな、かっこいいなって思ったし、
辛くもあった。
れも憎むなんてれきない。アルトもまた、両親にいじめられた子らから。
僕とおんなじ子らから。
そこらけは、一緒らった。
[水平線]
また長い日が終わった。
一緒じゃいやになってきた。
僕らけがわかるなにかがほしかった。
僕らけの自慢が欲しかった。
らから、道をずっと歩いて…あの日、僕に[漢字]媒電通り[/漢字][ふりがな]ばいれんろおり[/ふりがな]を教えてくれた、あのお兄さんに出会った。
お兄さんに僕は頼んだ。
「もっと強くなれる魔法が知りたいな」
お兄さんは何でも持ってるから。
きもちよくなれるくすり?も。
つよくなれるくすり?も。
やさしくなれる魔法も。
きっと魔法使いのお兄さんなら、なんとかしてくれるよね。
「___この、おくすりを飲んだらいいさ。」
わたされたのは、虹色のおくすり。
今までのどんなくすりよりきれいで。
おかしみたいだった。
[水平線]
にじいろのおくすり、のんら。
ふわふわすよ。きもちいる。
ぐるぐるすよ。
う
あ
あは
…
………………………
「マカロン~、今日の飯、手に入れ…」
[小文字]あれ、だれかのこえがするのら。[/小文字]
「まか、ろん…」
[小文字]あんしんれきるこえらなぁ。[/小文字]
られらっけ?
あ…
アルト…
「あ、あは、はへぁは…」
助けてよ
目がぐるぐるするんら
虹色なんら
頭が割れちゃう
痛いよ
怖いよ
また、さっきみたいに…幸せになりたい…
「たすけて。。。めのまえが、にじいろれ…きれぃ、らのらぁ。」
「お前…どうして!!」
え…
「お前が…お前が、怪しい大人に近づくなって…!
自分は、危機感知があるから大丈夫って…言ったんだろ!?」
あ…
____どうしてこんなこともできないんだ、この馬鹿息子!!
やら…やら、や…
「[太字]やめて!!![/太字]」
アルトらけは、僕のことを…
「責めないで、叱らないで、怒らないで、殺さないで、行かないで、殴らないで、蹴らないで…やめて、やめて、やめて、やめて、やめて、やめて…!!」
「…」
心臓が苦しいよ。
助けてよ。
こんなはずなかったんだよ。
もっとアルトといたかったよ。
遊びたかった。
ずっといられるわけじゃなくても…
あと、[小文字]ちょっとらけ…[/小文字]
「ああああああああああああああぁあ”っっ……」
[水平線]
[小文字]目の前が、真っ暗になって…もうそこから。声は聞こえない。[/小文字]
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