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【参加型】虐げられる日々を送っていたら、異世界で戦争を食い止める事になり帝王に鍾愛されました。

#6


side ブレイ

「あの子.....人間とライオンのハーフなんだってね。」
「嘘...近づかないでほしいわ。」
「なんで神聖な貿易都市の『アメドロイダ州』に人間とライオンのハーフなんて居るんだ。」

どいつもこいつも、僕を見下すようにしてそう言葉を吐き捨てる。
「..........ブレイを侮辱するなんて....許さない.......」
隣に居たヒノが、そう言って目をギンギンにしながら忍ばせていたナイフをすっと懐から取り出す。
......ヒノが今何をしようとしているかは、もう検討がついている。

「..........ヒノ、いいって。言いたいやつには言わせておけって感じだから。」
「いや、だが...........」
ヒノは、僕のことを心から慕ってくれている。だから、僕の嫌がることは絶対にしない。
僕が物事を拒否ればそれ相応に対応してくれるし、逆に賛同するようなことがあればヒノも賛同する。
それくらい、僕とヒノの関係性はずいぶん深くまで築かれている。

「.............それより....もう、いつ戦が始まってもおかしくないね。」
僕は話をそらすようにそう言って、貿易都市として最も有名な『アメドロイダ州』のあたり一面をぐるりと見渡す。
ヒノは僕のその言葉に一瞬驚いたけれど、すぐにいつもの落ち着いた表情に戻った。

「......そうだな........なあ、ブレイ。」
珍しい、ヒノからなにか話題を持ち出してくるなんて。
最近はヒノももうすぐ始まる戦のことで頭がいっぱいだったもんな......
そして、ヒノは僕にこう言った。

__________これが、すべての始まりだったのかもしれない。

「私たちも....戦に参戦しよう。」
.......................はあ?
「いや...驚くのもわかる....だがブレイは今『人間とライオンのハーフ』というレッテルが貼り付けられているだろう。それを剥がすためにはこの戦をうまいこと利用して、もはや腐敗状態のこの国を...建て替えられるほどの権力を手にして、誰に何も文句を言わせないようにするのが、私は最善だと思い.....」
やたら最後の方の言葉が小さく聞こえたのは気の所為だろうか。
それはまあ置いといて....
確かに....僕らの居る『ロベルト国』の国王が現在行方不明になっていて、その「国王」という座を狙っている者は星の数ほど居る事はもう国内中に知れ渡っている。
..........でも、だからといって、何もない僕とヒノが戦に参戦したところで、なにか出世のチャンスをもらえるとか、ましてや僕なんかが国王なんて座に居座ることなんてできるはずがない。

その事を了承した上で、僕はしぶしぶ口を開いた。
「すごくいい話だとは思うけど......僕なんかを雇ってくれる軍なんてないだろうし、僕戦いなんてしたことない......それに、軍に加入できなかったら、戦に参加することそのものが不可能じゃない....?」
僕は、てっきりヒノも「ああそうか...」と言って諦めるんだと思っていた。
_______でも、それは大間違い。

[大文字]「何を言っている?私は、あの『アルメ国』の元歩兵団所属の兵士。戦いの道具など揃ってるし、軍服なんて作れば良い。それに、仮に軍に加入する事ができなくても私たち独自が『歩兵団』を立ち上げれば良い。」[/大文字]

いつもは「ブレイブレイ」と言ってぐだぐだしているヒノだけど、今は.......立派な『兵士』に見えた。
...........だめだ、ここでヒノの考えを否定してはいけない。
もちろん、僕は何もできないし特別得意な何かがあるわけではない。
でも......せっかく、ヒノが考えてくれたこの案。

「.............あ、いや....すまない。戦に参戦するなんて、勇気のいる好意だものな。私とブレイ2人はアメドロイダに待機で........」
「ううん、やるよ。」

「そうだな.......って、え?」
ヒノはさっき以上に目を丸く見開いて僕を見つめた。
「......ヒノがせっかく考えてくれたんだもん.....否定してる場合じゃないよ、僕だって、ちゃんと頭があるんだからね.......でも、僕とヒノ2人だけじゃ、歩兵団を立ち上げるにも立ち上げられない...........じゃあ、今そんな僕らができることは?」

普段お互いの思考があまり交わらない僕ら。
でも、このときはっきり僕とヒノの声が重なったことを鮮明に覚えている。

「「逸材探しだ!!!」」

[水平線]
ばくばくと、心臓の音が加速していっているのが自分でもよくわかる。
わたしは、クラスメイトの数人の女の子に裏庭に呼び出された。

「ねえあんた、そろそろエマちゃんの事いじめるのやめてくれない?」
「そうだよ、エマちゃんが傷ついてるのが見えないの?」
「人の気持も考えられないなんて、哀れな人。」

まるで空から槍が振りかざさってくるかのように投げられたその言葉。
...........いつもいつもお母さんやエマに言われている言葉でも、さすがにクラスメイトから言われると慣れているわたしでも少し傷ついてしまう。
でも、ここはわたしもエマと同じで演じ通さなきゃいけない。
.....それが、わたしにできる唯一エマの役にたてる、シンデレラの手助けをする脇役という役目だから。

だから、今わたしはここで口を開いてはいけない。
わたしはよく選択を間違える。昨日みたいに......選ぶものを間違えて、結局エマの事を傷つけてしまった。
そんな思いを....クラスメイトにまで、させたくない。
わたしが何も言わないことに逆上したのか、クラスメイトの子が顔を真っ赤にしてわたしの頬を強く叩いた。
鈍い音が、裏庭を覆う。

「だから!エマちゃんの嫌がってるんだから今すぐにやめなさいって言ってんの!!」
叩かれた頬が、じんじんする。
でも、これももうなれっこ........お母さんに、たくさん殴られたことはあるから.....
「.............な、なにか言いなさいよ!!!」
再び、クラスメイトの子はわたしに手をあげようとした。
............これは、仕方がないことだから。
わたしが、エマの役に立てる唯一の方法だと、自分でもきちんとわかっているから。
大丈夫、わかってる、わかってる。最後の最後まで...演じ通すから.....

[大文字]だけど.....一度でいいから...わたしを....好きに、なってほしい......[/大文字]

それが、生涯脇役のわたしの最後の願い。

____________『シンデレラは、最後の最後で逆転勝ちをする』



「...............なにしてんの......?」



ここからわたしとブレイさん2人の、鍾愛物語が始まる______

作者メッセージ

一人称、口調変だったら訂正します教えてください~❕️
あと相方復活しました、学校来てなにするかと思えば男子に性癖暴露しててお前なにしてんだよってつっこみたくなりました()

参加まだまだ待ってますー、お願いしますメロ

2024/12/17 22:58

なろっこさっきー ID:≫ipB8eroXHA3fE
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