【「お兄ちゃん」と呼ばないと出れない部屋】

「お」「うわ」

　もうわかりきってんじゃん。どっちが言うかなんてもうわかりきってるじゃんかぁ！！

「エミさん」

「嫌です……って言っても無理なんでしょうけどねぇ！！」

「お、おう、落ち着け？」

「落ち着けるか！！」

「そうか、早く言うんだゾ^言^」

「何で私なんですかぁ……」

「歳的にも、立場的にもそうだろう？言うんだゾ^言^」

「……ｯﾁ、クソが(ﾎﾞｿｯ」

　何？上目使い要んの？は？怠。(落ち着け)わくわくしているクソ上司に、殺意を沸かせながら、少ししゃがんで上目使いをする。

「……おにぃちゃん//」

　どうせ、全部平仮名で、伸ばし棒よりも小さい文字の方が好きなんでしょ？ちょっと照れてたらもっといいんでしょ？(メタ)

「ｸﾞﾊｧｯｯ(死」

　ほら。

　扉の開く音と共に、鼻血を出して倒れるグルさん。

　……え？鼻血！？

「ちょｯ、え”！？！？」

「ぐ、ふぅ、し、失敬……取り乱してしまったゾ……」

　いやいや、鼻血出てんだから、どうにかしろよ。心配とかじゃない。普通に嫌。何？興奮したとか言うつもり？ゾムさんがいい。ツンデレじゃない。

「いや～、さすエミ。可愛い。うん。私の嫁になろう。」

「嫌です(即答」

「何故だ！！」

「私はゾムさんの婿兼嫁になるんです！！てかあんた嫌いなんですけど！！」

「え、嫌いだったのか！？」

「そりゃそうでしょ！？ゾムさん巻き込みたくないってんのに、何でスカウトしようとしてんですか！！」

「結構な戦力になるだろうが！記憶戻ってんだし、早く渡せよ！！」

「そうやって彼のことを戦力としか見ないの、本ｯｯｯｯｯ当に大ｯｯｯ嫌い！！！」

　わかってほしい。自分の大切な人が物扱いされるのを！！嫌でしょ！？(うんそうだね)

「おい上司だぞ？総統(リーダー)なんだが！？！？」

「リーダーだから何だ、私が嫌だと言えば嫌。権力で殴られるの嫌いなんだよ。」

　冷たくあしらって、愛しのゾムさんが待つ家へ帰るとしよう。癒して貰おう、そうしよう。開いた扉を潜り、先へと急ぐ。後ろで何か聞こえた気がしたが、無視して。1週間ぐらい無断欠勤してやろうか。しないけど。

　あの人がこの程度でへこたれないのは百も承知だ。だから、適当にあしらった。

　ただ、少し、明日が怖いけど。