アリスと魔法の国
私達はなんやかんやありながら海の上を進んでいった。
「おい、そろそろ付くから樽の中に入っとけ」
霊幻の声が聞こえた。
「「はい」」
「承知」
私、神威、ルクスは樽の中へと隠れた。
ー3時間後
いろいろな荷物が運び出される音がする。
「よっと」
私達も持ち上げられ船の外へと運ばれた。運ばれた先は馬車かなにかの荷台だろう。
ダダダダダ、と馬が地を駆ける音がする。
2時間ほどずっと走り続けると馬は止まった。
また、私達はどこかへと運ばれた。
ドンッと私が入っていた樽が置かれ、樽の蓋が開いた。
周りを見ると見たこともないような内装だった。それがここを倭だと実感させる。
「久しぶりでありんす。神威」
その声は妖艶で人を堕落させるような美しい声だった。
私はその声の主の方を見る。
そこにいたのは着物を着た美しい妖艶な女性だった。
その女性は背は私よりも頭ひとつほど違い。胸はメロンよりも少し大きかった。そして、その場にいるもの皆、彼女に釘付けになっていた。
その中、神威の震えるような声が私の耳に届く。
「[漢字]妖美[/漢字][ふりがな]ようび[/ふりがな]姉さん...」
彼女は神威の姉なのだろう。確かに目や髪は似ている。
「よく、無事で戻ってくれたでありす」
彼女は神威を抱きしめる。
神威も抵抗せずに受け入れる。
それから少し経ち、彼女は神威を放す。
「それで神威よ、あちらのお嬢さん方はどちら様にござんしょうか?」
ここにいるのは私と神威、ルクス、鈴である。私達を運んでくれた人はさっき出ていったばっかだった。
神威の姉様であるであろう女性は私達を見る。その表情は笑ってるが、目は笑ってない。
「こちらは拙者の冒険者パーティのアリス、ルクス、鈴でござるよ」
それを聞いて女性はニコッと笑う。
「恋仲というわけではないでありんしたか」
「そそそ、そうでござるぅよ」
焦ってるのバレバレだ。
その言葉を聞いて女性は神威のことをジト目で見る。
それをごまかすかのように神威は慌てて言葉を発す。
「こちらは拙者の姉の紅桜 妖美でござる」
「よろしゅう。わっちの弟が世話になってるでありんす」
妖美は少し頭を下げた。わたしたちも頭を下げるのが礼儀だろうと頭を下げる。
神威は妖美に話しかけた。
「妖美姉さん。他の人達はどうしたでござるか?」
妖美は暗い顔になり少し黙り込んだが喋った。
「...死んだでありんす」
短くも情報の多い一言に私達も息を呑んだ。
でも、神威は...。
「何故でござる?なぁ、何故でござるよ?妖美姉さん...」
神威は涙目になり必死に妖美に聞いていた。
「母上は処刑された。[漢字]炎夜[/漢字][ふりがな]ほや[/ふりがな]は[漢字]蒼波 郷川[/漢字][ふりがな]あおなみ ごうせん[/ふりがな]との戦争にて戦死。父上は二人の死に嘆き自殺をしようとしたが、わっちが止め命はあるものの廃人になっているでありんす」
「待ってくだされ、意味がわからぬ。なぜ母上は処刑されたでござる。なぜ炎夜は蒼波家の次期当主と戦争をしたでござる」
神威は「意味がわからぬ」と嘆いている。
「順を追って説明するでありんす。これにはお主がこの国を逃げた理由も関係するでありんす」
神威は覚悟を決めたような目で妖美を見る。
「良い目でありんす」
妖美は何を語るのか...。
「おい、そろそろ付くから樽の中に入っとけ」
霊幻の声が聞こえた。
「「はい」」
「承知」
私、神威、ルクスは樽の中へと隠れた。
ー3時間後
いろいろな荷物が運び出される音がする。
「よっと」
私達も持ち上げられ船の外へと運ばれた。運ばれた先は馬車かなにかの荷台だろう。
ダダダダダ、と馬が地を駆ける音がする。
2時間ほどずっと走り続けると馬は止まった。
また、私達はどこかへと運ばれた。
ドンッと私が入っていた樽が置かれ、樽の蓋が開いた。
周りを見ると見たこともないような内装だった。それがここを倭だと実感させる。
「久しぶりでありんす。神威」
その声は妖艶で人を堕落させるような美しい声だった。
私はその声の主の方を見る。
そこにいたのは着物を着た美しい妖艶な女性だった。
その女性は背は私よりも頭ひとつほど違い。胸はメロンよりも少し大きかった。そして、その場にいるもの皆、彼女に釘付けになっていた。
その中、神威の震えるような声が私の耳に届く。
「[漢字]妖美[/漢字][ふりがな]ようび[/ふりがな]姉さん...」
彼女は神威の姉なのだろう。確かに目や髪は似ている。
「よく、無事で戻ってくれたでありす」
彼女は神威を抱きしめる。
神威も抵抗せずに受け入れる。
それから少し経ち、彼女は神威を放す。
「それで神威よ、あちらのお嬢さん方はどちら様にござんしょうか?」
ここにいるのは私と神威、ルクス、鈴である。私達を運んでくれた人はさっき出ていったばっかだった。
神威の姉様であるであろう女性は私達を見る。その表情は笑ってるが、目は笑ってない。
「こちらは拙者の冒険者パーティのアリス、ルクス、鈴でござるよ」
それを聞いて女性はニコッと笑う。
「恋仲というわけではないでありんしたか」
「そそそ、そうでござるぅよ」
焦ってるのバレバレだ。
その言葉を聞いて女性は神威のことをジト目で見る。
それをごまかすかのように神威は慌てて言葉を発す。
「こちらは拙者の姉の紅桜 妖美でござる」
「よろしゅう。わっちの弟が世話になってるでありんす」
妖美は少し頭を下げた。わたしたちも頭を下げるのが礼儀だろうと頭を下げる。
神威は妖美に話しかけた。
「妖美姉さん。他の人達はどうしたでござるか?」
妖美は暗い顔になり少し黙り込んだが喋った。
「...死んだでありんす」
短くも情報の多い一言に私達も息を呑んだ。
でも、神威は...。
「何故でござる?なぁ、何故でござるよ?妖美姉さん...」
神威は涙目になり必死に妖美に聞いていた。
「母上は処刑された。[漢字]炎夜[/漢字][ふりがな]ほや[/ふりがな]は[漢字]蒼波 郷川[/漢字][ふりがな]あおなみ ごうせん[/ふりがな]との戦争にて戦死。父上は二人の死に嘆き自殺をしようとしたが、わっちが止め命はあるものの廃人になっているでありんす」
「待ってくだされ、意味がわからぬ。なぜ母上は処刑されたでござる。なぜ炎夜は蒼波家の次期当主と戦争をしたでござる」
神威は「意味がわからぬ」と嘆いている。
「順を追って説明するでありんす。これにはお主がこの国を逃げた理由も関係するでありんす」
神威は覚悟を決めたような目で妖美を見る。
「良い目でありんす」
妖美は何を語るのか...。