私と神威がパーティを組んでから1ヶ月が経とうとしていた。
　今、私達はギルドの隣の冒険者用の仮部屋に住んでいる。ものはそこまで多くない。
　私達はあれから順調に依頼を進めていった。あの日のようなことは起きていない。本当にあれは何だったのだろうか?
　私達はこのギルドでご飯を食べているため他の冒険者ともたまに話たりする。だから、今ではみんなと打ち解けいていて、毎日が祭りのようだった。
　でも、私は目的を忘れていない。今は自分の師となる者を探している。
　ここにいる冒険者たちはシルバーランク以下が多い。学ぶことがないわけでもないが...私にあった師がほしい。そういえばアメリアさんならいい人知っているかも。朝ご飯を食べるとき、神威に提案してみよう。
　あ、神威が起きてきた。
｢おはようでござる。アリス｣
｢えぇ。おはよう。神威｣
　今ではこれが日常になっている。
｢ご飯食べに行きましょうか｣
｢そうでござるな｣
　私達は下に降り、私はサラダ、神威は白米を注文してもうわたしたちの指定席のようになった窓側の席へと座ってご飯が届くのを待った。
｢ねぇ、神威。私、師匠がほしいの。だからアメリアさんに相談しようと思うんだけど...どうかな?｣
｢それはいいでござるな。拙者ももう少しこの妖術の使い方を知りたいと考えていたのでござるよ｣
｢なら決まりだね｣
　神威は最初から魔法が使える。でも、兄に習っていたらしくまだ、あの1つしか習っていないそうだ。1つ覚えてその後、旅に出てここに来た。
　おっと、考えていたら朝ご飯が来た。
｢｢いただきます｣｣
　手を合わせての挨拶。今ではこれもいつものルーティンの一つだ。
　そういえばずっとギルドに居るけど神威にも目標はあるのだろうか?私はふと気になった。
｢神威って目標とかあるの?｣
｢あるでござるよ。いつか国に帰って成長した姿を国に魅せてやりたいでござる。そういうアリスはどうでござるか?｣
｢兄を探すことが目標、かな｣
｢なら、そのときは一緒に旅をするでござる。その途中で拙者の国にも立ち寄って拙者の国をアリスに見せたいでござる。｣
　神威は、にこやかに笑った。
｢えぇ。楽しみにしておくね｣
　私達は一緒に向かい合って笑った。