アリスと魔法の国
[中央寄せ]ーーーーーーー[/中央寄せ]
私が目が覚めると時間はあまり立っていなそうだ。
母様のお陰で私の中には新たな能力が入ってくるのを感じる。
‹白雪姫›その能力は大きく分けて3つ。1つ、全てを見通す。2つ、毒の消滅。だが、これは愛し合う二人が口づけすることによっての発動。そして3つ、相手に毒の付与。
神威を復活させるには2つ目の口づけ...。
えっ。ほんとにするの?
でもこれ、愛し合う二人じゃないと...。
いや、私は神威のことを...ぃしてるし、神威さえ良ければ...。
あぁ、恥ずかしぃぃぃぃぃ。
もういい、もうやるしか道はない。
覚悟を決めろ、アリス。
神威、起きて。
そうして、私は神威へと口づけをする。
顔が熱くなって、ドキドキと心臓がなるのが聞こえる。
「あれ、アリス。拙者の上になんで乗っているでござるか?」
神威は起きたばかりできょとんとした。
でも、感覚や少しの意識が蘇ったのか少しずつ顔を赤くしていく。
私も耐えられなくなり...流される。
「王子様は、愛しの姫の口づけで目をさまっすて言うじゃん?」
「それ、逆でござろうよ」
冗談を交えたおかげで少しまともに...いや、やっぱそんなすぐにはなれんな。
「あれ、拙者の毒は?」
「それをなくすための口づけだよ!」
神威はまた思い出したのか赤くなる。私も熱くなるのを感じる。
「でも、その条件がね...」
「条件が...?」
私は耐えられなくなり、テンパりながら言う。
「あああああ、後で、いゆ、言うね」
「分かり申した。今はあの悪魔を倒さねばならんでござるしね?」
そう言えばすっかり忘れてた。
「うん、そうだね」
口づけで頭いっぱいになって忘れてたなんて言えないなぁ。
「あの悪魔、どこでござろうか?」
「待ってね」
私は目に魔力を込め周りを見渡す。
あの悪魔の魔力が見える。
「あっち」
そう言って私は東の方を指さした。
「行くでござるか」
「えぇ」
私達は東へと飛んでいった。
「[打消し]Omnia perdam[/打消し]!!!!!」
悪魔が叫んでいる。
殺さずに、捕まえる。
「神威、彼は殺さずに捕まえる」
「どうしてでござる?彼を活かしても意味のない...それに、死んでいった者たちの無念は...」
神威は仁義を重んじる武士だ。何かあるのだろう。でも、
「ウロボロス教団には聞かなければいけないことがある」
神威も納得したように、けれども少しだけ心残りがあるように頷く。
「神威は彼の注意を引き付けて」
「承知」
神威は飛んでいき悪魔を攻撃する。
悪魔を取り除くには光魔法だ。
けれど、彼が生き返ったのは多分、自分自身に‹ネクロマンシー›を掛けたからだ。
だから、この目で悪魔と彼を引き剥がす。
私は目に魔力を込め悪魔を見る。
魂の境目。そこを光のナイフで斬る。
その瞬間、悪魔の外装は剥がれ落ち男が出てきた。
神威はその男を掴み地上へと降ろした。
「これで良かったでござるか?」
「うん、最高。ありがと、神威」
念の為、男に‹パラライズ›を掛けた。