- 閲覧前にご確認ください -

多少過激な表現があるかもしれません。
作者の趣味です。

文字サイズ変更

アリスと魔法の国

#71

12話 アリスと鏡


[中央寄せ]ーーーーーーーーーー[/中央寄せ]


 閉じていた視界が開いていく。
 だが、見える景色がさっきとは違う。
 ここはまるで私の世界‹不思議な世界›のような場所であった。
 周りを見渡すと足元に一匹の真っ白な兎がいた。
 真っ白な兎の真っ赤な目が私の目と合うと兎は喋り始めた。
「やぁ、久しぶりだね。アリス」
 兎が喋るのを見たのは初めてではないが...なんというか、まだなれない。
 でも、この兎がいて、私の世界に似た空間ってことは、ここはきっと私の意識の中なのだろう。
「そう、ここは君の意識の中」
 兎は私の思考を読んだかのように答える。
「読んだようにじゃなくてね、ここは君の意識の中なんだよ?僕は君の思考の一部。君を覚醒させるための一部。そして、使い魔でもある」
 私、使い魔契約なんてした記憶ないんだけど...。
「この魔法に覚醒したから自動で契約しただけだよ。深く考えないで」
 まぁ、それはいいとして。私と神威は大丈夫なの?
「君の方は数直前に目が看破して光魔法を無意識に発動したけど...神威くんは今頃、瘴気に侵されているだろうね。あと、30分ぐらいで命の危険がある」
 なら、早く返して。
「それは無理だ。君も今、危険な状態にある。神威程ではないとは言え、対処しなければ二人共死ぬよ」
 なら、ならどうしたいいていうんだよ。
 私には光魔法で進行をを遅らせるぐらいしかできない。
「だから、僕がいるの。付いてきて」
 そう言うと兎は走り始める。
 私もそれに付いていくしかない。他にどうすればいいかもわからない。
 私は神に縋る気持ちでうさぎを追いかけた。

 兎が急に止まるとそこには真っ白なお城があった。
 正直、綺麗だと思った。
「見惚れるのはいいけど。時間がないんだろ?早く」
 私は兎の言葉で我に戻り場内に入っていった。
 兎は付いてはこない。なぜだろうか?
「僕の役目はここまでだ。幸運を祈るよ、アリス」
 私は城に入り長い廊下を歩いた。
 ここは内装まで真っ白であった。
 すると一番奥に多くな鏡があった。
 私は鏡の前に行くとその鏡をよぉぅく見た。
 なんだか懐かしいような、それでいて身近に感じた。
 私はその鏡に触れる。
 鏡に写っていた私は姿を変え母様へと変化した。
「アリス。あなたはやはりたどり着くのですね」
 その声を聞いて私は胸を高鳴らせた。
「母様!!」
 私がここに来て初めて発した言葉だった。
「アリス、残念ながら私はもう死んでます」
 アリスの頬に冷たいものがツゥと通るのを感じた。
「ここにいる私は目に宿る残滓し過ぎません。ですができることがあります。それは...」
 鏡から母様の手が出てくる。そして、その手は私の頬を優しく撫で右目の上にそっと手を乗せる。
「あなたに私の魔法を与えます」
 目が熱い。目が変化していくのを感じる。
「少しの間、我慢してくださいね。できるまでに伝えときます。貴方にあげた目は、貴方を早く覚醒させ逃すためのピースに過ぎませんでした。でも、もし私が死んだ時、貴方を守るため魂の一部をこの目に宿したのです。」
 私を守るために...。
「ありがとう。母様」
 私は泣くのをこらえ眼の前の鏡を見つめる。
「アリス...もう、時間が..り.いの..です。最.ご..とつ.け、[漢字]世界[/漢字][ふりがな]・・[/ふりがな]に..つけて」
 そう言って母様は鏡の中からも消えた。
 でも、母様は最後に笑っているように見えた。
 死んだものと思っていたから、このような形でも会えたのは嬉しかった。けど、それでも別れは辛い。
 私はそれでも泣くのをこらえ外へと出た。
 そこにいるのは白兎。
「母親との別れはすましたかい?」
 えぇ。貴方が言っていたのはこの目のことでしょ?
「あぁ、そうさ。じゃあ、あの悪魔を倒してきな」
 私の視界は再び暗くなった。

作者メッセージ

次回が本当の終わり。

2024/12/29 22:36

The jester ID:≫ip9LpYJarv/ME
続きを執筆
小説を編集

パスワードをおぼえている場合はご自分で小説を削除してください。(削除方法
自分で削除するのは面倒くさい、忍びない、自分の責任にしたくない、などの理由で削除を依頼するのは絶対におやめください。

→本当に小説のパスワードを忘れてしまった
▼小説の削除を依頼する

小説削除依頼フォーム

お名前 ※必須
Mailアドレス
(任意)

※入力した場合は確認メールが自動返信されます
削除の理由 ※必須

なぜこの小説の削除を依頼したいですか

ご自分で投稿した小説ですか? ※必須

この小説は、あなたが投稿した小説で間違いありませんか?

削除後に復旧はできません※必須

削除したあとに復旧はできません。クレームも受け付けません。

備考欄
※伝言などありましたらこちらへ記入
メールフォーム規約」に同意して送信しますか?※必須
小説のタイトル
小説のURL
/ 105

コメント
[30]

小説通報フォーム

お名前
(任意)
Mailアドレス
(任意)

※入力した場合は確認メールが自動返信されます
違反の種類 ※必須 ※ご自分の小説の削除依頼はできません。
違反内容、削除を依頼したい理由など※必須

盗作されたと思われる作品のタイトル

※できるだけ具体的に記入してください。
特に盗作投稿については、どういった部分が元作品と類似しているかを具体的にお伝え下さい。

《記入例》
・3ページ目の『~~』という箇所に、禁止されているグロ描写が含まれていました
・「〇〇」という作品の盗作と思われます。登場人物の名前を変えているだけで●●というストーリーや××という設定が同じ
…等

備考欄
※伝言などありましたらこちらへ記入
メールフォーム規約」に同意して送信しますか?※必須
小説のタイトル
小説のURL