アリスと魔法の国
私と神威は目的地へと走った。
農村の中心に男女が二人いた。
その女と目が合う。
「あら、あらあらあら。あなたその黄金色に光る透き通るような髪、全てを写し反射ような無機質な水色の目、髪と同じく神秘を感じさせる芸術的な目は[漢字]世界[/漢字][ふりがな]・・[/ふりがな]の妹君、アリスちゃんではぁぬぅぁいでぇすかぁ」
女は蛇のように口と目を見開き私を見る。
恐怖、吐き気、息苦しさを感じ、震えが止まらない。
その理由も女の足元にはグチャになった死体が数体、転がっている。
きっとこの村の人達だろうなぁ。
私は少しよろめく。神威はそんな私を肩にそっと抱く。
ドキッとするけどやっぱり...。
あぁ、落ち着く。
「大丈夫でござるか?」
「少し良くなったよ。ありがと、神威」
「この程度で収まるならいつでもやるでござるよ」
「いつもはちょっと...恥ずかしいかな」
私は恥ずかしさ混じりに答えた。
神威のお陰で震えは止まった。
世界の妹...?
兄様は世界のタロットカードの所持者!?
いや、考えるのは眼の前の二人を倒してからだ。
そして、何も喋らなかった男が不機嫌そうに喋りだす。
「ねぇ、俺の前でいちゃつくのやめろ、ホント。虫酸が走る。俺はさぁ、こんな美意識、異性の理想すべてが終わってるこの女とさぁ、恋人とかいうクソみてぇなモン担当してんだよ。その時点で苛ついてるのによぉ...テメェ等マジ死刑な」
男は本当に不機嫌そうだ。
男は薄い茶色のスーツを着こなし金髪のそこそこ顔のいい。渋みと高級感、若さを兼ね揃えていてなんとも”貴族”という言葉が似合いそうな人だ。
「私だってあんたいたいなクソみたいな感性の男なんて嫌ですよぉ。ほんと死んだらどうですぅかぁぁぁぁぁ」
対する女は黒いロリータ服を着ていて、なんというか”メンヘラ”とか”ヤンデレ”とかそんな感じのイメージだ。
「はぁ、君といると本当に疲れる。さっさと捕らえて帰るぞ‹ネクロマンシー›」
するとあちこちから物音がする。
見るとそこには光を宿さない目がこちらを見ていた。
まるで死んでいるようだった。
ネクロマンシーは眠れる死者を呼び起こす禁忌の無属性魔法である。
まさかこんなとこに使い手がいただなんて。
「それは最悪ながら同意‹醜いアヒルの子›」
女は足元に転がる死体に手を置いてそう唱える。
すると死体はモゴモゴと蠢き出し、合わさり巨大な肉の塊へとなる。
それは大きな人型のような形であった。
「いやぁ、美しいねぇ。感覚、全てで感じる。」
女はトロけたような顔で肉の塊に頬ずりする。
「本当に悪趣味な女だ」
男は言葉を吐き捨てる。
「あんたには言われたくないよ死体愛好家が」
「うっせ、魔物愛好家」
感性は二人共終わっていた。どちらも変態である。
私と神威はただ吐き気を抑え、この人たちはここで殺ると心に誓った。
農村の中心に男女が二人いた。
その女と目が合う。
「あら、あらあらあら。あなたその黄金色に光る透き通るような髪、全てを写し反射ような無機質な水色の目、髪と同じく神秘を感じさせる芸術的な目は[漢字]世界[/漢字][ふりがな]・・[/ふりがな]の妹君、アリスちゃんではぁぬぅぁいでぇすかぁ」
女は蛇のように口と目を見開き私を見る。
恐怖、吐き気、息苦しさを感じ、震えが止まらない。
その理由も女の足元にはグチャになった死体が数体、転がっている。
きっとこの村の人達だろうなぁ。
私は少しよろめく。神威はそんな私を肩にそっと抱く。
ドキッとするけどやっぱり...。
あぁ、落ち着く。
「大丈夫でござるか?」
「少し良くなったよ。ありがと、神威」
「この程度で収まるならいつでもやるでござるよ」
「いつもはちょっと...恥ずかしいかな」
私は恥ずかしさ混じりに答えた。
神威のお陰で震えは止まった。
世界の妹...?
兄様は世界のタロットカードの所持者!?
いや、考えるのは眼の前の二人を倒してからだ。
そして、何も喋らなかった男が不機嫌そうに喋りだす。
「ねぇ、俺の前でいちゃつくのやめろ、ホント。虫酸が走る。俺はさぁ、こんな美意識、異性の理想すべてが終わってるこの女とさぁ、恋人とかいうクソみてぇなモン担当してんだよ。その時点で苛ついてるのによぉ...テメェ等マジ死刑な」
男は本当に不機嫌そうだ。
男は薄い茶色のスーツを着こなし金髪のそこそこ顔のいい。渋みと高級感、若さを兼ね揃えていてなんとも”貴族”という言葉が似合いそうな人だ。
「私だってあんたいたいなクソみたいな感性の男なんて嫌ですよぉ。ほんと死んだらどうですぅかぁぁぁぁぁ」
対する女は黒いロリータ服を着ていて、なんというか”メンヘラ”とか”ヤンデレ”とかそんな感じのイメージだ。
「はぁ、君といると本当に疲れる。さっさと捕らえて帰るぞ‹ネクロマンシー›」
するとあちこちから物音がする。
見るとそこには光を宿さない目がこちらを見ていた。
まるで死んでいるようだった。
ネクロマンシーは眠れる死者を呼び起こす禁忌の無属性魔法である。
まさかこんなとこに使い手がいただなんて。
「それは最悪ながら同意‹醜いアヒルの子›」
女は足元に転がる死体に手を置いてそう唱える。
すると死体はモゴモゴと蠢き出し、合わさり巨大な肉の塊へとなる。
それは大きな人型のような形であった。
「いやぁ、美しいねぇ。感覚、全てで感じる。」
女はトロけたような顔で肉の塊に頬ずりする。
「本当に悪趣味な女だ」
男は言葉を吐き捨てる。
「あんたには言われたくないよ死体愛好家が」
「うっせ、魔物愛好家」
感性は二人共終わっていた。どちらも変態である。
私と神威はただ吐き気を抑え、この人たちはここで殺ると心に誓った。