- 閲覧前にご確認ください -

多少過激な表現があるかもしれません。
作者の趣味です。

文字サイズ変更

アリスと魔法の国

#38

22話 アリスと新たな旅の日

 ー会議室内ー
 ここも襲撃によって半壊しており今にも崩れ落ちそうだった。
 そこに座る天使の契約者達、そして、旅人二人。
「ではまず、この法皇の後任者を誰にするかだ」
 アロンガントさんが口を開く。
 彼はステラに何かあった時、この国を仕切る事となっている。
「私はフラマがいいと思うのだよ。神への忠誠心、自国愛。全てに至って彼女は完璧なのだよ」
 エクセルキトゥスさんは自慢げに言う。自分のことでもないのに...よほどフラマさんを信用し愛しているのだろう。
「待ってください。それなら、アロンガントさんのほうがいいではないですか。アロガントさんに比べたら...私なんて...」
 フラマさんは自分よりもアロガントさんのほうがいいと言う。
 その口ぶりは悔しそうにけれども、それが正しいという彼女の正義の元、発せられた言葉。
「それは無理だ。俺は堕天したからこの国には居れない。それに、もっとこの力について知りたい。だから、魔界へ行く」
 私達は一斉に驚き、彼を見た。
「何も今生の別れではない、生きていたらまた、会える」
 それでも...この国を彼が猿だなんて...それに、魔界はこの世界の裏、何があるかもわからない。
「だから、この国を任せられるのはお前なんだ」
 アロガントはしみじみと言う。
「それは...」
 フラマは言葉に詰まり下を向くが、少し経つと決心したかのように顔を上げ、
「フラマ・エルド、その命を受けます」
 フラマは立ち上がり
「私はフラマ・エルド この国の法皇である」
 彼女はこの日、法皇となった。

「あの、私からも一つよろしいでしょうか?」
 イグニスであった。
「私はこの国を出て神威やアリスと共に冒険へと出たいと考えておりますがよろしいでしょうか?」
 フラマさんはため息を付き口を開ける。
「あなたはこの国への愛がものすごく大きいからウロボロス教団を壊したいって考えているのでしょう?」
 フラマさんの読みは当たっている。
「それもありますが、同年代の良き友とともに世界を見て回りたいと思っています」
 イグニスは旅自体も楽しもうとしている。
「私達もイグニスがいてくれると心強いし、更に楽しい旅になると思うんです」
 イグニスと話したのは少しだけだったが彼は、紳士で正義を重んじ共に笑い合える優しい青年である。
「えぇ、分かりました。いいでしょう。そもそも、反対されるとでも思いました?我が子の夢の背中を押してあげない親なんていませんよ」
 彼が優しい人間なのはきっと親の彼女が優しいからであろう。
「さみしくなるのだよ」
「いつでも帰ってきてくれていいですからね」
 エクセルキトゥスさんとサナティオさんも寂しそうにしていたが彼の旅立ちを止めはせず見届けようとした。
「他になにかありますか?ないのならば終了します」
 こうしてこの国の未来についての会議は終わりを告げた。


ーアロガントの旅立ちの日
 私達は中心の教会の庭へと集まった。
「では、行ってくる」
 アロンガントが魔界へのゲートを開き向かおうとしたその時、
「待ってください。俺はこの数日間考えました。俺もともに行きます。あなたの補佐をするのが聖騎士特別小隊副団長モアールの使命でありますしね。地獄の果だろうとついていきますよ。」
 そう言うとモアールは苦しみながら堕天した。 
「そうか、ならばともに行くか」
「えぇ」
 二人はゲートの向こうへと消えていった。


 そしてとうとう私達の旅立ちの日もやってきた。
 私達は東の関所へと行く。
「無事で帰ってきなさい」
「えぇ、母様。行ってまいります」
 当分会えなくなるであろう二人は最後の挨拶をした。
「英雄たちよ。君たちの良い旅を祈るだよ」
 私達は手を振りながら関所を通った。

作者メッセージ

今後の予定・間話・設定集・3章

2024/12/11 22:37

The jester ID:≫ip9LpYJarv/ME
続きを執筆
小説を編集

小説削除依頼フォーム

お名前 ※必須
Mailアドレス
(任意)

※入力した場合は確認メールが自動返信されます
削除の理由 ※必須

パスワードを紛失しましたか?

ご自分で投稿した小説ですか? ※必須

この小説は、あなたが投稿した小説で間違いありませんか?

削除後に復旧はできません※必須

削除したあとに復旧はできません。クレームも受け付けません。

備考欄
※伝言などありましたらこちらへ記入
メールフォーム規約」に同意して送信しますか?※必須
小説のタイトル
小説のURL
/ 38

コメント
[6]

小説通報フォーム

お名前
(任意)
Mailアドレス
(任意)

※入力した場合は確認メールが自動返信されます
違反の種類 ※必須 ※ご自分の小説の削除依頼はできません。
違反内容、削除を依頼したい理由など※必須

盗作されたと思われる作品のタイトル

※できるだけ具体的に記入してください。
特に盗作投稿については、どういった部分が元作品と類似しているかを具体的にお伝え下さい。

《記入例》
・3ページ目の『~~』という箇所に、禁止されているグロ描写が含まれていました
・「〇〇」という作品の盗作と思われます。登場人物の名前を変えているだけで●●というストーリーや××という設定が同じ
…等

備考欄
※伝言などありましたらこちらへ記入
メールフォーム規約」に同意して送信しますか?※必須
小説のタイトル
小説のURL