アリスと魔法の国
ー会議室内ー
ここも襲撃によって半壊しており今にも崩れ落ちそうだった。
そこに座る天使の契約者達、そして、旅人二人。
「ではまず、この法皇の後任者を誰にするかだ」
アロンガントさんが口を開く。
彼はステラに何かあった時、この国を仕切る事となっている。
「私はフラマがいいと思うのだよ。神への忠誠心、自国愛。全てに至って彼女は完璧なのだよ」
エクセルキトゥスさんは自慢げに言う。自分のことでもないのに...よほどフラマさんを信用し愛しているのだろう。
「待ってください。それなら、アロンガントさんのほうがいいではないですか。アロガントさんに比べたら...私なんて...」
フラマさんは自分よりもアロガントさんのほうがいいと言う。
その口ぶりは悔しそうにけれども、それが正しいという彼女の正義の元、発せられた言葉。
「それは無理だ。俺は堕天したからこの国には居れない。それに、もっとこの力について知りたい。だから、魔界へ行く」
私達は一斉に驚き、彼を見た。
「何も今生の別れではない、生きていたらまた、会える」
それでも...この国を彼が猿だなんて...それに、魔界はこの世界の裏、何があるかもわからない。
「だから、この国を任せられるのはお前なんだ」
アロガントはしみじみと言う。
「それは...」
フラマは言葉に詰まり下を向くが、少し経つと決心したかのように顔を上げ、
「フラマ・エルド、その命を受けます」
フラマは立ち上がり
「私はフラマ・エルド この国の法皇である」
彼女はこの日、法皇となった。
「あの、私からも一つよろしいでしょうか?」
イグニスであった。
「私はこの国を出て神威やアリスと共に冒険へと出たいと考えておりますがよろしいでしょうか?」
フラマさんはため息を付き口を開ける。
「あなたはこの国への愛がものすごく大きいからウロボロス教団を壊したいって考えているのでしょう?」
フラマさんの読みは当たっている。
「それもありますが、同年代の良き友とともに世界を見て回りたいと思っています」
イグニスは旅自体も楽しもうとしている。
「私達もイグニスがいてくれると心強いし、更に楽しい旅になると思うんです」
イグニスと話したのは少しだけだったが彼は、紳士で正義を重んじ共に笑い合える優しい青年である。
「えぇ、分かりました。いいでしょう。そもそも、反対されるとでも思いました?我が子の夢の背中を押してあげない親なんていませんよ」
彼が優しい人間なのはきっと親の彼女が優しいからであろう。
「さみしくなるのだよ」
「いつでも帰ってきてくれていいですからね」
エクセルキトゥスさんとサナティオさんも寂しそうにしていたが彼の旅立ちを止めはせず見届けようとした。
「他になにかありますか?ないのならば終了します」
こうしてこの国の未来についての会議は終わりを告げた。
ーアロガントの旅立ちの日
私達は中心の教会の庭へと集まった。
「では、行ってくる」
アロンガントが魔界へのゲートを開き向かおうとしたその時、
「待ってください。俺はこの数日間考えました。俺もともに行きます。あなたの補佐をするのが聖騎士特別小隊副団長モアールの使命でありますしね。地獄の果だろうとついていきますよ。」
そう言うとモアールは苦しみながら堕天した。
「そうか、ならばともに行くか」
「えぇ」
二人はゲートの向こうへと消えていった。
そしてとうとう私達の旅立ちの日もやってきた。
私達は東の関所へと行く。
「無事で帰ってきなさい」
「えぇ、母様。行ってまいります」
当分会えなくなるであろう二人は最後の挨拶をした。
「英雄たちよ。君たちの良い旅を祈るだよ」
私達は手を振りながら関所を通った。
ここも襲撃によって半壊しており今にも崩れ落ちそうだった。
そこに座る天使の契約者達、そして、旅人二人。
「ではまず、この法皇の後任者を誰にするかだ」
アロンガントさんが口を開く。
彼はステラに何かあった時、この国を仕切る事となっている。
「私はフラマがいいと思うのだよ。神への忠誠心、自国愛。全てに至って彼女は完璧なのだよ」
エクセルキトゥスさんは自慢げに言う。自分のことでもないのに...よほどフラマさんを信用し愛しているのだろう。
「待ってください。それなら、アロンガントさんのほうがいいではないですか。アロガントさんに比べたら...私なんて...」
フラマさんは自分よりもアロガントさんのほうがいいと言う。
その口ぶりは悔しそうにけれども、それが正しいという彼女の正義の元、発せられた言葉。
「それは無理だ。俺は堕天したからこの国には居れない。それに、もっとこの力について知りたい。だから、魔界へ行く」
私達は一斉に驚き、彼を見た。
「何も今生の別れではない、生きていたらまた、会える」
それでも...この国を彼が猿だなんて...それに、魔界はこの世界の裏、何があるかもわからない。
「だから、この国を任せられるのはお前なんだ」
アロガントはしみじみと言う。
「それは...」
フラマは言葉に詰まり下を向くが、少し経つと決心したかのように顔を上げ、
「フラマ・エルド、その命を受けます」
フラマは立ち上がり
「私はフラマ・エルド この国の法皇である」
彼女はこの日、法皇となった。
「あの、私からも一つよろしいでしょうか?」
イグニスであった。
「私はこの国を出て神威やアリスと共に冒険へと出たいと考えておりますがよろしいでしょうか?」
フラマさんはため息を付き口を開ける。
「あなたはこの国への愛がものすごく大きいからウロボロス教団を壊したいって考えているのでしょう?」
フラマさんの読みは当たっている。
「それもありますが、同年代の良き友とともに世界を見て回りたいと思っています」
イグニスは旅自体も楽しもうとしている。
「私達もイグニスがいてくれると心強いし、更に楽しい旅になると思うんです」
イグニスと話したのは少しだけだったが彼は、紳士で正義を重んじ共に笑い合える優しい青年である。
「えぇ、分かりました。いいでしょう。そもそも、反対されるとでも思いました?我が子の夢の背中を押してあげない親なんていませんよ」
彼が優しい人間なのはきっと親の彼女が優しいからであろう。
「さみしくなるのだよ」
「いつでも帰ってきてくれていいですからね」
エクセルキトゥスさんとサナティオさんも寂しそうにしていたが彼の旅立ちを止めはせず見届けようとした。
「他になにかありますか?ないのならば終了します」
こうしてこの国の未来についての会議は終わりを告げた。
ーアロガントの旅立ちの日
私達は中心の教会の庭へと集まった。
「では、行ってくる」
アロンガントが魔界へのゲートを開き向かおうとしたその時、
「待ってください。俺はこの数日間考えました。俺もともに行きます。あなたの補佐をするのが聖騎士特別小隊副団長モアールの使命でありますしね。地獄の果だろうとついていきますよ。」
そう言うとモアールは苦しみながら堕天した。
「そうか、ならばともに行くか」
「えぇ」
二人はゲートの向こうへと消えていった。
そしてとうとう私達の旅立ちの日もやってきた。
私達は東の関所へと行く。
「無事で帰ってきなさい」
「えぇ、母様。行ってまいります」
当分会えなくなるであろう二人は最後の挨拶をした。
「英雄たちよ。君たちの良い旅を祈るだよ」
私達は手を振りながら関所を通った。