今、そのことばっか考えても意味がない。
　神威は大丈夫なのだろうか?
｢あのぉ、神威って今どんな感じですか?｣
｢彼なら今、サナティオの治癒魔法を受けて傷は完治したようだ。明日には起きるだろうと｣
　神威は見つかった時、太陽の刻印の中心にいたそうだ。でも、神威はその時、危険な状態であったらしい。
｢そうですか。良かったです｣
　私は安堵した。
｢サナティオさんに礼を言いたいのですが...｣
　私の問にアロガントは首を振り言った。
｢彼女は今日、ずっと治癒魔法を使ってたから疲れて寝ている。｣
　確かに私も結構疲れている。師匠に鍛えられたから活動できているけど、そろそろやばいかな。
｢皆疲れているでしょうから今日は休みましょう。今後のことは明日にでも話しましょうか｣
　フラマは無表情のまま言う。
｢フ〜ラマ、かったいのだよ。もっと気楽にするのだよ。でも、休むのには賛成なのだよ。私も結構疲れたから早く眠りたいのだよ。ふぁ～ぁあ｣
　エクセルキトゥスはあくびしながら賛成した。
｢そうだな、明日にするか。アリス、神威の様子を見に行きたければ106号室に行くと良い｣
　神威の寝ているところだろうか。
｢ありがとうございます。では、行かせていただきます。｣
｢あぁ｣
　私はそのまま部屋を出た。
　えっと、106号室はっと、あったここだ。
｢失礼します｣
　私は扉を開ける。そこにいるのは神威一人。戦いに大きく貢献したからだろうか一人部屋である。
　私は進むと神威の寝ているベットの隣の椅子へと腰を掛けた。
｢神威...｣
　私は神威の頭をそっと撫でる。起きる気配はない。
｢はぁ、大変だった〜｣
　私はこの空間に二人だけだと思うと緊張感が抜けた。
｢あれ、視界が...｣
　

　なにかに頭を撫でられている気がする。
　私はゆっくり頭を上げた。
｢お、おきたでごだ、ござるか｣
　神威だ。少し焦ってるのが愛らしくて私は微笑む。
｢ごほん、アリスも疲れていたのでござろうな｣
　すぐに平常心を保つと神威は私を心配してくれた。
｢そういう神威はどうなの?｣
　私は首を傾げる。
｢大丈夫でござるよ。まぁ、右胸に太陽の刻印が刻まれたでござるが｣
　太陽の刻印が刻まれた!?どういうこと?
｢敵にヤられたの?｣
｢いや、きっと拙者が無意識に使ったであろう妖術にござろうな｣
　神威の無属性魔法の覚醒の前触れだろうか...?
｢拙者たちだけではあのような者共に挑むのは力不足でござる。どこかで新しい仲間を入れるべきでござろうな。そして、拙者らも、もっと強くならねばならぬ｣
　神威も色々考えていたのだろう。
｢えぇ、私達には回復役とタンクがいないけどあんな強いのと戦うならタンク無しでアタッカーを入れるのもいいかもね｣
｢そうでござるな、奴らの攻撃を防げるタンクなどそうそう以内であろうからな｣
　私達はもう少し話したあと、サナティオさんに礼を言いに行った。