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アリスと魔法の国

#31

15話 フラマ&エクセルキトゥスとジェスター

 フラマは重力の魔法により地にひれ伏す。
 フラマはこの重力を破るすべがないが、この状態でもジェスターには攻撃ができる。
「‹神の裁き・神雷›」
 フラマの魔法陣がジェスターの上へと展開される。
「これはまた...なんというか、壮大な魔法ですね」
 ジェスターの上の魔法陣は4重、5重と何層にも重なっている。巨大魔法の発動を意味する。
「神よ私の名において彼に裁きを!彼に報いを!彼に神の炎を!」
 この魔法こそが彼女が神の炎と呼ばれる所以の一つである。
 この魔法は神の炎(雷)である。その炎(雷)はすべてを破壊する。
「‹愚者のカード›」
 ジェスターは慌ててサイコロを振るが、発動しない。まだ、使える条件が揃ってないのだろう。
 ジェスターはすぐさま自分のかかる重力を壁の方向へと向けた。
 フラマへとかかる重力は解除された。
「その重力の魔法は同時にしか使えないようだね」
 フラマは確信へと至る。
「そのためだけに発動したのか?」
 ジェスターの問にフラマは「えぇ」とだけ短く返す。
「ヒャハハハ、賭けに出たか。やはり賭けはいい」
 ジェスターは狂ったように笑う。
「俺もかけをしよう‹愚者のカード›」
 フラマはしまったと言いたげな顔をした。
 出た目は五。
「あぁ、サイコォォォ。あぁ、この感覚。」
 ジェスターの魔力、傷すべてが回復していく。
「は?」
 フラマも状況を飲み込めない。
「んじゃ、行くは」
 ジェスターはフラマへと飛び込む。
「‹エンチャント・爆風›」
 フラマ腹を殴られ後ろへと飛んでいく。
 この殴りはジェスター自身も強化されていた。力だけではなく、速さや硬さまでもが強化されていた。
「さぁ、まだまだ行っくよぉ」
 フラマは殴られる前に雷をジェスターへと撃つが、すぐさま再生していく。
 異変はそれだけでなく、魔力が最大から減っていないのである。
 ジェスターがフラマにエンチャントのされた瓦礫を投げた。
 その時、壁が壊れた。
「助けに来たのだよ。フラマ」
 エクセルキトゥスであった。
「‹召喚・天使兵団›」
 眼の前には十を超える天使の兵が現れる。
「立てるかい?」
 エクセルキトゥスはフラマに手を差し出す。
「天使兵団に命ずるのだよ。彼を殺せ」
 エクセルキトゥスがそう命ずると一斉に天使兵たちがジェスターへと攻める。
「あぁあ、効果も切れたしもっかい行くか‹愚者のカード›」
 サイコロの目が4,5,6,しかない。 
 出た目は五。さっきと同じだ。
「おぉ、ラッキー」
 ジェスターは天使兵へと突っ込む。
 天使兵はジェスターの腕を斬るも壊され、ジェスターの腕は再生する。
「彼は何者なのだよ」
 エクセルキトゥスは問う。
「さぁ?分かってるのは彼がエンチャント、収納、愚者のカードこの3つと属性魔法は炎、風を使ってたと思うわ」
 フラマは続ける。
「そして多分、3の目はハズレ、4の目は重力の魔法、でも重力は一つのものにしかかけられないと思うの。そして、この5の目、多分これは魔力と傷の自動回復、自強化といったところだろう。1,2,6は分からなかったわ」
 フラマが言い終わる頃にはもう天使兵は最後の一体だった。
「あれだけの量をあんだけの時間で壊したのか」
 エクセルキトゥスは驚いた。そんな者、そうそういない。
「ちぇ、お前らの所に行く前に効果切れちまった」
 ジェスターは舌打ちをする。
 ジェスターはだいたい毎回、2分程度でサイコロを回している。
「そうか、そういうことか。ジェスター、君のサイコロの効果は2分できれる。その後また、賭けをする。そうでしょ?」
 フラマは問う。
「ヒャハハハ、分かってしまいましたか」
 ジェスターは愉快そうに笑う。
「なら今が狙い目なのだよ。私の本気見せてあげるのだよ。‹天使軍団長・ミカエル・憑依›」
 エクセルキトゥスは自分の武器を媒介にミカエルを剣に憑依させた。
「では私も‹神の炎・炎鎧›‹神の炎・炎剣›」
 フラマを覆う鎧と剣は炎(雷)の如し輝きを持っている。
 二人とも天使の力が宿っている。
「流石に分が悪い」
 ジェスターはバツの悪そうな顔をした。
「逃げるが勝ち‹エンチャント・[漢字]風脚[/漢字][ふりがな]かぜあし[/ふりがな]›」
 ジェスターは煙玉を投げるとその名の通り、ジェスターは風のように走って逃げた。上の階へと。

作者メッセージ

長くなりました。

2024/12/09 22:56

The jester ID:≫ip9LpYJarv/ME
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