私は｢一番最初に受けいる良い依頼ないかなぁ｣などと思いながらクエスト掲示板とにらめっこした結果、ゴブリン退治の依頼を見つけた。ここからそこまで遠くないし、ゴブリン20体で報酬は、銀貨10枚。10枚もあれば2日は何もしなくてもいい。
　これにしようと手を伸ばすと誰かの手とあたった。
　びっくりしてその手の主を見ると、紅色のような黒色のような髪で、紅色の桜が舞う和服を着た青年だった。
｢君もこれ受けようとしたでござるか?｣
　青年は聞いてきた。
｢あぁ...はい｣
　私の陰キャっぷりがここで少し発揮した返事だった。相手がイケメンだったからとかそういうのではないからね。ただ少しドキッとしただけだからね。
｢もしよかったら一緒に受けてもらいませぬか?拙者...来たばかりで少し不安なのでござるよ｣
　青年は提案してきた。たしかに、私も初めての依頼を一人では少し不安だ。
｢はい。よろしくお願いします。私も初めての依頼で少し不安なので...助かります｣
｢こちらからもよろしく頼むでござる。拙者は、紅桜 神威。使える妖術は炎 風でござる。ランクはブロンズでござる。｣
　神威さんはそう言うと手を出してきた。私はその手を取り、
｢私の名前はアリスといいます。使える魔法は風と雷と光と無属性魔法で、ランクはシルバーです。よろしくお願いしますね。神威さん。｣
｢えぇ、アリス殿。行くでござるか。｣
｢はい｣
　私は元気よく返事をし、神威さんとともに受付に行った。今日は、クレアナはいなさそうだったので他の人の列に並んだ。

　行く場所は、ここから10km離れた街はずれの洞窟だ。そこまでの移動はギルドが馬車を出してくれた。
　移動途中、神威さんと色々話した。神威さんは和国の[漢字]桜華街[/漢字][ふりがな]さくらかがい[/ふりがな]という街から先週来たらしい。なぜそんな遠いとこからわざわざここまで来たのか?と思ったが人には触れてほしくないこともあるのだし、私は深く聞かなかった。
｢そろそろつくでござるな｣
｢準備しましょうか｣
　私達は降りる準備をした。見えてきた洞窟の広さはそこそこだった。わたしたちは降りて洞窟へと入っていった。