｢それでは作戦をたてよう。まず、先の放送は皆聞いていたであろう。彼らの要求するものはどれも答えることのできないものだ。そして、私の予言によるとジェスターとやらはここに攻めてくる。そして部下四人がそれぞれ時計塔、噴水あと、十字架、劇場に出るとわかっている｣
　細かく正確な予言ができる。それがガブリエルの強みである。
｢魔法はわからないのですか?｣
　フラマさんが聞いた。
｢それが今回はわからない。何かの妨害をやっているのであろうな｣
　妨害をされてもその細かさはすごいと恐怖した。敵側でなくてよかったと思えるほどに。
｢続けるぞ、だからここの警備はフラマと聖騎士特別小隊に任せる。サナティオもここで負傷者の治療｣
｢｢｢｢御意｣｣｣｣
　フラマとアロガント、モアーズ、サナティオが返事をする。
｢そして時計塔にミカエル、噴水あとにイグニスを向かわせる｣
｢待ってください｣
　フラマは声を張り上げる
｢あのこはまだ一四ですよ。それなのに戦わさせるおつもりで⁉️｣
｢私の考えでは彼が適任だったまでだ｣
｢あなたが言うなら正しいのでしょう。それでも...｣
　フラマは言葉に詰まる。
｢大丈夫だ。あいつはメタトロンの契約者だ。きっと勝てる｣
｢わかりました。転送用魔法石は渡しといてもいいですよね｣
｢あぁ、あいつに死なれるのは嫌であるからな｣
　話は落ち着いたようだ。ステラは話を続ける。
｢十字架に神威君、劇場にアリス君、頼めるか?｣
｢はい｣
｢承知申した｣
　私達は即座に返事をした。
　きっと彼らは何か兄様につながる。私の戦う理由は十分だ。
｢ステラ様一つよろしいですか?｣
　言葉を発したのはサナティオだった。
｢ああ。言うがいい｣
｢彼女らにはあれに対抗できる力があるのですか?｣
｢あぁ、あるとも。未だ未完成ではあるが｣
｢そうですか｣
　サナティオは納得した。
　みんなが納得する何かガブリエル以外のものがステラさんにはあるのだろう。
　キィィとドアが開く音がした。そちらを見ると
｢すいません。遅れました。イグニスただいままいりました｣
　現れたのはメタトロンの契約者イグニスであった。