アリスと魔法の国(毎週木曜日更新!!)
会議は続く。
「照陽家についてくる兵と将の数は?」
雷轟が荒々しく言い放つ。
「それは私が」
そう言って手を上げたのは秀彦。
「私の組のモンは犬、猿、雉など動物が多く動物たちが聞いた城内の情報によりますと将は約10名、兵は約二千とのことです」
帝の動きによってこの戦は変わるということか...。
「そして、聞いておいてほしい情報なのですが、異国の者、其の者達が国内で何やら怪しげなウロボロス教という宗教を広めておりまして...このままでは国内にその信者が増え続けます。仏教徒との交戦もありえましょう。そして、その異国の者共はこの国を支配しようとする動きもあります」
ウロボロス教団...本当にいるんだね。
「その教団は拙者らも各国で戦ってきたでござる」
神威の言葉に皆、神威を向く。
「奴らは有害か?」
「有害だと思うでござる。奴らは多くの街を壊し、多くの人を殺したでござる」
あぁ、そうだった。奴らは悪だ。
本当の目的は世界平和とか言いつつ平和を乱している。
だから、奴らは悪だ。
「彼らについては拙者よりもアリスのほうが詳しいでござるゆえ」
神威は私の方へと手で案内する。それと同時に視線は私に集まる。
あぁ、これ私が言わなきゃいけないやつか...。
「私が戦ったウロボロス教団の幹部は愚者、恋人の二名です。この二名とも多分タロットカードが魔法、妖術の元です」
「タロットカードとはなんだ?」
雷轟はこちらを鋭く見ながら聞いてくる。
「タロットカードは占いなどに使われるカードのことです。0から21の22種類あります」
「それで、嬢ちゃんが戦ったヤツの能力は?」
「愚者は...」
私は愚者との戦いを思い返す。
思い返す能力、爆破、その前にエンチャントと言っていた。多分、あれは付与魔法の類だと思う。
次になにもないところから物を取り出す能力。これも多分収納魔法とかそんな感じのものだろう。
最後にサイコロ。これは発動時、愚者のカードと言っていたことからこれが愚者の能力。
「愚者の能力は賭けだと思います。彼はサイコロのでためによって能力が変わる魔法、妖術であると思います」
こっちでは魔法は妖術って言うけど魔法って言ってしまうなぁ。
そして、恋人。あれは二人で1つのカードなのだろう。
あの二人共、能力は違った。だから愚者のように唱える能力ではないのだろう。
彼らの不思議な点は唯一つ。不死。あれは二人同時に殺さなければ死ななかった。まぁその後、男は自分に魔法を掛けて生きていたけど...。
「神威、恋人は同時に殺さねば死なない不死。それが能力だと思うけど...どうかな?」
一応、神威の意見も聞いとこう。私の主観しか入ってなかったし...。
「多分そうでござろう。まぁ他にも能力はあるかもしれぬでござるが、それが主な能力でござろう」
神威もだいたい同じ意見か。
「分からねぇ、それはいわば妖具だろ?何故、それほどの力がある」
「それは分からない。でもこれを作ったのは二人の人間」
兄様とインテッレクトゥス・インデックスという男。
「へぇ、まるで知ってるみたいな言い方だねぇ」
サングラス越しに見える目はまるでこちらを見透かしているような、それでいて見極めるような冷たい瞳。
雷轟は机に肘を置きこちらを覗き込む。
「えぇ、あれを作ったのは二人の人間で、その一人が私の兄らしいですから」
これは神威にも言っていない情報。
「アリス、どういうことでござる!?」
神威は机をたたきこちらを見つめる。
「あはは、えっとね...父様からの手紙に書いてあって...それが兄様が変わったきっかけだとか」
私は曖昧なことしか言えない。
神威は拳を強く握る。手からは少量の血が滴る。
「だから、私は兄様を探してる。兄様を止めるために」
「で、此処にそれが攻めに来てると?」
「えぇ、まぁ本当かは分からない情報ですが...隠者と吊られた男が来るそうです。隠者は精神魔法と透明の2つの妖術が使えるらしいです」
いつしか団子屋で愚者に言われたことだ。
「それはまぁめんどいな。俺の嫌いなタイプだ」
この人って多分正面からの殴り合いが好きなバトルジャンキーだよなぁ。
「そうでありんしょうなぁ」
妖美がクスクスと笑いながらいう。
「会議は此処までにするでありんすか。とりあえず、此処数日は仲間を増やすでありんす。次は一週間後に」
今から一週間後って愚者との約束の前日か...。
「さぁさぁさぁ。飯だ!!酒だぁ!!」
そう叫んだのは鬼の酒仙丸であった。
「テメェはホント脳内が飯と酒だな」
雷轟は呆れたように呟く。
「ヒクッ、そんなこたぁねぇですぜ。俺ぁ戦いも好きでさぁ。ヒック」
何とも言えない。
場の皆がジト目で彼を見る。
「まぁ、まぁ、まぁ。早く食べましょうよ」
そう言って場の空気を変えたのは紅葉であった。
「そうでありんすね」
「えぇ」
「うん」
「あぁ」
皆、次々に返事をする。
こうしてわたしたちは宴会場へと向かった。
「照陽家についてくる兵と将の数は?」
雷轟が荒々しく言い放つ。
「それは私が」
そう言って手を上げたのは秀彦。
「私の組のモンは犬、猿、雉など動物が多く動物たちが聞いた城内の情報によりますと将は約10名、兵は約二千とのことです」
帝の動きによってこの戦は変わるということか...。
「そして、聞いておいてほしい情報なのですが、異国の者、其の者達が国内で何やら怪しげなウロボロス教という宗教を広めておりまして...このままでは国内にその信者が増え続けます。仏教徒との交戦もありえましょう。そして、その異国の者共はこの国を支配しようとする動きもあります」
ウロボロス教団...本当にいるんだね。
「その教団は拙者らも各国で戦ってきたでござる」
神威の言葉に皆、神威を向く。
「奴らは有害か?」
「有害だと思うでござる。奴らは多くの街を壊し、多くの人を殺したでござる」
あぁ、そうだった。奴らは悪だ。
本当の目的は世界平和とか言いつつ平和を乱している。
だから、奴らは悪だ。
「彼らについては拙者よりもアリスのほうが詳しいでござるゆえ」
神威は私の方へと手で案内する。それと同時に視線は私に集まる。
あぁ、これ私が言わなきゃいけないやつか...。
「私が戦ったウロボロス教団の幹部は愚者、恋人の二名です。この二名とも多分タロットカードが魔法、妖術の元です」
「タロットカードとはなんだ?」
雷轟はこちらを鋭く見ながら聞いてくる。
「タロットカードは占いなどに使われるカードのことです。0から21の22種類あります」
「それで、嬢ちゃんが戦ったヤツの能力は?」
「愚者は...」
私は愚者との戦いを思い返す。
思い返す能力、爆破、その前にエンチャントと言っていた。多分、あれは付与魔法の類だと思う。
次になにもないところから物を取り出す能力。これも多分収納魔法とかそんな感じのものだろう。
最後にサイコロ。これは発動時、愚者のカードと言っていたことからこれが愚者の能力。
「愚者の能力は賭けだと思います。彼はサイコロのでためによって能力が変わる魔法、妖術であると思います」
こっちでは魔法は妖術って言うけど魔法って言ってしまうなぁ。
そして、恋人。あれは二人で1つのカードなのだろう。
あの二人共、能力は違った。だから愚者のように唱える能力ではないのだろう。
彼らの不思議な点は唯一つ。不死。あれは二人同時に殺さなければ死ななかった。まぁその後、男は自分に魔法を掛けて生きていたけど...。
「神威、恋人は同時に殺さねば死なない不死。それが能力だと思うけど...どうかな?」
一応、神威の意見も聞いとこう。私の主観しか入ってなかったし...。
「多分そうでござろう。まぁ他にも能力はあるかもしれぬでござるが、それが主な能力でござろう」
神威もだいたい同じ意見か。
「分からねぇ、それはいわば妖具だろ?何故、それほどの力がある」
「それは分からない。でもこれを作ったのは二人の人間」
兄様とインテッレクトゥス・インデックスという男。
「へぇ、まるで知ってるみたいな言い方だねぇ」
サングラス越しに見える目はまるでこちらを見透かしているような、それでいて見極めるような冷たい瞳。
雷轟は机に肘を置きこちらを覗き込む。
「えぇ、あれを作ったのは二人の人間で、その一人が私の兄らしいですから」
これは神威にも言っていない情報。
「アリス、どういうことでござる!?」
神威は机をたたきこちらを見つめる。
「あはは、えっとね...父様からの手紙に書いてあって...それが兄様が変わったきっかけだとか」
私は曖昧なことしか言えない。
神威は拳を強く握る。手からは少量の血が滴る。
「だから、私は兄様を探してる。兄様を止めるために」
「で、此処にそれが攻めに来てると?」
「えぇ、まぁ本当かは分からない情報ですが...隠者と吊られた男が来るそうです。隠者は精神魔法と透明の2つの妖術が使えるらしいです」
いつしか団子屋で愚者に言われたことだ。
「それはまぁめんどいな。俺の嫌いなタイプだ」
この人って多分正面からの殴り合いが好きなバトルジャンキーだよなぁ。
「そうでありんしょうなぁ」
妖美がクスクスと笑いながらいう。
「会議は此処までにするでありんすか。とりあえず、此処数日は仲間を増やすでありんす。次は一週間後に」
今から一週間後って愚者との約束の前日か...。
「さぁさぁさぁ。飯だ!!酒だぁ!!」
そう叫んだのは鬼の酒仙丸であった。
「テメェはホント脳内が飯と酒だな」
雷轟は呆れたように呟く。
「ヒクッ、そんなこたぁねぇですぜ。俺ぁ戦いも好きでさぁ。ヒック」
何とも言えない。
場の皆がジト目で彼を見る。
「まぁ、まぁ、まぁ。早く食べましょうよ」
そう言って場の空気を変えたのは紅葉であった。
「そうでありんすね」
「えぇ」
「うん」
「あぁ」
皆、次々に返事をする。
こうしてわたしたちは宴会場へと向かった。