アリスと魔法の国
私の魔法‹不思議の国のアリス›は攻撃向けの魔法ではない。
そして、‹白雪姫›も。
私の極大魔法は何だったのかって?
あれは世界の法則もを変える魔法。
多分あれは神もを滅ぼせる。
多分私の神の魔法は世界に干渉するといったようなものだろう。
‹不思議の国のアリス›は俗に物語魔法と言われるものだ。その理由は、物語を元とした魔法であるから。
でも、普通の物語魔法は世界に干渉するほどの力はない。
この魔法は時を止める。
ただ時を止めることしかできない。
それだけで世界に干渉する力がある証明になるかって?
他にもあるんだよ。
私の家、クロノス家。この初代、最初の三人の英雄だった一人は時を操れたと聞く。それは、世界に干渉しているでしょ?
それにクロノスは時の神。その名を次ぐ家なのだからもしかしたら時の神の魔法を受け継いでる家計かもしれない。
そして、あの懐中時計。なぜ、魔道具をわざわざ時計にしているのか?
最後にゴブリンロードと戦った時、時が戻った。あれは、神威曰く、私がやったという。
これだけ見ると私に眠っている魔法は時を操る魔法だろう。
多分、クロノス。
でも、神の魔法の習得には条件があるという。
その条件を達成できなければ...。
神威に追いつける。
師匠に追いつける。
愚者に追いつける。
兄様に追いつける。
神々に追いつける。
この魔法はその条件を満たすか?
否、通過点である。
まぁ、余談は此処までにして、世界を見よう。
極大魔法と極大魔法のぶつかり合い。
その力に耐えられず、壊れかけであった世界は崩壊し、紫月の屋敷の最上階の間へと戻る。
そして、わたしたちの魔法の間に入ってくる人の影1つ。
「お前さん等、やりすぎだ」
その男は極大魔法3つを消し去った。
え!?待って、そんな簡単に...何者!?
「[漢字]某[/漢字][ふりがな]それがし[/ふりがな]がいなかったらどうしておったよ?」
「そ、それはですねぇ」
蓮兎は預けられたネコのように大人しくなった。
眼の前の老人の魔力、覇気、風格、全てが常軌を逸している。
だけどなんだか覚えがある。
どこで...。
「あっ、爺様!!」
老人は私の言葉にギロリとこちらを向く。
「神威と...お前、アリスか!?」
「うん!」
「神の魔法を覚醒させるために旅でもしてるのか?」
爺様はあのことについて知らなのかな?
てか、神の魔法の覚醒?爺様は私の魔法についてなにか知ってるの?
まぁ、質問に答えなければ。
「ううん。兄様を探してるの。その過程で力もつけていってるだけかな」
「なぜ兄を探す?」
「兄様が...家族、使用人を殺し、世界の人々も殺しているかもしれないから...」
その言葉に爺様は驚きを隠せない様子であった。
「じゃあ、今はアリス一人なのか?」
「いいや、神威やルクス、鈴といっしょに旅をしてる。でもその途中、ルクスと鈴がさらわれたからこの屋敷に入ったの」
「さらわれた...?」
爺様はそう言うと迦具夜の方を見る。
「嬢ちゃん、もしかしてさらったか?」
「えっと...えぇ」
威圧に負け、迦具夜は目を逸らし答える。
「そうか。今すぐ開放してやれ」
「分かりました」
そう言うとなんらかの魔法を使い、開放するよう指示を出す。
「いやぁ、嬢ちゃん。某を敵に回したくは無いでしょうに...流石にさっきの戦いはやりすぎでしょう?ただのテストだろ?」
「確かにやりすぎだと思いましたが、兄様を覚醒させるためにやりましたし、その相乗効果で獣也と蓮兎ももう一段階ほど妖術師としての位が上がればなぁと」
一応、そんな理由があったんだ。
皆、殺気バンバン放ってましたけど...。
「はぁ、覚醒する前に潰れてしまってはどうする気で?神威と蓮兎は某の弟子であり、この二人は才能があると思っているのだがなぁ。それに、たまたま某が此処に戻ってこなければこの屋敷は吹っ飛んでおったぞ」
「面目ありません」
迦具夜は素直に謝る。
「まぁわかれば良し。次はないぞ?」
爺様の言葉に迦具夜はコクリと頷き返す。
「爺様。私の魔法について何か知っていますか?」
「某が知っているのはクロノス家の元祖帰りであることぐらいであるな」
「クロノス家の元祖帰り?」
「そうだ。アリスちゃんも知っておるだろ?あの国を作った三人の英雄の話を」
私は頷き返す。
確か最初の英雄の一人が私達の祖先でその人の名はクロック・クロノス。
その人の名を取って、私達はc・クロノスを名乗っている。
でまぁそのクロックの魔法がクロノス。時を操る魔法だと言われている。
「アヤツも元祖帰りである。その元祖は時の神クロノス。某等はクロノスの子孫である。そのため巨大な力が生まれやすくもある」
眼の前にいる人類最強と、ウロボロス教団の世界を担当する主教代理である兄の二人を思い浮かべる。
まぁ確かにそうかも知れない。
「某は当分、此処等にとどまる気でおるし、稽古つけてやるぞ。神威も蓮兎も遠慮せず。そうだ、獣也やアリスの仲間たちも見てやろう」
それって結構すごいことだよね?
(多分)世界最強の男からの指導。
それに私の魔法についてもよく知ってるし。
「ありがと。爺様」
その言葉を聞いた爺様は胸を抑え地に膝をつく。
「大丈夫?」
「大丈夫だ。久しぶりに感動の再開を果たした孫が可愛すぎるだけだ。問題ない」
爺様ってこんな孫バカだったんだ。
そして、修行が始まると聞き顔がみるみる青くなり冷や汗をかいていた青年二人のことをアリスは見ていない。
これからアリスにはどんな修行が待っているのか。
「そう言えば、お兄様は国を決める戦争に参加なさるのですか?」
「それって鎖国派と開国派のでござるか?」
「えぇ」
「まだ決めてないでござる。ヤるべきことがあるため」
もしかしたら参加するかもしれない。
ジェスターの依頼。あれはもしかしたらこの戦争に関わってくる。
その場合、紅桜家や紫月家が相手にならないことを祈ろう。
「そうですか。参加なさるのであれば紫月家はお兄様の付く方につかせていただく所存です」
「そうでござるか」
多分、紅桜家も神威についていくと考えたらこっちには二貴族、バックにつくこととなる。結構いいね。
「「来たよ」」
そこには階段を登ってくるルクスと鈴。
「いやぁ、美味しいご飯いっぱい食べれたよ」
「ハナフダとか言うゲームも楽しかったですね」
まって、なんか満喫してない?
閉じ込められてたんじゃ...?
「地下牢に入れてたのでは?」
「そんな罪のない人を、それも私の遊びで誘拐した人を地下牢にいれるわけ無いでしょ。私の身勝手なのだし最高級のおもてなしをさせてもらったよ」
うーん。私達が助け出そうと必死こいて戦っていた中、あの二人は楽しく満喫してたってこと?なんか釈然としない。
「まぁ今日は帰るでござるよ」
「またね~兄様!」
迦具夜と爺様は手を振って私達を見送った。
蓮兎と獣也は伸びていた。
私達もルクスと鈴に担がれるような形で帰った。
時はもうすでに朝日が見えはしないが、太陽の光が山の端に光って見える。
黄金の光が。
5章完結
そして、‹白雪姫›も。
私の極大魔法は何だったのかって?
あれは世界の法則もを変える魔法。
多分あれは神もを滅ぼせる。
多分私の神の魔法は世界に干渉するといったようなものだろう。
‹不思議の国のアリス›は俗に物語魔法と言われるものだ。その理由は、物語を元とした魔法であるから。
でも、普通の物語魔法は世界に干渉するほどの力はない。
この魔法は時を止める。
ただ時を止めることしかできない。
それだけで世界に干渉する力がある証明になるかって?
他にもあるんだよ。
私の家、クロノス家。この初代、最初の三人の英雄だった一人は時を操れたと聞く。それは、世界に干渉しているでしょ?
それにクロノスは時の神。その名を次ぐ家なのだからもしかしたら時の神の魔法を受け継いでる家計かもしれない。
そして、あの懐中時計。なぜ、魔道具をわざわざ時計にしているのか?
最後にゴブリンロードと戦った時、時が戻った。あれは、神威曰く、私がやったという。
これだけ見ると私に眠っている魔法は時を操る魔法だろう。
多分、クロノス。
でも、神の魔法の習得には条件があるという。
その条件を達成できなければ...。
神威に追いつける。
師匠に追いつける。
愚者に追いつける。
兄様に追いつける。
神々に追いつける。
この魔法はその条件を満たすか?
否、通過点である。
まぁ、余談は此処までにして、世界を見よう。
極大魔法と極大魔法のぶつかり合い。
その力に耐えられず、壊れかけであった世界は崩壊し、紫月の屋敷の最上階の間へと戻る。
そして、わたしたちの魔法の間に入ってくる人の影1つ。
「お前さん等、やりすぎだ」
その男は極大魔法3つを消し去った。
え!?待って、そんな簡単に...何者!?
「[漢字]某[/漢字][ふりがな]それがし[/ふりがな]がいなかったらどうしておったよ?」
「そ、それはですねぇ」
蓮兎は預けられたネコのように大人しくなった。
眼の前の老人の魔力、覇気、風格、全てが常軌を逸している。
だけどなんだか覚えがある。
どこで...。
「あっ、爺様!!」
老人は私の言葉にギロリとこちらを向く。
「神威と...お前、アリスか!?」
「うん!」
「神の魔法を覚醒させるために旅でもしてるのか?」
爺様はあのことについて知らなのかな?
てか、神の魔法の覚醒?爺様は私の魔法についてなにか知ってるの?
まぁ、質問に答えなければ。
「ううん。兄様を探してるの。その過程で力もつけていってるだけかな」
「なぜ兄を探す?」
「兄様が...家族、使用人を殺し、世界の人々も殺しているかもしれないから...」
その言葉に爺様は驚きを隠せない様子であった。
「じゃあ、今はアリス一人なのか?」
「いいや、神威やルクス、鈴といっしょに旅をしてる。でもその途中、ルクスと鈴がさらわれたからこの屋敷に入ったの」
「さらわれた...?」
爺様はそう言うと迦具夜の方を見る。
「嬢ちゃん、もしかしてさらったか?」
「えっと...えぇ」
威圧に負け、迦具夜は目を逸らし答える。
「そうか。今すぐ開放してやれ」
「分かりました」
そう言うとなんらかの魔法を使い、開放するよう指示を出す。
「いやぁ、嬢ちゃん。某を敵に回したくは無いでしょうに...流石にさっきの戦いはやりすぎでしょう?ただのテストだろ?」
「確かにやりすぎだと思いましたが、兄様を覚醒させるためにやりましたし、その相乗効果で獣也と蓮兎ももう一段階ほど妖術師としての位が上がればなぁと」
一応、そんな理由があったんだ。
皆、殺気バンバン放ってましたけど...。
「はぁ、覚醒する前に潰れてしまってはどうする気で?神威と蓮兎は某の弟子であり、この二人は才能があると思っているのだがなぁ。それに、たまたま某が此処に戻ってこなければこの屋敷は吹っ飛んでおったぞ」
「面目ありません」
迦具夜は素直に謝る。
「まぁわかれば良し。次はないぞ?」
爺様の言葉に迦具夜はコクリと頷き返す。
「爺様。私の魔法について何か知っていますか?」
「某が知っているのはクロノス家の元祖帰りであることぐらいであるな」
「クロノス家の元祖帰り?」
「そうだ。アリスちゃんも知っておるだろ?あの国を作った三人の英雄の話を」
私は頷き返す。
確か最初の英雄の一人が私達の祖先でその人の名はクロック・クロノス。
その人の名を取って、私達はc・クロノスを名乗っている。
でまぁそのクロックの魔法がクロノス。時を操る魔法だと言われている。
「アヤツも元祖帰りである。その元祖は時の神クロノス。某等はクロノスの子孫である。そのため巨大な力が生まれやすくもある」
眼の前にいる人類最強と、ウロボロス教団の世界を担当する主教代理である兄の二人を思い浮かべる。
まぁ確かにそうかも知れない。
「某は当分、此処等にとどまる気でおるし、稽古つけてやるぞ。神威も蓮兎も遠慮せず。そうだ、獣也やアリスの仲間たちも見てやろう」
それって結構すごいことだよね?
(多分)世界最強の男からの指導。
それに私の魔法についてもよく知ってるし。
「ありがと。爺様」
その言葉を聞いた爺様は胸を抑え地に膝をつく。
「大丈夫?」
「大丈夫だ。久しぶりに感動の再開を果たした孫が可愛すぎるだけだ。問題ない」
爺様ってこんな孫バカだったんだ。
そして、修行が始まると聞き顔がみるみる青くなり冷や汗をかいていた青年二人のことをアリスは見ていない。
これからアリスにはどんな修行が待っているのか。
「そう言えば、お兄様は国を決める戦争に参加なさるのですか?」
「それって鎖国派と開国派のでござるか?」
「えぇ」
「まだ決めてないでござる。ヤるべきことがあるため」
もしかしたら参加するかもしれない。
ジェスターの依頼。あれはもしかしたらこの戦争に関わってくる。
その場合、紅桜家や紫月家が相手にならないことを祈ろう。
「そうですか。参加なさるのであれば紫月家はお兄様の付く方につかせていただく所存です」
「そうでござるか」
多分、紅桜家も神威についていくと考えたらこっちには二貴族、バックにつくこととなる。結構いいね。
「「来たよ」」
そこには階段を登ってくるルクスと鈴。
「いやぁ、美味しいご飯いっぱい食べれたよ」
「ハナフダとか言うゲームも楽しかったですね」
まって、なんか満喫してない?
閉じ込められてたんじゃ...?
「地下牢に入れてたのでは?」
「そんな罪のない人を、それも私の遊びで誘拐した人を地下牢にいれるわけ無いでしょ。私の身勝手なのだし最高級のおもてなしをさせてもらったよ」
うーん。私達が助け出そうと必死こいて戦っていた中、あの二人は楽しく満喫してたってこと?なんか釈然としない。
「まぁ今日は帰るでござるよ」
「またね~兄様!」
迦具夜と爺様は手を振って私達を見送った。
蓮兎と獣也は伸びていた。
私達もルクスと鈴に担がれるような形で帰った。
時はもうすでに朝日が見えはしないが、太陽の光が山の端に光って見える。
黄金の光が。
5章完結