アリスと魔法の国
ーそして視点はアリスへと戻る
え!?なんで神威がここに...。
「危なかってござるな。アリス」
数段魔術士としての格が上がってる。
多分今の神威は英雄級
私はプラチナ程度だろう。
私は物語に覚醒したけど...神威は神に覚醒した。
これが才能の差。
いままで一緒に高め合っていた神威が自分とは比べ物にならないほどの力を得ている。
なぁんか考えること小さいな。
「‹紅桜流刀術奥義・[漢字]天照龍桜[/漢字][ふりがな]あまてらすりゅうおう[/ふりがな]›」
神威はそのまま蓮兎を攻撃する。
「‹[漢字]浸影[/漢字][ふりがな]しんえん[/ふりがな]›」
だが蓮兎はその炎を影へと飲みこまそうとする。
だが、影は燃える。
「んなこと、ありえんのかよ!?」
蓮兎は眼の前の状況に心底驚く。
だが、驚くだけで目は変わらない。
未だに優位に立っている目だ。
「いいこと教えてやる。俺の妖術は陰だけではない」
影以外にもなにか...属性か?
「あぁ、ちなみに無属性妖術だ。まぁ、闇属性は持ってるがな」
影と闇...裏の象徴のようだ。
「お主からは神格を感じるでござる。いや、アリスからも感じるでござる」
私からも!?
私にも神の魔法が眠っているのだろうか?
いやいや、今考えても意味のないことだ。
「まぁ正解だ・俺の神の妖術は[漢字]闇御津羽神[/漢字][ふりがな]くらみつはのかみ[/ふりがな]」
クラミツハの神?なんかとても闇などのような...。
「闇御津羽神といえば闇とかそんな感じでござるな?」
「合ってる。そしてねぇ、俺の妖術3つと俺の特性を使やぁ俺ぁ影だ」
多分これからの戦いはさっき以上にやばくなるのか!?
「まぁだが俺はこの妖術をいまだに使いこなせてねぇ。死なないでくれよ?」
私はその言葉が嘘ではないとわかる。
だからこそ身構える。
「‹闇御津羽・影沈›」
蓮兎は影へと消える。
気配が追えない。いや、消えた。
私の目でも分からない。
「‹影縛›」
「「うぐっ」」
私と神威は体を影により縛られる。
「‹[漢字]霧影[/漢字][ふりがな]きりかげ[/ふりがな]›」
辺りに影の霧ができる。
その霧は本当の霧のようだが...影である。
「アリス、やばいでござる。これ全て影でござる」
分かってるけど...!?蓮兎は影を移動できるからこの世界の境界の影だけでなく空間も自由に移動できる。
つまり、私達はいつでも狩られれる。
「‹気違いの茶会›」
私は霧に向けて魔法を放つ。
一つ一つは小さいが量が多いため魔力の消費が激しいな。
「‹縮小›」
私と神威を小さくし縛りを抜ける。
「‹巨大化›」
そして元の大きさに戻る。
それと同時に止めていた時が動き出す。
「クソ、世界の崩壊が近いな」
ボソリと呟く蓮兎。そして...。
「‹闇より暗く、影より現る終演よ今ここに示さん。無は闇に、光も闇に、闇はさらなる闇へと誘う雫」
それはすぐに巨大な魔法だと分かった。
どこにいるかもわからない敵を狙うのは不可能。
なら、来た攻撃をうちかえし、その方向へと飛ばせばいい。
「神威」
「承知」
私達はこれでいい。
これだけで伝わる。
「‹不思議・不可思議・摩訶不思議・世界の倫理を超え・世界の中心・自由な世界・此処に現す・今あるは神々が領域・我命ずる・定義・変則・リベルム マジカ›」
私の詠唱の途中、ポケットから懐中時計が出てきて私の顔の辺りをくるくると回った。
「‹天の炎よ・怨の火よ・神々が炎火よ・龍の炎よ・桜の火よ・紅桜が炎火よ・天照大御神を宿す我が命ずる・火之迦具土大神を宿す我が妖刀 暁・全てを我色へ・紅桜流刀技昇華・[漢字]天照紅炎龍桜の暁[/漢字][ふりがな]あまてらすこうえんりゅうおうのあかつき[/ふりがな]›」
神威は体に炎をまとわせ、口から吐く息は火だった。
「我が命ずる・全てを闇へと飲み込め・[漢字]妖影・闇御津羽の雫[/漢字][ふりがな]ようえい・くらみつはのしずく[/ふりがな]›」
蓮兎は影の中にいるからわからないけど...この世界の影が濃くなった気がする。
私達が魔法を放つのはほぼ同時。
そして世界崩壊寸前でもあった。