私はアリス・C・クロノス。
　国を作った始まりの英雄クロノス家の人間だ。始まりの英雄は国を作った後、貴族となった。クロノス家は私の兄で14代目だ。
　私はこの暮らしが好きだ。魔法の練習をしたり、3時にはおやつを食べながら紅茶を飲んだりする。でも私に勉強を教えてくれる先生は少しうるさいけど...この生活を愛していた。
　でも、私の平和はある日、終わりを告げた。知らない人たちが私達の屋敷に入ったかと思うとその人達は、屋敷にいる人に片っ端から魔法を撃ったり、剣で切りつけたりしていった。
　私は怖くなって逃げ出した。でも、それに気がついた男が私に魔法を放つ。そして、男の魔法は私の右目に当たり...私の右目は潰れた。痛かった。本当に痛かった。
　男が私に二度目の攻撃をしてきた。私は怖くなって背を向けた。
　でも、切られた痛みはなかった。恐る恐る男の方を向くと見慣れた後ろ姿が3つあった。父様と母様、そして兄様だった。　　
　みんなが私を守ってくれたのだた嬉しかった。
　でも、その嬉しさもすぐ消えた。父様は、私を襲った男は倒したようだったが左腕がなくなっていた。
　それでも父様は振り返り私の方を向き私を優しく包み込もうとしたが父様のお腹から光の刃が突き出た。父様を刺したのはは、兄様だった。兄様の手には光の刃があった。
　私は理由がわからなかった。急に襲われたことや、兄様が父様を殺したこと。意味がわからない。本当に。
　私が下を向いていると手を捕まれ引っ張られた。母様だった。私は、引っ張られるがままに逃げた。庭の中央まで逃げた。
｢ここまでくれば大丈夫、後はあなたの魔法に任せなさい。絶対逃げ延びて生きてください。あなたはこの世界に必要な存在ですから。愛してます。アリス。｣
　そう言って母様は私の手を離し自分の右目に手を当てた。きれいな光が出たかと思うと母様は自分の右目を出し私の潰れた右目に当ててきた。その瞬間さっき見たきれいな光が出たかと思うと私の右目は開いた。
｢それには、私の魔法‹白雪姫›がかかってます。それが私があなたに挙げれる最後のプレゼントです。どうか生き延びてアリス。｣
　そう言うと私を逃がそうと城から出てきた兄様と戦いに行った。城はあちこちが崩れ落ちていて残ってる部分は、炎に包まれていた。
　私は逃げようと城と反対側を向いた。そしたら、雪のように白いうさぎがいた。うさぎはついてこいと言ってるようだった。私はうさぎについていくことにした。なんとなくそうしたほうがいいと思ったから。
　うさぎを追いかけていった。でもいつの間にかうさぎは煙のようにいなくなった。
　周りを見渡すとそこは屋敷の真ん中だった。でも...屋敷は瓦礫の山となっていた。他にも生き残った人がいないか周りを見回したが他に人はいなかった。
　私は一人になった。