私は今日、蛇田竜也を殺すためにここに来た。
私が住んでいる街の隣にある街。
そこにある山。
蛇田竜也はそこで修行をしていると噂があったがそれは本当だった。
何故彼を殺すのか。
それは誰かからの手紙があったから。
つまり創造主様の指令である。
私は蛇田竜也を殺すために来た。
なのに……。

「竜也くん可愛い…。」

こんな言葉を出してしまった。
私は標的になんてことを言っているんだ！！。
確かに竜也くんみたいなイケメンが！！。
イケメンが間違えて顔を真っ赤にしているとこはいいけど！。
相手は標的。
そう、標的。
そういえば竜也くんってエラバレシモノらしいんだよね。
それにしても1年間でこんなに成長できるなんてすごい…。
殺そうとしてた人たちに仲間だと思えるのも…。

「誰だ！！わしの住処を荒らしたのは！！。」

どこからか知らない声がした。
住処を荒らした…。
あ！そういえばここに来るときに動物の住処らしきところを通った気がする…。
荒らしたつもりはなかったけど、入ってしまったかも…。

「貴様らだなぁ！！。」

声の持ち主は熊のような妖怪だった。
熊妖怪は私を長い爪で攻撃しようとした。
こんな攻撃避けられる。
退治屋の私なら避けられる。

[太字]ガキィィン！！！[/太字]

熊妖怪の爪と剣が交わるような音がした。

「風花！！…さん！大丈夫ですか！。」

私を守ってくれたのは竜也くんだった。
そんなの余計なお世話なのに…。
余計なお世話なのに！！。
そんな竜也くんが過去に出会った誰かと重なった。
私が昔好きだったあの人。
確か名前は…。
？。
私は何を思っているんだ？。
私は昔に好きになった人なんていない。
だけど誰かの事を私は思い出していた。

最近たまに知らない人の事を思い出す。
最近始まったことだ。

まるで消された過去の記憶のような。
そんな事を思い出す。

私は昔その人が好きだった。
そんな記憶がたまにあるが…。
私は今は竜也くんが好きだ。