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蛇と剣士の妖怪退治

#32

奇襲

そんな沈黙の中。
俺は後ろに気配を感じていた。
誰もいない。
なのに殺気のようなものとためらいを感じる。
おそらく俺の知らない退治屋だ。
俺を殺しに来たんだ。

「貴方が俺を殺そうとするなら受けて立ちますよ。」

俺は言った。
これで誰もいなかったら恥ずかしいけど、明らかに誰かいる。
見えない誰か。
俺は今、まあまあの人になら勝てる自信がある。
1年間頑張ったから。
後ろの相手に勝てる気がする。

「よく気づきましたね。竜也さん。」

「もぉ~!!。なんでばれたのぉ〜!!。」

「素人ではないんか〜…。」

俺の後ろには3人の退治屋の姿があった。
マモルさんは気づいていたようで笑っていた。
眼鏡で水色の髪に三つ編みの落ち着いた感じの女性。
クリーム色に青の部分が少しある髪の俺と同い年ぐらいの少女。
赤髪短髪でちょっとだけへんな方言が混じった喋り方をする俺より少し年上そうな少年。
その3人だった。

「お前らに奇襲ははえーよ。」

「だまれ!。俺達は一生懸命やってたんや!。」

「はぁ……。どうします?。鋼次さん。風花さん。」

マモルさんはこの人たちが襲ってくるのを知っていたようで。
そしてこの3人は仲が良いようで。

「とりあえず…。退治屋やし、自己紹介せんとなぁ…。」

「自己紹介?!。はいはい!!私から!。私は[漢字]氷織 風花[/漢字][ふりがな]こおりふうか[/ふりがな]!。雪女だよ!。」

「……。[漢字]岩島 鋼次[/漢字][ふりがな]いわしまこうじ[/ふりがな]。人間や。」

「私は[漢字]霧凪 香奈[/漢字][ふりがな]きりなぎかな[/ふりがな]です。貴方は蛇田竜也くんですよね?。」

「はい。蛇田竜也です。よろしくお願いします。」

「ククッ。お前自分を殺そうとしてた奴らによろしくって!!。」

「鋼次さん。ほどほどにしておきなさい。」

「アハハハハハ!!。」

……。
確かによろしくはおかしいかもしれないけど…。
でも同じ退治屋だし…。
敵じゃないからいいでしょ!。
笑うなぁ!!。

そんな中風花の口からこんな言葉がひっそり聞こえた。

「竜也くん可愛い。」

2024/12/27 20:52

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