特訓を始めて何日か経った時の話だ。
俺は今日も裏山に行っていた。
俺はいつも裏山で二人にいろいろ教えてもらっている。
二人は毎日交代交代で裏山に来ている。
今日は優貴さんの番だった。
最初は思わなかったが、優貴さんの髪は綺麗だ。
とても鮮やかな紫髪と耳のようなクセ毛。
金持ちの子に生まれたんじゃない？という見た目だ。
そういえば優貴さんってなんの妖力を持っているんだろう。

「どこ見てんだよ。お前。」

「優貴さんってどんな退治屋なんですか？。」

「意味がわからん。」

「例えば俺だったら大蛇の妖力を持ってるとか…。」

「俺は化け狐だ。最初のとき言わなかったか？。」

「妖力じゃなくて…。」

「化け狐本人だよ！！。」

まさか優貴さんが化け狐だったとは。
化け狐って有名なあの妖怪だろ？。
でも九尾じゃないのかー。
最強の霊媒師VS化け狐って狐が負けそうだけど。

「じゃあ今週はこれをこなしてこい。」

そう言われて俺は１枚の紙を渡された。
その紙には山一周とか岩を切れとか書いてあった。

「鬼ですか！！」

「俺は鬼妖怪じゃない。」

「……そうじゃなくて。」

「退治屋ならこのくらいできて当然だ。」

「じゃあみんなできるんですか？」

「ああ、夏美ちゃんでもできるさ。」

夏美でもできると言われて、俺は本当に一番弱いと思った。
だってこんなアニメで見るような修行だよ？。
なんでみんなできるの？。

「俺はここで待っておく。いつでも帰ってこい。」

待ってくれてるだけ安心だけど…。
この人鬼畜すぎない？。
いや、一カ月という短い期限に焦っているのか。
俺は紙に書かれたことをするために歩いていった。

そういえば優貴さんにもらったブレスレット。
今つけているけど何の効果があるんだろう？。

今日も俺は優貴さんの鬼畜特訓に挑む。