涼太side

「はぁ…もうやだ。」

あ、やべぇ。思わず声に出してしまった。
たまに気持ちが爆発しちゃうときあるよな…。
俺って、そんなに馬鹿だっけ。
もうすぐ死んじゃうのか？1年もたったら、みんなに会えないのか？
そんなの嫌に決まってるだろ。
なんで。嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ！

「どうした？」

え？海夏人…。聞いてたのか…。ごめん。

「ん？あ、あっ…テスト勉強してなかったなぁって。」

変な言い訳みたいなのつけちゃった。
ごまかすつもりだったのに、驚いてうまく言えなかった。
海夏人には迷惑かけたくない。
だから、こっからは俺との勝負。どんだけごまかせるかだな。

「…。してなかったのかよ。こういうの信じられないんだよなぁ。って、今日小テストあんのかよ！？やばい！勉強してない！」

海夏人？ちょっと、一瞬空気凍ったよな？
もしかして、気づいてんのか？
でも、気づいてるなら、、大丈夫？とか言うはずだから…気づいていないのか？
まあ、適当に笑っておこうかな。

「ふっ…」

…なんか、海夏人、、いつもより暗い？

「海夏人、それマジのやつじゃん。」

ちょいと、つっこんだけど…どうかな？
テンション暗いのバレちゃうかな…。

「そうだよなー…。今からしてくるわ！」

あ…よかった。本当にごめんね。

タタタッ…
「はぁ…」

やっと、行ってくれた…。ごめん。
もう、俺。生きていけない。ごめん。迷惑かけちゃう。

[水平線]

海夏人side

「はぁ…もうやだ。」

え？大丈夫か？聞いちゃいけなかった系だよな、絶対。気まずいが、心配だから…聞くしかない！

「どうした？」

「ん？あ、あっ…」

なんか、テンパってる。本当に大丈夫か？

「テスト勉強してなかったなぁって。」

……言い訳か。もう、余命のこと話してるんだから、俺に相談してもいいじゃねえかよ。
よし…。言うしかねえ。友達が困ってたら助けるのは当たり前だろ！俺、いけ！言うんだ。無理すんなって。たった、5文字の言葉だぞ？早く、、言え！

「してなかったのかよ。こういうの信じられないんだよなぁ。って、今日小テストあんのかよ！？やばい！勉強してない！」

はあああああああ！？なんでだよ！！！普通に気まずいからって言葉変えるなよ俺！

「ふっ…。海夏人、それマジのやつじゃん。」

ああ、もう…。涼太…。無理して笑わなくていいよ。なんか隠してるの？困ったときは言えよ！って言ったじゃねえかよ。なんで…

「そうだよなー…。今からしてくるわ！」

今はあいつのためにも、引くか…。
とりあえず、遠くから様子を見るか。

ダダダッ

「はぁ…」

だよな。絶対、無理してる。涼太、何もできなくてごめん。