無属性勇者はデタラメすぎる
「プルート様、ソレイユ王国の軍団長から文が届いております」
西の森から数キロ離れた場所にある国プルート国。
玉座に座る王、プルート・アテナ・クルトは文を受け取る。隣に立つのはプルート・アテナ・エアリア、クルトの妻である。一際目立つ赤い髪、力強く鋭い目には、クルトとは正反対の性格。
「むっ」
文の内容は、エルフの森に封印していたテュポーンの詳細と、悪魔についてだった。プルートはもちろんテュポーンが消えたことを知っている。
だが、それとは別に悪魔の存在だった。
「あなた、、、」
クルトの顔を見てエアリアは、駆け寄り、文を読む。
「まずいことになりましたね…」
エアリアの声がポツンと響いた。
[水平線]
「全く…どうしたもんか…」
「ネオンよぐだぐだしていると国が一つ消えることになってしまうぞ」
「エレナ、わかってるよ。あんまり急かすんじゃない」
笑えねえ冗談言うんじゃねえよ…心臓に悪い。冷や汗かいたぞ。
「この魔力の痕跡を見るに悪魔は確定だろうな…」
「ああ、この感覚は今までにないな。とても気持ち悪い」
悪魔の魔力はとても濃い。そして、異様なその濃さに気分が悪くなるものが多い。
西の森は、まさに悪魔の魔力が感じられる。内側からのめり込むように侵入したのだろう。そんな芸当なんて人間じゃできない。
「化け物がよ…」
俺らが今何をしているかって言うと、その悪魔の捜査。まあ、一向に見つかる気配がないがな…。まあ、いまは夜だし視界も悪い。
「ん?」
「ネオン、どうした」
「いま一瞬だけ魔力を感じた…この感覚、悪魔だ!!!」
「なっ、、、!?まずいぞ!全員戦闘体制!!」
陣形を組み、暗闇を見渡す。30秒の沈黙…誰もが張り詰めて緊張していた。
「来ない…」
「気のせいだったのか?」
「いや…少し待て…」
考えるネオン…エレナは静かにまった。落ち着いて、物事を俯瞰して考える。
確かにあの魔力は悪魔のもの…たった数秒だが、確かに感じた。一体どこに…
「まさか!!!」
急に声を上げるネオン、何かを察したのかエレナが急いで指示を出す。
一斉に走りだす。団員たちはわけのわからないまま走らされる。でも、これだけはわかっていた。国の危機だということ…
「はあ、はあ、まずい!遅かったか…!」
「おい、おい、ネオン…これはとんでもないぞ…」
ネオンたちの目に入ってきたのは爆発を繰り返しながら、燃える炎とその中からうっすら浮き上がる城。
その炎は、異様すぎた。青色でも、赤色でもない。黒い炎…真っ黒に、ドス黒い。
「エレナ!まだ中に誰かいるかもしれない!」
「ああ!わかっている!全員、近くにいる民間人の避難を優先!戦闘になるかもしれない!その時は迷わず剣を抜け!」
「「「了!」」」
一斉に20人の騎士が動き始める。ネオンとエレナは、燃え盛る城の中に入って行った。
「くっそ、この炎とんでもなく暑い…!」
「ネオン、この炎は毒だ!さっきから燃えているのに、一向に煙が上がっていない…たぶん、毒を充満させている」
「ああ!気づいているさ!安心しろ!俺には毒が効かん!」
「意味わからんが今はそれどころじゃない!」
ネオンにはなぜか毒が効かない。本人いわく、鍛えたらこうなるとのこと。
「手分けして探したほうがいい!エレナ!俺は左を、お前は右に行け!」
「了解!」
プルート王…頼む、生きていてくれよ!あんたが死んだらこの国は消えちまうぞ!!
全速力で走るネオン。黒い炎で焼かれた死体がたびたび視界に入る。通常の人間なら精神が崩壊するだろう…だがネオンは片足化け物に突っ込んでいる。簡単に精神は崩れない。
「部屋がありすぎてわかんねえよ!たく、いったいどこに行けば!」
ネオンは立ち止まり、魔力探知を行う。
微かに感じる赤い魔力は、弱々しく今にも息絶えそうだった。焦るネオンは急いで部屋まで向かう。
「ここか!おい!ドア開けるぞ!」
ドアを突き破り、中に入るとそこにはエアリアと子供の姿があった。
「エアリア様、ソレイユ国の軍団長ネオンです」
「ソ…レイユ王国…?ああ、あなたが…」
掠れた声は上手く聞き取れない。ネオンがエアリアを抱えようとした瞬間、エアリアはそれを止めた。
「私ではなく、その子を…」
「この子は…?」
エアリアの横でうずくまる女の子は赤い炎によって包まれていた。
「私たちの未来…名は、エリア…」
意識が薄れるエアリア。
「それ以上は口を閉じてください、無理せず、まだ助かるかもしれないんですから!」
「い、いえ、もう無理よ…魔力も尽きた…その子には私の魔法で黒い、ほ、のおを中和するように…」
目からだんだん光が失われていく。体の体温も冷たくなる…
「エアリア様!!」
「いつかエリアに伝えて…大きくなった時に私はあなたを愛してるって…」
「…エアリア様、、、わかりました。このネオンがあなたの娘を育てます」
「ありがとう…」
そしてゆっくり目を瞑るエアリア…黒い炎に飲み込まれてしまった。
[水平線]
「じゃあ、エリアはもしかして…」
「ああ、プルート王の娘。プルート・アテナ・エリアだ」
「…ッ!」
まさか、エリアが王様の娘なんて…信じられないな。あんな横暴でゴリラがお姫様だなんて…
「エリアは、このことを…」
「知っている…どんな母親か、自分がどんな立場か…まあ、その結果が今のエリアを生み出してしまったんだ」
あの乱暴は、色々な焦りと不安からか…
「結局、王国は」
「ああ、続きを話そうか…」
小1時間僕らは話した。その空気はどんよりとして重たかった。
西の森から数キロ離れた場所にある国プルート国。
玉座に座る王、プルート・アテナ・クルトは文を受け取る。隣に立つのはプルート・アテナ・エアリア、クルトの妻である。一際目立つ赤い髪、力強く鋭い目には、クルトとは正反対の性格。
「むっ」
文の内容は、エルフの森に封印していたテュポーンの詳細と、悪魔についてだった。プルートはもちろんテュポーンが消えたことを知っている。
だが、それとは別に悪魔の存在だった。
「あなた、、、」
クルトの顔を見てエアリアは、駆け寄り、文を読む。
「まずいことになりましたね…」
エアリアの声がポツンと響いた。
[水平線]
「全く…どうしたもんか…」
「ネオンよぐだぐだしていると国が一つ消えることになってしまうぞ」
「エレナ、わかってるよ。あんまり急かすんじゃない」
笑えねえ冗談言うんじゃねえよ…心臓に悪い。冷や汗かいたぞ。
「この魔力の痕跡を見るに悪魔は確定だろうな…」
「ああ、この感覚は今までにないな。とても気持ち悪い」
悪魔の魔力はとても濃い。そして、異様なその濃さに気分が悪くなるものが多い。
西の森は、まさに悪魔の魔力が感じられる。内側からのめり込むように侵入したのだろう。そんな芸当なんて人間じゃできない。
「化け物がよ…」
俺らが今何をしているかって言うと、その悪魔の捜査。まあ、一向に見つかる気配がないがな…。まあ、いまは夜だし視界も悪い。
「ん?」
「ネオン、どうした」
「いま一瞬だけ魔力を感じた…この感覚、悪魔だ!!!」
「なっ、、、!?まずいぞ!全員戦闘体制!!」
陣形を組み、暗闇を見渡す。30秒の沈黙…誰もが張り詰めて緊張していた。
「来ない…」
「気のせいだったのか?」
「いや…少し待て…」
考えるネオン…エレナは静かにまった。落ち着いて、物事を俯瞰して考える。
確かにあの魔力は悪魔のもの…たった数秒だが、確かに感じた。一体どこに…
「まさか!!!」
急に声を上げるネオン、何かを察したのかエレナが急いで指示を出す。
一斉に走りだす。団員たちはわけのわからないまま走らされる。でも、これだけはわかっていた。国の危機だということ…
「はあ、はあ、まずい!遅かったか…!」
「おい、おい、ネオン…これはとんでもないぞ…」
ネオンたちの目に入ってきたのは爆発を繰り返しながら、燃える炎とその中からうっすら浮き上がる城。
その炎は、異様すぎた。青色でも、赤色でもない。黒い炎…真っ黒に、ドス黒い。
「エレナ!まだ中に誰かいるかもしれない!」
「ああ!わかっている!全員、近くにいる民間人の避難を優先!戦闘になるかもしれない!その時は迷わず剣を抜け!」
「「「了!」」」
一斉に20人の騎士が動き始める。ネオンとエレナは、燃え盛る城の中に入って行った。
「くっそ、この炎とんでもなく暑い…!」
「ネオン、この炎は毒だ!さっきから燃えているのに、一向に煙が上がっていない…たぶん、毒を充満させている」
「ああ!気づいているさ!安心しろ!俺には毒が効かん!」
「意味わからんが今はそれどころじゃない!」
ネオンにはなぜか毒が効かない。本人いわく、鍛えたらこうなるとのこと。
「手分けして探したほうがいい!エレナ!俺は左を、お前は右に行け!」
「了解!」
プルート王…頼む、生きていてくれよ!あんたが死んだらこの国は消えちまうぞ!!
全速力で走るネオン。黒い炎で焼かれた死体がたびたび視界に入る。通常の人間なら精神が崩壊するだろう…だがネオンは片足化け物に突っ込んでいる。簡単に精神は崩れない。
「部屋がありすぎてわかんねえよ!たく、いったいどこに行けば!」
ネオンは立ち止まり、魔力探知を行う。
微かに感じる赤い魔力は、弱々しく今にも息絶えそうだった。焦るネオンは急いで部屋まで向かう。
「ここか!おい!ドア開けるぞ!」
ドアを突き破り、中に入るとそこにはエアリアと子供の姿があった。
「エアリア様、ソレイユ国の軍団長ネオンです」
「ソ…レイユ王国…?ああ、あなたが…」
掠れた声は上手く聞き取れない。ネオンがエアリアを抱えようとした瞬間、エアリアはそれを止めた。
「私ではなく、その子を…」
「この子は…?」
エアリアの横でうずくまる女の子は赤い炎によって包まれていた。
「私たちの未来…名は、エリア…」
意識が薄れるエアリア。
「それ以上は口を閉じてください、無理せず、まだ助かるかもしれないんですから!」
「い、いえ、もう無理よ…魔力も尽きた…その子には私の魔法で黒い、ほ、のおを中和するように…」
目からだんだん光が失われていく。体の体温も冷たくなる…
「エアリア様!!」
「いつかエリアに伝えて…大きくなった時に私はあなたを愛してるって…」
「…エアリア様、、、わかりました。このネオンがあなたの娘を育てます」
「ありがとう…」
そしてゆっくり目を瞑るエアリア…黒い炎に飲み込まれてしまった。
[水平線]
「じゃあ、エリアはもしかして…」
「ああ、プルート王の娘。プルート・アテナ・エリアだ」
「…ッ!」
まさか、エリアが王様の娘なんて…信じられないな。あんな横暴でゴリラがお姫様だなんて…
「エリアは、このことを…」
「知っている…どんな母親か、自分がどんな立場か…まあ、その結果が今のエリアを生み出してしまったんだ」
あの乱暴は、色々な焦りと不安からか…
「結局、王国は」
「ああ、続きを話そうか…」
小1時間僕らは話した。その空気はどんよりとして重たかった。