無属性勇者はデタラメすぎる
どうやらカイラル王によると、この世界は今魔神という規格外の化け物によって脅かされているらしい。
「[太字]魔神[/太字]」その存在は400年前に確認されている。400年前に何があったかというと、魔族との大戦争…「人魔大戦」とも言われている。
その人魔大戦の首謀者が魔神と言われる存在らしい。なぜ、魔神が生まれたのか、なぜ人魔大戦が起きてしまったのか…
それは人間側が起こした愚かな事件によるものだったらしい。
まあ、ここは省略するけど。
魔神は400年前の勇者によって封印されたらしい。「封印」討伐ではなく封印なんだと疑問に思うだろう。理由は単純…魔神はあまりにも強すぎた。4人いた勇者のうち生き残ったのは1人だったそう。
その封印が何者かの手によって解かれてしまい、つい1か月前でてきたんだと。
魔神は400年間封印されていたから全盛期の力はないが、それでも強力なもの。
現在、北東にある大陸を占領し再び魔王と魔族をまとめ上げて戦力を整えているらしい。
魔王って本当にいるんだな…しかも魔王っていうのは4人いるとのこと。
魔王が何人、どこまで協力しているかはまだ調査中だと言っていた。
まあ要するにだ、僕たちはそんな強すぎる化け物を勇者という偉大な力で倒してほしいと頼まれているのだ。
頼むって言ってももう召喚されたからやるしかないんだけどね…
「一つ質問があるのですが」
「ああ、答えられる範囲内でならなんでも答える」
カイラル王のお言葉に甘えて色々質問をすることにしよう。
「一つ、勇者は4人のはずなのにまだここには先輩と僕しかいないこと。二つ、世界が違うはずなのになぜ言語が通じるのか。三つ、元の世界に帰ることはできるのか」
先輩も僕の質問内容に頭を縦に振りながら頷く。
「そうだな、まず一つ目から。まず勇者召喚はこの国のためではなく、この世界の平和のために行うためにあるんだ。そのためには各国との会議をする必要がある。勇者召喚を任されたのはこの国と、南の国にあるネプチューン王国だ」
「なるほど」
勝手に勇者召喚なんてやったら大問題だもんね。他の2人はそのネプチューン王国にいるってことでいいのか。
「この王国は魔法に関しての技術は優れている。そして何より、中央にあるため人も集まる。それだけ優秀なものが多いということ、任されたのそういうわけでもある」
「国の事情ってもんがあるんだろうな」
先輩がボソッと言った。そのつぶやきは僕にしか聞こえていないだろう。
「二つ目だが、君らの胸を確認してくれ」
カイラル王の言葉に首を傾げながら、胸を見てみると紫色の魔法陣みたいなものが刻まれていた。
「先輩…」
「ああ、俺にもある」
「それは勇者紋という。勇者召喚に選ばれた者の胸にはそれが必ず刻まれるのだ。勇者紋の効果で言語、文字などその他諸々の効果が得られるんだ」
「これのおかげか」
「三つ目についてだが申し訳ない…帰る方法についてはまだわかっていない」
「そう、ですか」
一方通行か。まあ、それは予想通りかな…家族や友達には悪いがもうこれはどうしようもならないか…
ごめん母さん父さん。
「すいません、少しだけ2人にさせてください」
「ああ、構わない。それより、すまなかった…君らの未来を消してしまうような行為…許されるようなことではない」
「いや、大丈夫です。世界の危機なんですから」
そう言ってカイラル王は部屋を出て行った。
部屋は静かになる。10秒間たっぷりの沈黙を最初に破ったのは先輩だった。
「どうするんだ」
「どうするもこうも、やるしかないでしょ」
ほぼ100%で帰ることもできない状況…この世界にわざわざ召喚されて何もしないってのは流石にね。
「だよな…やるしかないよな」
はあっとため息をつく先輩は大きく体を伸ばす。
「せっかくの異世界だ!楽しもうじゃないか!」
「そうですね」
「カイラル王のところに行くか」
[水平線]
「答えは決まったか?」玉座に座るカイラル王。
「カイラル様、この東雲悟は勇者としての名をまっとうすることにします」
「同じく、鈴木殻斗は東雲悟と魔神を討伐し、世界に平和を再び訪れさせることを誓います」
カイラル王に向かい、跪き頭を下げる。
「うむ、貴殿らの思いを受け取る。そして、本当にありがとう…この世界のために存分に力を発揮したまえ」
「「はいっ」」
僕らは、この世界をかならず救ってみせるーーー
[水平線]
「早速だが、君らの属性を見ておこうじゃないか」
「属性?」
「この世界には魔法というものが存在する。その魔法にも属性があるんだ」
「なるほど」
魔法か…男のロマンだよな。一度は使ってみたいと思っていたがまさか本当に使えるとはな。
「マーシャ」
「はい、」
マーシャとういう女性は、水の入ったふわふわと浮く器を持ってきた。
「ここに手を入れてみてください」
「ああ」
先輩が先に手を入れた。その瞬間風が吹く。ここは、密閉空間で窓は開いてないはずなのになぜ風が…
「風魔法ですね!これはとても面白そうです」
先輩は風魔法か。風ってなんか使い道めっちゃあるよね…空を飛ぶことだってできるんじゃ…
「次は僕ですね…」
水に手を入れた。なんだかホワホワする…さあ、何がくる?水か?火?それとも土?なんだ?
「え〜っと…」
なんだか困惑するマーシャさんに、あたりは何か察したのか申し訳なさそうな顔で僕を見る。
「マーシャさん、その東雲は何属性なんですか」
ズバッと聞いてくる先輩に、慌てる一同。おい、なんだその目は…カイラル王よ、今度はどんな災難が…
「サトル様は、その…どうやら属性がないようで…」
「ん?」
今日二度目の衝撃。ボクシングに例えるなら100km越えのストレートを喰らった気分だ。
「先輩…」
「…」
全く目を合わせてくれない先輩、マーシャさんはそんな僕を慰めようとしたのか
「魔力はあるんですよ!魔力量だけだったらカクト様以上ですし…」
慰めになってない…魔力があって属性がないなんてますます意味がわからん…
勇者なのに、魔法が使えない?なんで?魔力だけで何をしろというんだ?
10秒間たっぷりの沈黙…僕は頭をくしゃくしゃにしながら、
「どうして、、、、どうしてだよおおおおおおおおおお!!」
「し、東雲!!」
「サトル様…!」
こんなの、納得できるわけない。
「[太字]魔神[/太字]」その存在は400年前に確認されている。400年前に何があったかというと、魔族との大戦争…「人魔大戦」とも言われている。
その人魔大戦の首謀者が魔神と言われる存在らしい。なぜ、魔神が生まれたのか、なぜ人魔大戦が起きてしまったのか…
それは人間側が起こした愚かな事件によるものだったらしい。
まあ、ここは省略するけど。
魔神は400年前の勇者によって封印されたらしい。「封印」討伐ではなく封印なんだと疑問に思うだろう。理由は単純…魔神はあまりにも強すぎた。4人いた勇者のうち生き残ったのは1人だったそう。
その封印が何者かの手によって解かれてしまい、つい1か月前でてきたんだと。
魔神は400年間封印されていたから全盛期の力はないが、それでも強力なもの。
現在、北東にある大陸を占領し再び魔王と魔族をまとめ上げて戦力を整えているらしい。
魔王って本当にいるんだな…しかも魔王っていうのは4人いるとのこと。
魔王が何人、どこまで協力しているかはまだ調査中だと言っていた。
まあ要するにだ、僕たちはそんな強すぎる化け物を勇者という偉大な力で倒してほしいと頼まれているのだ。
頼むって言ってももう召喚されたからやるしかないんだけどね…
「一つ質問があるのですが」
「ああ、答えられる範囲内でならなんでも答える」
カイラル王のお言葉に甘えて色々質問をすることにしよう。
「一つ、勇者は4人のはずなのにまだここには先輩と僕しかいないこと。二つ、世界が違うはずなのになぜ言語が通じるのか。三つ、元の世界に帰ることはできるのか」
先輩も僕の質問内容に頭を縦に振りながら頷く。
「そうだな、まず一つ目から。まず勇者召喚はこの国のためではなく、この世界の平和のために行うためにあるんだ。そのためには各国との会議をする必要がある。勇者召喚を任されたのはこの国と、南の国にあるネプチューン王国だ」
「なるほど」
勝手に勇者召喚なんてやったら大問題だもんね。他の2人はそのネプチューン王国にいるってことでいいのか。
「この王国は魔法に関しての技術は優れている。そして何より、中央にあるため人も集まる。それだけ優秀なものが多いということ、任されたのそういうわけでもある」
「国の事情ってもんがあるんだろうな」
先輩がボソッと言った。そのつぶやきは僕にしか聞こえていないだろう。
「二つ目だが、君らの胸を確認してくれ」
カイラル王の言葉に首を傾げながら、胸を見てみると紫色の魔法陣みたいなものが刻まれていた。
「先輩…」
「ああ、俺にもある」
「それは勇者紋という。勇者召喚に選ばれた者の胸にはそれが必ず刻まれるのだ。勇者紋の効果で言語、文字などその他諸々の効果が得られるんだ」
「これのおかげか」
「三つ目についてだが申し訳ない…帰る方法についてはまだわかっていない」
「そう、ですか」
一方通行か。まあ、それは予想通りかな…家族や友達には悪いがもうこれはどうしようもならないか…
ごめん母さん父さん。
「すいません、少しだけ2人にさせてください」
「ああ、構わない。それより、すまなかった…君らの未来を消してしまうような行為…許されるようなことではない」
「いや、大丈夫です。世界の危機なんですから」
そう言ってカイラル王は部屋を出て行った。
部屋は静かになる。10秒間たっぷりの沈黙を最初に破ったのは先輩だった。
「どうするんだ」
「どうするもこうも、やるしかないでしょ」
ほぼ100%で帰ることもできない状況…この世界にわざわざ召喚されて何もしないってのは流石にね。
「だよな…やるしかないよな」
はあっとため息をつく先輩は大きく体を伸ばす。
「せっかくの異世界だ!楽しもうじゃないか!」
「そうですね」
「カイラル王のところに行くか」
[水平線]
「答えは決まったか?」玉座に座るカイラル王。
「カイラル様、この東雲悟は勇者としての名をまっとうすることにします」
「同じく、鈴木殻斗は東雲悟と魔神を討伐し、世界に平和を再び訪れさせることを誓います」
カイラル王に向かい、跪き頭を下げる。
「うむ、貴殿らの思いを受け取る。そして、本当にありがとう…この世界のために存分に力を発揮したまえ」
「「はいっ」」
僕らは、この世界をかならず救ってみせるーーー
[水平線]
「早速だが、君らの属性を見ておこうじゃないか」
「属性?」
「この世界には魔法というものが存在する。その魔法にも属性があるんだ」
「なるほど」
魔法か…男のロマンだよな。一度は使ってみたいと思っていたがまさか本当に使えるとはな。
「マーシャ」
「はい、」
マーシャとういう女性は、水の入ったふわふわと浮く器を持ってきた。
「ここに手を入れてみてください」
「ああ」
先輩が先に手を入れた。その瞬間風が吹く。ここは、密閉空間で窓は開いてないはずなのになぜ風が…
「風魔法ですね!これはとても面白そうです」
先輩は風魔法か。風ってなんか使い道めっちゃあるよね…空を飛ぶことだってできるんじゃ…
「次は僕ですね…」
水に手を入れた。なんだかホワホワする…さあ、何がくる?水か?火?それとも土?なんだ?
「え〜っと…」
なんだか困惑するマーシャさんに、あたりは何か察したのか申し訳なさそうな顔で僕を見る。
「マーシャさん、その東雲は何属性なんですか」
ズバッと聞いてくる先輩に、慌てる一同。おい、なんだその目は…カイラル王よ、今度はどんな災難が…
「サトル様は、その…どうやら属性がないようで…」
「ん?」
今日二度目の衝撃。ボクシングに例えるなら100km越えのストレートを喰らった気分だ。
「先輩…」
「…」
全く目を合わせてくれない先輩、マーシャさんはそんな僕を慰めようとしたのか
「魔力はあるんですよ!魔力量だけだったらカクト様以上ですし…」
慰めになってない…魔力があって属性がないなんてますます意味がわからん…
勇者なのに、魔法が使えない?なんで?魔力だけで何をしろというんだ?
10秒間たっぷりの沈黙…僕は頭をくしゃくしゃにしながら、
「どうして、、、、どうしてだよおおおおおおおおおお!!」
「し、東雲!!」
「サトル様…!」
こんなの、納得できるわけない。
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