無属性勇者はデタラメすぎる
僕は[太字][漢字]東雲悟[/漢字][ふりがな]シノノメサトル[/ふりがな][/太字]普通の高校生。そう、普通の高校生…だった。どうやら運命は、神様は、僕のスローライフを、キャンパスライフを簡単には過ごさせてくれない。
空は黒く、渦を巻いている。広がる荒野には、転がっている死体を打ち付ける黒い雨。
『クッソ、これじゃ埒があかない!!』
『勇者カクト様!!一旦引いてください!!』
『バカ!俺らがここを引けば、後ろの奴らが危ない!』
『ですが‥!』
『それに、他の勇者2人と離れすぎている。目の前のあいつを倒せる奴なんて俺くらいだろ?』
『それは、そうですが‥』
『大丈夫だ、俺に任せろ』
腰にかけてある剣を抜き、目の前の敵に向ける。渦を巻くツノ、長髪の白い髪に、190cmと高身長。
『凄まじい圧だな…』
あたりの雰囲気がヒリヒリとする。心臓はバクバクと止まることはない。
『ふっ…!!』
カクトは敵にに向かって突っ込む。懐まで入った瞬間剣を上に、首に向かって振り上げる。
『カキンっ!!』
だが、相手は格上だ。いくつもの修羅場を潜り抜けてきている。カクトの剣を弾き、そのまま振り下ろす。
『まずい!風装』
カクトは風魔法で咄嗟に弾く。距離をとり一呼吸する。
『カクト様!』
『ハッ!!』
見えなかった。一瞬の隙をつかれた…ほんの数秒の間に10m以上ある距離をこうも簡単に詰められるとは。
『嘘だろ…』
『ドゴオオオオ!!』
『おい、おい、マジかよ』
その瞬間、目の前に爆発が起きた。土煙からうっすらと見える人影は…
誰も思わないだろう。ただの高校生がわずか三か月で戦況をひっくり返すような英雄になるとは。
[水平線]
なんでこうなったのか…それはあの大雨の日、とかトラックに轢かれそうな子供をとか、ではなくてむしろその日はギラギラに晴れていた。
「なんで日曜日の朝っぱらから僕は学校にいるのだろうか」
折りたたみ式パイプイスを抱えて悪態をつく。無理もない、今日は日曜日…学生なら学校はなく休んでいるはずだから。
「すまなかったな休日に呼び出して」
東雲の愚痴が漏れたのか、背後から近づく爽やかなイケメンは[太字][漢字]鈴木殻斗[/漢字][ふりがな]スズキカクト[/ふりがな][/太字]。
学校の生徒会長であり、東雲を呼び出した張本人だ。
「いえ、別にいいんですよ…こうでもしないと滅多に外に出ませんから」
「外に出ない自覚はあるんだな…」
やれやれと首を横に振る殻斗に東雲は苦笑するしかなかった。
東雲にとって殻斗は先輩であり友人でもある。入学式、校舎で迷子になった東雲を助けたことから始まった関係…
ズルズルと交流が増えて、面倒ごとがある度に呼ばれるようになったのだ。
「入学式の準備っていうのになんで人手が足りないんですかね」
再び愚痴をこぼす東雲。殻斗は何も言い返せない…事実、生徒会は人が少ない。
「申し訳ない…」
[水平線]
「よし、これで終了かな」
「うわああああ、やっと終わった〜」
ぐったりと倒れ込む東雲に殻斗は微笑する。
「いやあ、ほんと助かったよ…今日は飯奢るよ」
「マジすか…!?なんか元気出てきたぞ!」
パアっと顔を輝かせ、子供のようにはしゃぐ東雲にまた一つ首を振る殻斗であった。
「あれ、倉庫が空いてますね」
「おお、ほんとだ。締め忘れたんだな…俺が行こう」
「いや僕が締めてきますよ」
そう言って、右手をドアに触れた瞬間だった。右手の人差し指がバチっと電気が流れた。
「いたっ!!!」
「おい!東雲!大丈夫か!?血が…」
指がただ切れただけじゃないような血の量に、2人は困惑した。
「誰か、人を呼んでこよう!そこで待って…」
その場を殻斗が離れかけたとき、2人の足元が東雲の血が流れ、謎のサークルを生み出す。
「「は?」」
バチバチと音を立てて、空気が揺れる。
「先輩!!」
東雲がそう叫んだ瞬間、そこにいたはずの2人が赤い光に包まれた。
[水平線]
「うっ…」
気づいたら僕はキングサイズのベットで寝ていた。目覚めると、知らない天井が最初に僕の視界に入った。
「起きたか…」
ベットの横には、少し複雑そうな顔をした先輩がいた。
「先輩…あれ?僕は…?なんでこんなところに…」
「それがだな…色々言いたいんだが…」
あたりを見渡すと、僕は囲まれていた。鎧をきた数十人の兵士?中心には明らかにくらいが高い王様のような人がいる。
王様とは程遠い体格だけどね。ぼくのイメージじゃ、お腹が出ていて低身長なのが定番だけど、この人はお腹が出ているどころか引き締まってるように見える。
短髪の白髪に、短く切られたヒゲ、筋肉質な体身長180とみた。
「私から言ったほうがいいだろう」その王様らしき人が一歩前に出てきた。
「私はこの国、ソレイユ王国の王ソレイユ・ララ・カイラルだ」
マジの王様だった…え、どんな反応すればいいの?
「え〜っと…」困惑する僕は、少し身構える。
「いや、楽にしてくれ。」
気を遣われたのだろうか…慌てて止めるカイラル王?は、申し訳なさそうな顔で見てくる。
なに、これもしかして結構深刻な状況なの?
「単刀直入に言おう。君は、勇者としてこの国に召喚されたんだ」
「え?」
衝撃の一言に、嘘だろ?っと先輩を見るが、こればかりはどうしようもないと言わんばかりの顔をしている。
「ええええええええええええ!?」
どうやら、きちゃったみたい異世界…
空は黒く、渦を巻いている。広がる荒野には、転がっている死体を打ち付ける黒い雨。
『クッソ、これじゃ埒があかない!!』
『勇者カクト様!!一旦引いてください!!』
『バカ!俺らがここを引けば、後ろの奴らが危ない!』
『ですが‥!』
『それに、他の勇者2人と離れすぎている。目の前のあいつを倒せる奴なんて俺くらいだろ?』
『それは、そうですが‥』
『大丈夫だ、俺に任せろ』
腰にかけてある剣を抜き、目の前の敵に向ける。渦を巻くツノ、長髪の白い髪に、190cmと高身長。
『凄まじい圧だな…』
あたりの雰囲気がヒリヒリとする。心臓はバクバクと止まることはない。
『ふっ…!!』
カクトは敵にに向かって突っ込む。懐まで入った瞬間剣を上に、首に向かって振り上げる。
『カキンっ!!』
だが、相手は格上だ。いくつもの修羅場を潜り抜けてきている。カクトの剣を弾き、そのまま振り下ろす。
『まずい!風装』
カクトは風魔法で咄嗟に弾く。距離をとり一呼吸する。
『カクト様!』
『ハッ!!』
見えなかった。一瞬の隙をつかれた…ほんの数秒の間に10m以上ある距離をこうも簡単に詰められるとは。
『嘘だろ…』
『ドゴオオオオ!!』
『おい、おい、マジかよ』
その瞬間、目の前に爆発が起きた。土煙からうっすらと見える人影は…
誰も思わないだろう。ただの高校生がわずか三か月で戦況をひっくり返すような英雄になるとは。
[水平線]
なんでこうなったのか…それはあの大雨の日、とかトラックに轢かれそうな子供をとか、ではなくてむしろその日はギラギラに晴れていた。
「なんで日曜日の朝っぱらから僕は学校にいるのだろうか」
折りたたみ式パイプイスを抱えて悪態をつく。無理もない、今日は日曜日…学生なら学校はなく休んでいるはずだから。
「すまなかったな休日に呼び出して」
東雲の愚痴が漏れたのか、背後から近づく爽やかなイケメンは[太字][漢字]鈴木殻斗[/漢字][ふりがな]スズキカクト[/ふりがな][/太字]。
学校の生徒会長であり、東雲を呼び出した張本人だ。
「いえ、別にいいんですよ…こうでもしないと滅多に外に出ませんから」
「外に出ない自覚はあるんだな…」
やれやれと首を横に振る殻斗に東雲は苦笑するしかなかった。
東雲にとって殻斗は先輩であり友人でもある。入学式、校舎で迷子になった東雲を助けたことから始まった関係…
ズルズルと交流が増えて、面倒ごとがある度に呼ばれるようになったのだ。
「入学式の準備っていうのになんで人手が足りないんですかね」
再び愚痴をこぼす東雲。殻斗は何も言い返せない…事実、生徒会は人が少ない。
「申し訳ない…」
[水平線]
「よし、これで終了かな」
「うわああああ、やっと終わった〜」
ぐったりと倒れ込む東雲に殻斗は微笑する。
「いやあ、ほんと助かったよ…今日は飯奢るよ」
「マジすか…!?なんか元気出てきたぞ!」
パアっと顔を輝かせ、子供のようにはしゃぐ東雲にまた一つ首を振る殻斗であった。
「あれ、倉庫が空いてますね」
「おお、ほんとだ。締め忘れたんだな…俺が行こう」
「いや僕が締めてきますよ」
そう言って、右手をドアに触れた瞬間だった。右手の人差し指がバチっと電気が流れた。
「いたっ!!!」
「おい!東雲!大丈夫か!?血が…」
指がただ切れただけじゃないような血の量に、2人は困惑した。
「誰か、人を呼んでこよう!そこで待って…」
その場を殻斗が離れかけたとき、2人の足元が東雲の血が流れ、謎のサークルを生み出す。
「「は?」」
バチバチと音を立てて、空気が揺れる。
「先輩!!」
東雲がそう叫んだ瞬間、そこにいたはずの2人が赤い光に包まれた。
[水平線]
「うっ…」
気づいたら僕はキングサイズのベットで寝ていた。目覚めると、知らない天井が最初に僕の視界に入った。
「起きたか…」
ベットの横には、少し複雑そうな顔をした先輩がいた。
「先輩…あれ?僕は…?なんでこんなところに…」
「それがだな…色々言いたいんだが…」
あたりを見渡すと、僕は囲まれていた。鎧をきた数十人の兵士?中心には明らかにくらいが高い王様のような人がいる。
王様とは程遠い体格だけどね。ぼくのイメージじゃ、お腹が出ていて低身長なのが定番だけど、この人はお腹が出ているどころか引き締まってるように見える。
短髪の白髪に、短く切られたヒゲ、筋肉質な体身長180とみた。
「私から言ったほうがいいだろう」その王様らしき人が一歩前に出てきた。
「私はこの国、ソレイユ王国の王ソレイユ・ララ・カイラルだ」
マジの王様だった…え、どんな反応すればいいの?
「え〜っと…」困惑する僕は、少し身構える。
「いや、楽にしてくれ。」
気を遣われたのだろうか…慌てて止めるカイラル王?は、申し訳なさそうな顔で見てくる。
なに、これもしかして結構深刻な状況なの?
「単刀直入に言おう。君は、勇者としてこの国に召喚されたんだ」
「え?」
衝撃の一言に、嘘だろ?っと先輩を見るが、こればかりはどうしようもないと言わんばかりの顔をしている。
「ええええええええええええ!?」
どうやら、きちゃったみたい異世界…
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