二次創作
似ているようで、似ていない。
「いやぁ、ありがとうございます。お陰様ででやっと捕えることが出来ました」
「それは何より」
悪漢らを捕えてから数時間後。人身売買されていた者、されそうになった軍警に保護された。
報道陣や野次馬で周辺はごった返している。
「江戸川さんも、事件解決のために手伝って下さりありがとうございます」
「それはどうも!僕は世界最高の名探偵だからね!僕にかかれば一瞬だったでしょ!」
「はい!」
江戸川さん、と呼ばれた少年…江戸川乱歩はここ最近、ヨコハマを賑わせている凄腕の名探偵だった。
そして、その隣いる壮年の男は名を福沢諭吉、と云い、少年を守るようにいつも少年の隣にいる武人だった。
話を聴いてみると、乱歩の方が立場が上に見えるが、彼らが所属している組織……“武装探偵社”では福沢の方が上だった。
(年齢でも見てみれば慥かにその通りだが)
そんな二人は界隈では知らぬ者は居ない探偵[漢字]双人[/漢字][ふりがな]バディ[/ふりがな]として名を馳せていた。
今回のこの事件も全て乱歩で解決したようなものだった。
乱歩の異能力だけど異能力じゃない異能力で会場を中て、そこに軍警をこっそりと向かわせる。
…全て、[漢字]16歳の少年[/漢字][ふりがな]乱歩[/ふりがな]が考えた作戦であった。
「それじゃあ僕たちはこれで帰るね。何か困りごとがまたあれば、何時でも武装探偵社を頼ってね!」
そう云って、乱歩と福沢は現場を後にした。
―――のだが。
[水平線]
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現場から少し歩いた所で乱歩は止まった。
福沢も足を止める。
福沢には乱歩が何をやりたいのか、何となく察した。
「ねえ、社長」
「――どうした。」
「僕の推理だと、またま残党と被害者が残っていると思う」
「……そうか」
「何か云ってよ!」
「すまない。…別に構わないぞ。今回は[漢字]あの時[/漢字][ふりがな]・・・[/ふりがな]と違うからな」
「ほんと!?」
「じゃあ行くよ、社長!予想だとまだ被害者が後一人いる筈!」