二次創作
似ているようで、似ていない。
「ん、んー……(ここは…)」
目を覚ますと、無機質な空間でぼくは鎖に繋がれていた。
[漢字]猿轡[/漢字][ふりがな]さるぐつわ[/ふりがな]もされている。
ぼくだけではなく、他にも老若男女問わず、ぼくと同じように鎖で繋がれていた。
[中央寄せ]ギィ…[/中央寄せ]
すると、殆ど空間と一体化している扉から、ゴツい男が三人出てきた。
「(多分、ぼくをあそこから連れ去った人たち)」
もうここで目を覚ました時点で何となく予想はついていた。……人攫いだ。
貧民街などの血と暴力で塗られた世界ではある意味見知った犯罪。
人質としてかっさらえば、「組織をつぶしたきゃ、やってみろ。こいつらも死ぬがな」と挑発することもできる。
「―――ついてこい」
ついてこい、とただ云われてもぼくたちは鎖に繋がれているから動けない。
その事に気づいたのか、男の一人がぼくのところに来て、
「フンッ[斜体]!!![/斜体]」
「い゛っ…[斜体]![/斜体]」
[中央寄せ][大文字]ガシャァ![/大文字][/中央寄せ]
蹴り技でぼくの顔も道連れに鎖を壊した。
他の人も同じようにやっていった。
「壊したんだからとっととついてこい[斜体]!![/斜体]」
ぞろぞろ…と[漢字]他人[/漢字][ふりがな]ひと[/ふりがな]たちがついてく中、ぼくだけ止められた。
「――待て。お前だけは別で来てもらう」
「(何か特別なことでもあったのかな…)」
静かについていく中、ぼくが思っていたことはただ一つ。
「(龍、銀…食糧渡せなくてごめんなさい……)」
「(もう二度と会えないかもです……)」