この世界と君とそして
第9話「〈全術修練学校〉」
海斗さんの家に行った2日後のことだ。
あの後、僕のバグったステータスについて教えてもらった事をまとめよう。
どうやら僕のステータスは〈ロック〉されているらしい。
Tips〈ロック〉
自身のスキルがまだ解放されていない場合では真紀のようにステータスが文字化けするような事が稀にあるらしい。これを〈ロック〉と呼ぶ。話によると異世界転生者に多いらしい。ステータスが〈ロック〉された者のスキルは強力だったり個性的なものが多いらしい。この情報は全てが古い本〈古の虚本〉に書いてあったことであるが。
これらの情報が得られた。
「さぁ、これからどうするかな…」
と、呟いているとコンコンとノックの音がする。誰だろうと思いながらドアを開ける。
ドアの前にいたのは薄い茶色の髪、青色の瞳の女の子、シーラことシーラ・ラスカーシアだ。
「マキさん、ちょっといいですか?」
「あぁ、いいけど。どうかした?」
僕が聞くと周りを気にするようにチラチラと顔を動かす。
「ここじゃなんですし、少し面倒な話ですので部屋で話してもいいですか?」
いつもよりも丁寧な言葉遣いに少し違和感を感じつつ、
「あ、あぁいいけど…」
とシーラを部屋に入れる。ベッドに腰をかけたシーラが椅子に座った僕を見つめる。
以前にもあったような気がする。またこの感覚だ。
僕を見つめる青い瞳。なんだ。どこで経験した?
「マキさん、私が通ってる学校は知ってますよね」
とシーラの声で我に帰る。
「シーラの通ってる学校?全術修練学校だっけ?」
「はい。そうです。」
「それがどうしたの?」
と、僕が聞くとシーラは少し目を伏せてから言った。
「実は、私の家に森の迷い子のマキさんがいるという事が学校で広まってしまいまして…」
「それで少し面倒なことになってしまいまして…」
どういう事だろう。森の迷い子がいることに何か特別な意味があるのだろうか。
「簡単に言うと校長先生がそれを聞いて、マキさんを全術修練学校に入学させたいと…」
「え?…」
と、驚いてしまう。すると
「私もびっくりなんですよ!なんか森の迷い子と話したいとか、特殊な能力があるとかで…」
「ど、どういうこと…」
「私が聞きたいですよ!とにかくお父さんにも話をするとかで…」
とそこで言葉が途切れる。
「学校…」
シーラも実際困惑しているんだろう。
「話は分かったよ。とりあえず考えてみる。ていうかエルジリアさ…お父さんが帰ってきてから話した方が…」
「そ、そうですよね。ごめんなさい…なんか困惑しちゃって」
「いや、大丈夫。そりゃいきなりそんな事言われたら困惑するよ」
その日の夜のことを僕が忘れることはないだろう
海斗さんの家に行った2日後のことだ。
あの後、僕のバグったステータスについて教えてもらった事をまとめよう。
どうやら僕のステータスは〈ロック〉されているらしい。
Tips〈ロック〉
自身のスキルがまだ解放されていない場合では真紀のようにステータスが文字化けするような事が稀にあるらしい。これを〈ロック〉と呼ぶ。話によると異世界転生者に多いらしい。ステータスが〈ロック〉された者のスキルは強力だったり個性的なものが多いらしい。この情報は全てが古い本〈古の虚本〉に書いてあったことであるが。
これらの情報が得られた。
「さぁ、これからどうするかな…」
と、呟いているとコンコンとノックの音がする。誰だろうと思いながらドアを開ける。
ドアの前にいたのは薄い茶色の髪、青色の瞳の女の子、シーラことシーラ・ラスカーシアだ。
「マキさん、ちょっといいですか?」
「あぁ、いいけど。どうかした?」
僕が聞くと周りを気にするようにチラチラと顔を動かす。
「ここじゃなんですし、少し面倒な話ですので部屋で話してもいいですか?」
いつもよりも丁寧な言葉遣いに少し違和感を感じつつ、
「あ、あぁいいけど…」
とシーラを部屋に入れる。ベッドに腰をかけたシーラが椅子に座った僕を見つめる。
以前にもあったような気がする。またこの感覚だ。
僕を見つめる青い瞳。なんだ。どこで経験した?
「マキさん、私が通ってる学校は知ってますよね」
とシーラの声で我に帰る。
「シーラの通ってる学校?全術修練学校だっけ?」
「はい。そうです。」
「それがどうしたの?」
と、僕が聞くとシーラは少し目を伏せてから言った。
「実は、私の家に森の迷い子のマキさんがいるという事が学校で広まってしまいまして…」
「それで少し面倒なことになってしまいまして…」
どういう事だろう。森の迷い子がいることに何か特別な意味があるのだろうか。
「簡単に言うと校長先生がそれを聞いて、マキさんを全術修練学校に入学させたいと…」
「え?…」
と、驚いてしまう。すると
「私もびっくりなんですよ!なんか森の迷い子と話したいとか、特殊な能力があるとかで…」
「ど、どういうこと…」
「私が聞きたいですよ!とにかくお父さんにも話をするとかで…」
とそこで言葉が途切れる。
「学校…」
シーラも実際困惑しているんだろう。
「話は分かったよ。とりあえず考えてみる。ていうかエルジリアさ…お父さんが帰ってきてから話した方が…」
「そ、そうですよね。ごめんなさい…なんか困惑しちゃって」
「いや、大丈夫。そりゃいきなりそんな事言われたら困惑するよ」
その日の夜のことを僕が忘れることはないだろう
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