この世界と君とそして
第七話「異世界転生者」
「これはまた…どういうことだねエルジリア君」
「えぇ…私も驚きなのですが…これはなんだと思いますか?」
「そんなこと聞くまでもないだろう。というか気づいているから魔法省まで来たんだろう?」
今、僕は魔法省というところにいる。僕のステータスがバグっていたことを知ったエルジリア•ラスカーシアことシーラ達の父親に魔法省に連れてこられている。どうやら僕のステータスウインドウについて誰かといろいろ話しているようだ。どうしたもんか…と考えていると
「マキくん、これから少し行かなかればいけないところが出来た。すまないがついてきてくれないか。」
どうやらこれからどこかに行くらしい。
「えっと、僕のステータスウインドウのことですよね…もちろん行かせていただきます」
という僕の返事に答えたのはエルジリア•ラスカーシアではなく
「マキくんと言ったな、はっきり言おう。私はな、君が森の迷い子だとは思ってないんだ」
先ほどからエルジリア•ラスカーシアと話していた整えられた顎髭が目立つ男。
「ガルバードさん、急にそんなこと言われても理解できないかと…」
「それはそうだな…」
どうやらガルバードという名前らしい男は
「君たちはここで少し待っていてくれ。馬車を持ってくる」
と玄関の前にまで移動してから言われ、エルジリア•ラスカーシアと2人で待つことになる。
「マキくん、ガルバードさんは決して悪い人ではないんだ。言い方がきついだけでな」
となんか苦手だなぁとちょうど思っていたのを見透かされたかのように言われ、
「え、あ、はい。エルジリアさん…はガルバードさんとどんな関係なんですか」
と気になっていたことを聞いてみる。
「うーん、友人ではないが、まぁ難しい関係だな。昔、彼の住んでいた町を魔族から守ったことがあってな。そこから関係が出来ていったんだが…彼が1級貴族ということもあり、なかなか難しい関係なんだよ」
なるほど、なかなかに難しい関係らしい。
「マキくんは我が家が3級貴族ということは知ってるんだったかな?」
「あ、はい。ヒエカに教えてもらいました」
「そうか。ヒエカに教えてもらったか。あ、そうだったマキくん」
と改まった表情で言われ、多少身構えながら
「ど、どうしましたか」
と言うと僕の様子に気づき笑いながら
「ハハハ、別にそんな固くなることはないさ。ただ、私のことはエルジリアさんじゃなくてお父さん とかでも、マキくんが好きなように呼んでくれということだよ」
なんだそういうことか、と安心しつつ
「はい。分かりました」
と言うと
「まぁ、いきなり知らない家庭で過ごせ、となったら固くなるよな。だが、私はもちろんヒエカや
カルジェル、妻も君のことをほんとの家族だと思っている。シーラとはなかなか話す時間がなか ったようだが、きっとシーラもそうだ」
と言われ、照れ臭くなりつつ素直に
「ありがとうございます」
と言っている玄関が開く。ガルバードさんだ。
「馬車を持ってきた。連絡したらぜひ来てくれ、だそうだ。行くぞ」
どうやら馬車が来たらしい。
〜
馬車は初めて乗ったが高級なんだろうか、窓から見える地面はデコボコだか一切揺れない。
「どうした?馬車に乗るのは初めてか」
とガルバードさんに聞かれる。
「あ、はい。初めてです。こんなに揺れないんですね」
「あぁ、まぁな。馬車本体に魔道具が使われてるからな」
「そうなんですね。」
「まぁ、なかなかこんな高級な馬車に乗る機会などないからね。貴重な経験だよ」
などと話していると馬車が止まる。
「どうやら着いたようだぞ。馬車を降りるぞ」
と言われ馬車を降りると目の前にある家を見て
「豪邸だ…すごいな」
と思わず呟くとそれを聞いたガルバードさんが
「まぁ、ここに住んでる人間がな…」
と明らかに何かがあるような口調でいう。
「そ、そうなんですね」
3人で玄関に向かう。馬車には家の前で待っといてもらうらしい。
すると玄関が開き誰かが出てくる。黒の髪に侍のような服装に腰には…日本刀。
「おーい!ガルバードさーん!エルジリアさんもだ!こっちこっち」
とこちらに手を振る男。
「あれがこの豪邸に1人で住んでる変人、ただし実力は確かの男だ」
とガルバードさんが少々嫌そうな顔をしながら言う。するとエルジリアさんも
「そうですね…彼はまぁ…」
と途中で言葉を濁す。
〜
家に入り、応接室に案内される。
そして今、僕の前で男はソファーに寝転がり
「君がステータスがバグってる子か〜。俺と同じだな。とりあえずよく来た」
それを見て
「………」
固まっていると
「おいおい、ひどいな〜。君なら年齢もたいして離れてなさそうだし、あっちの話が出来ると思ったんだけどね。」
と言われ
「あっちの話…?」
と聞き返すと
「もちろん、俺らがもといた世界のことさ」
「………」
どうやらこの男は何か知っているようだ。
Tips〈異世界転生者〉
森の迷い子の中にはステータスが文字化けし、見えなくなっている者がいる。
この世界とは別の世界からなんらかの理由で飛ばされる者がいる。
その人間のことをこの世界では〈異世界転生者〉と呼ぶ。
彼らには特別なスキルやステータス、適合を持っている者が多い。
過去に〈フルグラーレ〉という極悪非道の神を倒した勇者も〈異世界転生者〉という説もある。
「これはまた…どういうことだねエルジリア君」
「えぇ…私も驚きなのですが…これはなんだと思いますか?」
「そんなこと聞くまでもないだろう。というか気づいているから魔法省まで来たんだろう?」
今、僕は魔法省というところにいる。僕のステータスがバグっていたことを知ったエルジリア•ラスカーシアことシーラ達の父親に魔法省に連れてこられている。どうやら僕のステータスウインドウについて誰かといろいろ話しているようだ。どうしたもんか…と考えていると
「マキくん、これから少し行かなかればいけないところが出来た。すまないがついてきてくれないか。」
どうやらこれからどこかに行くらしい。
「えっと、僕のステータスウインドウのことですよね…もちろん行かせていただきます」
という僕の返事に答えたのはエルジリア•ラスカーシアではなく
「マキくんと言ったな、はっきり言おう。私はな、君が森の迷い子だとは思ってないんだ」
先ほどからエルジリア•ラスカーシアと話していた整えられた顎髭が目立つ男。
「ガルバードさん、急にそんなこと言われても理解できないかと…」
「それはそうだな…」
どうやらガルバードという名前らしい男は
「君たちはここで少し待っていてくれ。馬車を持ってくる」
と玄関の前にまで移動してから言われ、エルジリア•ラスカーシアと2人で待つことになる。
「マキくん、ガルバードさんは決して悪い人ではないんだ。言い方がきついだけでな」
となんか苦手だなぁとちょうど思っていたのを見透かされたかのように言われ、
「え、あ、はい。エルジリアさん…はガルバードさんとどんな関係なんですか」
と気になっていたことを聞いてみる。
「うーん、友人ではないが、まぁ難しい関係だな。昔、彼の住んでいた町を魔族から守ったことがあってな。そこから関係が出来ていったんだが…彼が1級貴族ということもあり、なかなか難しい関係なんだよ」
なるほど、なかなかに難しい関係らしい。
「マキくんは我が家が3級貴族ということは知ってるんだったかな?」
「あ、はい。ヒエカに教えてもらいました」
「そうか。ヒエカに教えてもらったか。あ、そうだったマキくん」
と改まった表情で言われ、多少身構えながら
「ど、どうしましたか」
と言うと僕の様子に気づき笑いながら
「ハハハ、別にそんな固くなることはないさ。ただ、私のことはエルジリアさんじゃなくてお父さん とかでも、マキくんが好きなように呼んでくれということだよ」
なんだそういうことか、と安心しつつ
「はい。分かりました」
と言うと
「まぁ、いきなり知らない家庭で過ごせ、となったら固くなるよな。だが、私はもちろんヒエカや
カルジェル、妻も君のことをほんとの家族だと思っている。シーラとはなかなか話す時間がなか ったようだが、きっとシーラもそうだ」
と言われ、照れ臭くなりつつ素直に
「ありがとうございます」
と言っている玄関が開く。ガルバードさんだ。
「馬車を持ってきた。連絡したらぜひ来てくれ、だそうだ。行くぞ」
どうやら馬車が来たらしい。
〜
馬車は初めて乗ったが高級なんだろうか、窓から見える地面はデコボコだか一切揺れない。
「どうした?馬車に乗るのは初めてか」
とガルバードさんに聞かれる。
「あ、はい。初めてです。こんなに揺れないんですね」
「あぁ、まぁな。馬車本体に魔道具が使われてるからな」
「そうなんですね。」
「まぁ、なかなかこんな高級な馬車に乗る機会などないからね。貴重な経験だよ」
などと話していると馬車が止まる。
「どうやら着いたようだぞ。馬車を降りるぞ」
と言われ馬車を降りると目の前にある家を見て
「豪邸だ…すごいな」
と思わず呟くとそれを聞いたガルバードさんが
「まぁ、ここに住んでる人間がな…」
と明らかに何かがあるような口調でいう。
「そ、そうなんですね」
3人で玄関に向かう。馬車には家の前で待っといてもらうらしい。
すると玄関が開き誰かが出てくる。黒の髪に侍のような服装に腰には…日本刀。
「おーい!ガルバードさーん!エルジリアさんもだ!こっちこっち」
とこちらに手を振る男。
「あれがこの豪邸に1人で住んでる変人、ただし実力は確かの男だ」
とガルバードさんが少々嫌そうな顔をしながら言う。するとエルジリアさんも
「そうですね…彼はまぁ…」
と途中で言葉を濁す。
〜
家に入り、応接室に案内される。
そして今、僕の前で男はソファーに寝転がり
「君がステータスがバグってる子か〜。俺と同じだな。とりあえずよく来た」
それを見て
「………」
固まっていると
「おいおい、ひどいな〜。君なら年齢もたいして離れてなさそうだし、あっちの話が出来ると思ったんだけどね。」
と言われ
「あっちの話…?」
と聞き返すと
「もちろん、俺らがもといた世界のことさ」
「………」
どうやらこの男は何か知っているようだ。
Tips〈異世界転生者〉
森の迷い子の中にはステータスが文字化けし、見えなくなっている者がいる。
この世界とは別の世界からなんらかの理由で飛ばされる者がいる。
その人間のことをこの世界では〈異世界転生者〉と呼ぶ。
彼らには特別なスキルやステータス、適合を持っている者が多い。
過去に〈フルグラーレ〉という極悪非道の神を倒した勇者も〈異世界転生者〉という説もある。
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