この世界と君とそして
第三話「ラスカーシア家」
ゴブリンとシーラ•ラスカーシアと名乗る女の子との戦闘から数日がたった。
そして今、僕は
「マキ兄、にんじん食べてー!」
「マキ兄さん、目玉焼きちょうだい」
「マキくん、もっと食べてねー」
「ちょっとヒエカ、にんじん自分で食べるんだ!」
とシーラの家で朝ごはんを食べているのだがなかなかにカオスだ。
今ここにはシーラの家族、父母、兄妹が2人、そして僕。合計6人が朝ごはんを食べている。
ここで僕は森の迷い子として過ごしている。
朝ごはんを食べ終わり、2階の自分の部屋に戻る。この部屋はお客さん用の部屋だがお客さんが来ることなんてないから、ということで使わせていただいている。ベッドに横になり、考えをまとめることにする。
「行ってきまーす」
下からシーラの声が聞こえる。シーラは〈全術修練学校〉という学校の一年生らしい。
シーラは森の迷い子の保護とゴブリンとの戦闘のこともあり、昨日まで2日ほど休暇だったらしい。休暇といっても森の迷い子である僕に質問などいろいろしていて忙しそうだった。
しっかり休めているのか聞いたら「これくらい余裕です!全然平気ですよ!」と言っていたが
顔には隠しきれない疲れが浮かんでいた。と、そんなことを考えていると
「マキ兄、本読も!」
ノックもなくドアを開け、僕を本を読もうと誘ってくる女の子。
シーラと同じ青の瞳、そしてシーラとは違う水色の髪色。
明るい性格で元気いっぱいのシーラの2つ下の妹。ヒエカ•ラスカーシアだ。
ヒエカは最初は全く喋らない子だった(シーラいわく人見知りらしい)が今では一緒に本を読もうと誘ってもらえるくらいの仲にはなっている。
「マキ兄、本読むの好きなんでしょ?一緒に書庫行って読もうよ!」
「あぁ、いいよ」
どうやら昨日シーラに家の案内をしてもらった時に書庫で本を読んでたら、本を読むのが好きなのかとシーラに聞かれ、好きだと答えたことを覚えていたようだ。
「行こ行こ!」とドアから出て僕を呼ぶ。廊下に出て改めて思ったことだがこの家は広い。
書庫なんて普通の家にはないだろう。少なくとも僕の住んでた家にはなかった。
そんなことを思っていると
「どしたのマキ兄?」
と聞かれる。
「この家、大きいなと思って」
僕がそういうとなぜかヒエカは得意そうに
「そりゃそうよ。私の家は貴族なんだから。大きいに決まってるでしょ?」
「き、貴族だったのか」
貴族という言葉に驚きつつ言うと
「まぁ、貴族って言っても3級貴族だけどね」
どうやら貴族にも階級があるらしい。
「そうだったんだな」
そんなことを話していると書庫に着く。書庫もかなり広い。とりあえず適当に本を取り読んでみようとする。本を読もうと思ったのは文字がどうなのか確かめたかったのもある。本を開きそれを確かめる。日本語だ。読める。あとは内容か。本の内容に目を通そうしたが
「マキ兄、ちょっとこの本取って!」
と呼ばれ、本を机に置き、ヒエカのもとに行く。
「これこれ1番上のあの赤い本!あれ取って!」
確かに身長140センチほどのヒエカには届きそうにない。
「よっと」本を取る。〈初級魔法術書〉というタイトルを不思議に思いつつ渡す。
「ありがと!そうだ、マキ兄にいいもの見せたげる!来て」
ヒエカは本を机に置き、「えーっと」「どこだっけ」などと言いながら本を開く。
「あったあった!これなら簡単だし大丈夫なはず」
「マキ兄ちゃんと見ててね」
本の開いたページに手を当て、
「ブレイブ クリスタル レイド」
「イルミニス!!」
と呪文のような言葉を言い終わると同時にページから透明な水晶が浮かび上がりる。よく見るとほんのり光っているようだ。
「な、なんだこれ」
驚きしかない。これはまるで、
「魔法。魔法だよ。森の迷い子のマキ兄は知らないと思って」
「魔法…」
これは本格的に僕が知っている世界ではないことが証明されたと言っても過言ではないのではないのだろうか。
ゴブリンとシーラ•ラスカーシアと名乗る女の子との戦闘から数日がたった。
そして今、僕は
「マキ兄、にんじん食べてー!」
「マキ兄さん、目玉焼きちょうだい」
「マキくん、もっと食べてねー」
「ちょっとヒエカ、にんじん自分で食べるんだ!」
とシーラの家で朝ごはんを食べているのだがなかなかにカオスだ。
今ここにはシーラの家族、父母、兄妹が2人、そして僕。合計6人が朝ごはんを食べている。
ここで僕は森の迷い子として過ごしている。
朝ごはんを食べ終わり、2階の自分の部屋に戻る。この部屋はお客さん用の部屋だがお客さんが来ることなんてないから、ということで使わせていただいている。ベッドに横になり、考えをまとめることにする。
「行ってきまーす」
下からシーラの声が聞こえる。シーラは〈全術修練学校〉という学校の一年生らしい。
シーラは森の迷い子の保護とゴブリンとの戦闘のこともあり、昨日まで2日ほど休暇だったらしい。休暇といっても森の迷い子である僕に質問などいろいろしていて忙しそうだった。
しっかり休めているのか聞いたら「これくらい余裕です!全然平気ですよ!」と言っていたが
顔には隠しきれない疲れが浮かんでいた。と、そんなことを考えていると
「マキ兄、本読も!」
ノックもなくドアを開け、僕を本を読もうと誘ってくる女の子。
シーラと同じ青の瞳、そしてシーラとは違う水色の髪色。
明るい性格で元気いっぱいのシーラの2つ下の妹。ヒエカ•ラスカーシアだ。
ヒエカは最初は全く喋らない子だった(シーラいわく人見知りらしい)が今では一緒に本を読もうと誘ってもらえるくらいの仲にはなっている。
「マキ兄、本読むの好きなんでしょ?一緒に書庫行って読もうよ!」
「あぁ、いいよ」
どうやら昨日シーラに家の案内をしてもらった時に書庫で本を読んでたら、本を読むのが好きなのかとシーラに聞かれ、好きだと答えたことを覚えていたようだ。
「行こ行こ!」とドアから出て僕を呼ぶ。廊下に出て改めて思ったことだがこの家は広い。
書庫なんて普通の家にはないだろう。少なくとも僕の住んでた家にはなかった。
そんなことを思っていると
「どしたのマキ兄?」
と聞かれる。
「この家、大きいなと思って」
僕がそういうとなぜかヒエカは得意そうに
「そりゃそうよ。私の家は貴族なんだから。大きいに決まってるでしょ?」
「き、貴族だったのか」
貴族という言葉に驚きつつ言うと
「まぁ、貴族って言っても3級貴族だけどね」
どうやら貴族にも階級があるらしい。
「そうだったんだな」
そんなことを話していると書庫に着く。書庫もかなり広い。とりあえず適当に本を取り読んでみようとする。本を読もうと思ったのは文字がどうなのか確かめたかったのもある。本を開きそれを確かめる。日本語だ。読める。あとは内容か。本の内容に目を通そうしたが
「マキ兄、ちょっとこの本取って!」
と呼ばれ、本を机に置き、ヒエカのもとに行く。
「これこれ1番上のあの赤い本!あれ取って!」
確かに身長140センチほどのヒエカには届きそうにない。
「よっと」本を取る。〈初級魔法術書〉というタイトルを不思議に思いつつ渡す。
「ありがと!そうだ、マキ兄にいいもの見せたげる!来て」
ヒエカは本を机に置き、「えーっと」「どこだっけ」などと言いながら本を開く。
「あったあった!これなら簡単だし大丈夫なはず」
「マキ兄ちゃんと見ててね」
本の開いたページに手を当て、
「ブレイブ クリスタル レイド」
「イルミニス!!」
と呪文のような言葉を言い終わると同時にページから透明な水晶が浮かび上がりる。よく見るとほんのり光っているようだ。
「な、なんだこれ」
驚きしかない。これはまるで、
「魔法。魔法だよ。森の迷い子のマキ兄は知らないと思って」
「魔法…」
これは本格的に僕が知っている世界ではないことが証明されたと言っても過言ではないのではないのだろうか。
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