二次創作
【曲パロ】梅雨時、君が死んだ
#1
梅雨時、君が死んだ。
瑠衣と久々に会うと最初に言ったのは「久しぶり」でも「元気にしてた?」でもなく静かな声で淡々と
瑠衣 「昨日人を殺したんだ。」
梅雨時の夜、傘もささずに泣きながら全てどうでも良くなったかのように言い放った。
まだ夏が始まったばかりだと言うのにひどく震えていた。
こんな話で始まるあの夏の日の記憶だ。
瑠衣が殺したのは「探偵社に依頼してきた男」で瑠衣と俺との関係に気づき脅されたそうだ。
逃げるために肩を突き飛ばした。そしたら打ち所が悪く死んだらしい。
瑠衣 「もう、探偵社には居れないなぁ…」
瑠衣 「なんか全部がどうでも良くなっちゃった…ごめんね中也…私遠いところで死のうと思ってる。」
泣きながら、謝りながらも希望を失った瞳でそう言う瑠衣に俺は
中也 「なら、俺も連れてってくんねぇか?ニコッ」
瑠衣 「!!!!」
瑠衣は驚きながらも呆れた声で
瑠衣 「一緒に逃げよっか!!ニコッ」
とびきりの笑顔でそう言った。
次の日俺等は家にある必要な所持品を持って集合することにした。
中也 「財布にナイフ、一応携帯も持っていっておくか。」
必要なものは鞄に入れ要らないものは壊していこう。
ポートマフィアに入ったばかりの時に旗会と撮った写真も、ボスに貰った日記も今となったらもう要らない…
〜集合場所〜
瑠衣 「それじゃあ逃げよっか!」
人殺しの瑠衣と、そいつを救いたいと思ってしまうダメ人間の俺との旅が始まった。
瑠衣 「ふふ!!」
中也 「どーしたんだよ?」
瑠衣 「やっと逃げ出せたんだなぁって思って!」
中也 「そうだな…この狭い狭い世界から…」
ポートマフィアも探偵社の奴らも捨てて瑠衣と二人で。
中也 「誰もいない場所で二人で死のうぜニコッ」
瑠衣 「心中?w」
中也 「さーなw」
瑠衣 「なにそれwでも、こんな世界に価値なんてないもんね!」
中也 「……」
中也 「あんまり思い悩むなよ…人殺しなんてそこら中湧いてんだから。」
瑠衣 「……」
中也「瑠衣は何も悪くねぇよ」
瑠衣「…そーだね。」
[水平線]
結局俺等は誰にも愛されたことなんて無かった。
そんな嫌な共通点で俺等は昔から簡単に信じ合い偽りの愛というもので愛し合っていた。
ふと瑠衣の手を握った時あの日の微かな震えもおさまっていた。
瑠衣「ん〜?どーしたの?手なんか握って?」
中也「何でもねぇよ」
そんな他愛ない話をしながら線路の上を歩く。
二人で逃げればどこまでも行ける気がした。
今更怖いものは俺らには無かった。
額の汗も、落ちたメガネも今になったらどうでもいいさ。
瑠衣「あぶれ者の小さな逃避行の旅はまだまだ続くねニコッ」
中也「だなニコッ」
いつか夢見た誰にでも好かれる主人公なら。
瑠衣「汚くなった私達も救ってくれるのかな…?」
中也「そんな話やめようぜ…だって現実を見ろよ…」
瑠衣 「幸せのシの字もないもんね…!うん、今までの人生で十分思い知ったよ。」
中也「自分は何も悪くないと誰もがきっと思ってるんだよ…」
[水平線]
あてもなく彷徨う蝉の群れに水もなく揺れ出す視界。
迫り狂う鬼たちの怒号に馬鹿みたいにはしゃぎあう。
そんな日々が繰り返えされとある日ふと瑠衣がナイフを手に取った。
中也「瑠衣…?」
瑠衣 「中也が今まで傍にいたから此処までこれたんだ!!」
瑠衣 「だから、もう良いんだ。もう良いんだよ!!」
瑠衣 「死ぬのは私一人で良いんだ。」
どこまでも哀しげに、そして今まで一番生気の籠もった声で瑠衣は最後の言葉を放った。
瑠衣 「今まで愛してくれて有難う!!!中也は生きてね!!!」
そして瑠衣は首を切った。
まるで映画のワンシーンのようで、白昼夢を見ている気分になった。
中也 「瑠…衣…?」
紅葉 「中也!!!」
芥川 「中也さん!!」
太宰 「瑠衣ちゃん!!」
敦 「瑠衣さん!!」
姐さんや芥川、探偵社も続いて俺等の居場所を特定した。
それから時が立つのは早かった。
ただ暑い暑い日が過ぎてった。
ポートマフィアも探偵社の奴らも居るのに瑠衣だけが何処にもいない。
梅雨時、蒸し暑くなり始めるとあの日のことを思い出す。
俺はポートマフィアに戻ったが今でも瑠衣を探している。
なぁ瑠衣、言いたいことがあるんだ。
瑠衣の笑顔は
瑠衣の無邪気さは
頭の中を飽和している。
誰も、何も悪くねぇ…
瑠衣は何も悪くねぇ…
もういいよ、投げ出してしまおうぜ。
そう言ってやれなくて。
中也 「ごめんな…」
そうして俺は25回目の梅雨時、瑠衣と最後にいた海が綺麗に見える崖にあるたった一つのお墓に向けて死に際の瑠衣の言葉を思い出し笑顔で小さな声で呟く。
中也 「昔も今もこれからも愛してるニコッ」
『私も愛してる!!』
波の音とともに瑠衣の声が聞こえたような気がした。
fin.
瑠衣 「昨日人を殺したんだ。」
梅雨時の夜、傘もささずに泣きながら全てどうでも良くなったかのように言い放った。
まだ夏が始まったばかりだと言うのにひどく震えていた。
こんな話で始まるあの夏の日の記憶だ。
瑠衣が殺したのは「探偵社に依頼してきた男」で瑠衣と俺との関係に気づき脅されたそうだ。
逃げるために肩を突き飛ばした。そしたら打ち所が悪く死んだらしい。
瑠衣 「もう、探偵社には居れないなぁ…」
瑠衣 「なんか全部がどうでも良くなっちゃった…ごめんね中也…私遠いところで死のうと思ってる。」
泣きながら、謝りながらも希望を失った瞳でそう言う瑠衣に俺は
中也 「なら、俺も連れてってくんねぇか?ニコッ」
瑠衣 「!!!!」
瑠衣は驚きながらも呆れた声で
瑠衣 「一緒に逃げよっか!!ニコッ」
とびきりの笑顔でそう言った。
次の日俺等は家にある必要な所持品を持って集合することにした。
中也 「財布にナイフ、一応携帯も持っていっておくか。」
必要なものは鞄に入れ要らないものは壊していこう。
ポートマフィアに入ったばかりの時に旗会と撮った写真も、ボスに貰った日記も今となったらもう要らない…
〜集合場所〜
瑠衣 「それじゃあ逃げよっか!」
人殺しの瑠衣と、そいつを救いたいと思ってしまうダメ人間の俺との旅が始まった。
瑠衣 「ふふ!!」
中也 「どーしたんだよ?」
瑠衣 「やっと逃げ出せたんだなぁって思って!」
中也 「そうだな…この狭い狭い世界から…」
ポートマフィアも探偵社の奴らも捨てて瑠衣と二人で。
中也 「誰もいない場所で二人で死のうぜニコッ」
瑠衣 「心中?w」
中也 「さーなw」
瑠衣 「なにそれwでも、こんな世界に価値なんてないもんね!」
中也 「……」
中也 「あんまり思い悩むなよ…人殺しなんてそこら中湧いてんだから。」
瑠衣 「……」
中也「瑠衣は何も悪くねぇよ」
瑠衣「…そーだね。」
[水平線]
結局俺等は誰にも愛されたことなんて無かった。
そんな嫌な共通点で俺等は昔から簡単に信じ合い偽りの愛というもので愛し合っていた。
ふと瑠衣の手を握った時あの日の微かな震えもおさまっていた。
瑠衣「ん〜?どーしたの?手なんか握って?」
中也「何でもねぇよ」
そんな他愛ない話をしながら線路の上を歩く。
二人で逃げればどこまでも行ける気がした。
今更怖いものは俺らには無かった。
額の汗も、落ちたメガネも今になったらどうでもいいさ。
瑠衣「あぶれ者の小さな逃避行の旅はまだまだ続くねニコッ」
中也「だなニコッ」
いつか夢見た誰にでも好かれる主人公なら。
瑠衣「汚くなった私達も救ってくれるのかな…?」
中也「そんな話やめようぜ…だって現実を見ろよ…」
瑠衣 「幸せのシの字もないもんね…!うん、今までの人生で十分思い知ったよ。」
中也「自分は何も悪くないと誰もがきっと思ってるんだよ…」
[水平線]
あてもなく彷徨う蝉の群れに水もなく揺れ出す視界。
迫り狂う鬼たちの怒号に馬鹿みたいにはしゃぎあう。
そんな日々が繰り返えされとある日ふと瑠衣がナイフを手に取った。
中也「瑠衣…?」
瑠衣 「中也が今まで傍にいたから此処までこれたんだ!!」
瑠衣 「だから、もう良いんだ。もう良いんだよ!!」
瑠衣 「死ぬのは私一人で良いんだ。」
どこまでも哀しげに、そして今まで一番生気の籠もった声で瑠衣は最後の言葉を放った。
瑠衣 「今まで愛してくれて有難う!!!中也は生きてね!!!」
そして瑠衣は首を切った。
まるで映画のワンシーンのようで、白昼夢を見ている気分になった。
中也 「瑠…衣…?」
紅葉 「中也!!!」
芥川 「中也さん!!」
太宰 「瑠衣ちゃん!!」
敦 「瑠衣さん!!」
姐さんや芥川、探偵社も続いて俺等の居場所を特定した。
それから時が立つのは早かった。
ただ暑い暑い日が過ぎてった。
ポートマフィアも探偵社の奴らも居るのに瑠衣だけが何処にもいない。
梅雨時、蒸し暑くなり始めるとあの日のことを思い出す。
俺はポートマフィアに戻ったが今でも瑠衣を探している。
なぁ瑠衣、言いたいことがあるんだ。
瑠衣の笑顔は
瑠衣の無邪気さは
頭の中を飽和している。
誰も、何も悪くねぇ…
瑠衣は何も悪くねぇ…
もういいよ、投げ出してしまおうぜ。
そう言ってやれなくて。
中也 「ごめんな…」
そうして俺は25回目の梅雨時、瑠衣と最後にいた海が綺麗に見える崖にあるたった一つのお墓に向けて死に際の瑠衣の言葉を思い出し笑顔で小さな声で呟く。
中也 「昔も今もこれからも愛してるニコッ」
『私も愛してる!!』
波の音とともに瑠衣の声が聞こえたような気がした。
fin.
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