~参加型~窓
『6階につきました』という機械音が響いた―――
「こんにちは。朝に会って以来だね」
[漢字]茲[/漢字][ふりがな]ここ[/ふりがな]だ…
「新しいセカイをお望みかい?」
「うん。それと、聞きたいことがあるんだ」
「なあに?」
茲は、少しかわいらしい動作で首をかしげる。
「…ここって何階なの?」
私が聞いたとたんに、茲は驚いた顔をした。
「当たり前じゃん。6階だよ?」
「でも、私たちがエレベータに乗ったのは6階なんだよ?」
私はわざと大げさに困った顔をした。
「……じゃあ、教えてあげる」
茲は大きい窓の方を向いた。
「ここは、異界。現実界とは違うの」
茲の声は、すごくとがっているような気がした。
「異界…」
零がつぶやく。
「そう。異界の6階」
茲が振り向いていった。
「あなたは新しいセカイがほしいの?」
「…うん。ほしい」
セカイはほしいっていうものなのかな。
茲は、窓の場所をサッと開けてくれた。
「今回は、私が押してあげる!」
…………………え。
私達を押すの⁉突き落とすの⁉
いつの間にか、窓の前まで連れてこられていた。
あ。終わった☆
そのまま、私たちは空へと落とされたのだ。
[水平線]
「●●?」
………………………
「お~い!」
……………………………………………
「お~き~ろ!」
見ての通り、いま[漢字]僕[/漢字][ふりがな](れい)[/ふりがな]は、
●●を起こそうとしてます。
「ギャ⁉」
うわ⁉びっくりした。
すると、反対側から声が聞こえてきた。
「ねぇ、大丈夫?」
僕は声がした方を振り向いた。そこには、知らない女子が二人立っていた。
「あ。自己紹介しなきゃだね。私、[太字][大文字]白咲 ひめの[/大文字][/太字]!」
「私は[太字][大文字][漢字]若野 凪葉[/漢字][ふりがな]わかのなぎは[/ふりがな][/大文字][/太字]」
「それで、なんかあったの?廊下の真ん中に座ってると、すごく邪魔なんだけど」
ひめのさんと凪葉さんは一方的に話を進めてくる。
「あ…ごめん」
僕はそう言って●●を引きずりながら端に移動した。
「痛いよ!引きずらないで⁉」
●●は突然声を張り上げた。
「ご、ごめん…」
●●が[漢字]頬[/漢字][ふりがな]ほお[/ふりがな]を膨らませた。
そんなに痛かったのかな……
何をすればいいかわからないから、とりあえず1階に降りる。
[水平線]
僕は言葉を失った。
●●も固まってる。
そこには、大量の幽霊が――大量の幽霊と共に、誰かが立っていた。
「―――あの…誰ですか…?」
僕は勇気を振り絞って言った。
●●がみてくる。
「私は…私は、[太字][大文字][漢字]弛夢琳 あも[/漢字][ふりがな]たゆり あも[/ふりがな][/大文字][/太字]!あの、ここに大量の幽霊?がいるんだけど…何か知ってることがあったら教えてほしいです…」
なぜ最後だけ敬語?
「あー…ごめん。知らない。です」
「敬語じゃなくていいよ?」
君も言えないと思うんだが⁉
すると、廊下の奥から、ある声が響いた。
「あ~~!あもの嘘つき~~!」
声がした方を見ると、[漢字]さっきの二人[/漢字][ふりがな]白咲 ひめのと若野 凪葉[/ふりがな]が立っていた。
「あも、彼氏いないって言ってたのに~!男子と二人きりでしゃべってる!付き合ってたんだ!」
え?●●がいるから二人きりじゃな――あれ?●●がいない。
すると、トイレの方から元気な声が聞こえてきた。
「たっだいま~!あれ?なんかトラブってる?」
●●が首をかしげる。
僕は声を張り上げていった。
「●●がいなくなったからこうなったんだよ!」
[水平線]
ふ~ん。そういうことがあったのか。
私は零から話を聞くと、ひめのさんと凪葉さんの方を向いて頭を下げた。
「ごめんね!零はあもさんの彼氏じゃないと思うの!多分何かの勘違い!」
私はそういってあもさんの方を向いた。
あもさんはコクコクとうなずいている。
「…そうなんだ。てっきり二人で夜の学校でデートしてると思った。ごめん」
凪葉さんが誤ってくれた。
夜の学校でデートって、頭くるってる?
「……そういえば、あなたたちってここの学校の生徒?」
あ。
「違うよ?」
れ、零⁉それいっていいの⁉
私は零を見たまま固まった。
「ふ~ん。じゃあ、転校生とか!」
あもが手をたたいた。
すると、凪葉が話をさえぎって言った。
「もう帰らないと。バイバイ」
[水平線]
「……女子ばっかだったねぇ」
「うん」
零は前を向いたまま言った。
「じゃ。また明日」
「うん」
私は短い言葉を交わして、家へと帰ったのだった。
[水平線]
「こんにちは。朝に会って以来だね」
[漢字]茲[/漢字][ふりがな]ここ[/ふりがな]だ…
「新しいセカイをお望みかい?」
「うん。それと、聞きたいことがあるんだ」
「なあに?」
茲は、少しかわいらしい動作で首をかしげる。
「…ここって何階なの?」
私が聞いたとたんに、茲は驚いた顔をした。
「当たり前じゃん。6階だよ?」
「でも、私たちがエレベータに乗ったのは6階なんだよ?」
私はわざと大げさに困った顔をした。
「……じゃあ、教えてあげる」
茲は大きい窓の方を向いた。
「ここは、異界。現実界とは違うの」
茲の声は、すごくとがっているような気がした。
「異界…」
零がつぶやく。
「そう。異界の6階」
茲が振り向いていった。
「あなたは新しいセカイがほしいの?」
「…うん。ほしい」
セカイはほしいっていうものなのかな。
茲は、窓の場所をサッと開けてくれた。
「今回は、私が押してあげる!」
…………………え。
私達を押すの⁉突き落とすの⁉
いつの間にか、窓の前まで連れてこられていた。
あ。終わった☆
そのまま、私たちは空へと落とされたのだ。
[水平線]
「●●?」
………………………
「お~い!」
……………………………………………
「お~き~ろ!」
見ての通り、いま[漢字]僕[/漢字][ふりがな](れい)[/ふりがな]は、
●●を起こそうとしてます。
「ギャ⁉」
うわ⁉びっくりした。
すると、反対側から声が聞こえてきた。
「ねぇ、大丈夫?」
僕は声がした方を振り向いた。そこには、知らない女子が二人立っていた。
「あ。自己紹介しなきゃだね。私、[太字][大文字]白咲 ひめの[/大文字][/太字]!」
「私は[太字][大文字][漢字]若野 凪葉[/漢字][ふりがな]わかのなぎは[/ふりがな][/大文字][/太字]」
「それで、なんかあったの?廊下の真ん中に座ってると、すごく邪魔なんだけど」
ひめのさんと凪葉さんは一方的に話を進めてくる。
「あ…ごめん」
僕はそう言って●●を引きずりながら端に移動した。
「痛いよ!引きずらないで⁉」
●●は突然声を張り上げた。
「ご、ごめん…」
●●が[漢字]頬[/漢字][ふりがな]ほお[/ふりがな]を膨らませた。
そんなに痛かったのかな……
何をすればいいかわからないから、とりあえず1階に降りる。
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僕は言葉を失った。
●●も固まってる。
そこには、大量の幽霊が――大量の幽霊と共に、誰かが立っていた。
「―――あの…誰ですか…?」
僕は勇気を振り絞って言った。
●●がみてくる。
「私は…私は、[太字][大文字][漢字]弛夢琳 あも[/漢字][ふりがな]たゆり あも[/ふりがな][/大文字][/太字]!あの、ここに大量の幽霊?がいるんだけど…何か知ってることがあったら教えてほしいです…」
なぜ最後だけ敬語?
「あー…ごめん。知らない。です」
「敬語じゃなくていいよ?」
君も言えないと思うんだが⁉
すると、廊下の奥から、ある声が響いた。
「あ~~!あもの嘘つき~~!」
声がした方を見ると、[漢字]さっきの二人[/漢字][ふりがな]白咲 ひめのと若野 凪葉[/ふりがな]が立っていた。
「あも、彼氏いないって言ってたのに~!男子と二人きりでしゃべってる!付き合ってたんだ!」
え?●●がいるから二人きりじゃな――あれ?●●がいない。
すると、トイレの方から元気な声が聞こえてきた。
「たっだいま~!あれ?なんかトラブってる?」
●●が首をかしげる。
僕は声を張り上げていった。
「●●がいなくなったからこうなったんだよ!」
[水平線]
ふ~ん。そういうことがあったのか。
私は零から話を聞くと、ひめのさんと凪葉さんの方を向いて頭を下げた。
「ごめんね!零はあもさんの彼氏じゃないと思うの!多分何かの勘違い!」
私はそういってあもさんの方を向いた。
あもさんはコクコクとうなずいている。
「…そうなんだ。てっきり二人で夜の学校でデートしてると思った。ごめん」
凪葉さんが誤ってくれた。
夜の学校でデートって、頭くるってる?
「……そういえば、あなたたちってここの学校の生徒?」
あ。
「違うよ?」
れ、零⁉それいっていいの⁉
私は零を見たまま固まった。
「ふ~ん。じゃあ、転校生とか!」
あもが手をたたいた。
すると、凪葉が話をさえぎって言った。
「もう帰らないと。バイバイ」
[水平線]
「……女子ばっかだったねぇ」
「うん」
零は前を向いたまま言った。
「じゃ。また明日」
「うん」
私は短い言葉を交わして、家へと帰ったのだった。
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