- 閲覧前にご確認ください -

こちら、例によって拙作「ハーミット魔道学園は今日も事件だらけのようです。」と世界観を共有しています。
あなたの家のヤバい奴を連れてきて下さい。僕が喜びます。
一応、大規模な組織戦になる予定です。
そんで応募していただいたキャラでも死亡者&重症者が出るかもです。ご注意を。
おそらく、引っかからないギリギリの暴言・暴力etc…を攻めていく事になるので、そこも合わせてご注意下さい。
とか何とか言ってる割に僕はシリアスがド下手くそですので、更にご注意下さい。

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【大型参加型】魔法世界のアウトサイダー達は今日も大暴れしているようです。

#5

定例会議、或いは秩序の具現者達の平凡な日常

[明朝体] 閲覧制限──クリアランスLevel1以上。
抜粋対象──簡易議事録。
開始時刻──[漢字]一三〇〇[/漢字][ふりがな]ヒトサンマルマル[/ふりがな]。
記述担当──二等書記官、後崗皐月。

[小文字]⚠︎秘匿通信以外での閲覧は違法である。
⚠︎秘匿通信以外での閲覧は攻撃と見做す。
⚠︎クリアランス保持者以外に拠る閲覧は違法である。
⚠︎クリアランス保持者以外に拠る閲覧は攻撃と看做す。[/小文字][/明朝体]


[水平線]

[明朝体][中央寄せ][小文字]Level1クリアランス──認証。
秘匿通信──認証。
パスワード──⚫︎⚫︎⚫︎⚫︎-⚫︎⚫︎-⚫︎⚫︎⚫︎──アンロック。
閲覧制限──解除完了。[/小文字][/中央寄せ][/明朝体]


[水平線]

[明朝体] 全工程オールグリーン。
閲覧者を対象エージェントとして承認。
対象エージェントに情報の取得を許可する。[/明朝体]



[水平線]


 カツカツと厳格な足音を響かせて、大柄な白髪の男性が部屋に入ってくる。きらりと光る金の目の彼の名は[漢字]稲光[/漢字][ふりがな]いなみつ[/ふりがな] [漢字]一[/漢字][ふりがな]はじめ[/ふりがな]。あたしたちの__“長官”だ。
 ちなみに好物は寿司。いつも眉間にすっごい皺寄ってるけど、寿司食べてる時だけはちょっとだけ幸せそうに見える。

 まぁ、今は時間が無かったのか、カップラーメンのゴミを片手に持ってるんだけど。ビミョーに締まらないね、ホント。

 並び立つのはこれまたいつも通り、黒髪に赤メッシュの小柄な少年__まぁ正しくは中性なんだけど、ひとまず便宜上少年と書いておく__だ。

 彼らがこの街の地図を映したスクリーンの前に仁王立ちすると、少年__[漢字]弛夢琳[/漢字][ふりがな]たゆり[/ふりがな] [漢字]在最[/漢字][ふりがな]あも[/ふりがな]がパンパンと手を叩いて注目を促す。ただそれだけで、一気に場の雰囲気が締まるような感じがした。

 カタリと長官がゴミを机に置く音すら、ひどく大きく響いて聞こえる。

「是より、定例会議を開始する!」
「応!」

 名前の通り一直線で、毎度のように耳を劈きそうになる聞き慣れた長官の掛け声。それに応えるのは(ごく一部を除いて)やる気にあふれた、これまた聞き慣れた返事。
 そして見ての通り、書記官であるあたしこと後崗皐月は、その少々やる気のないメンバーの内一人だ。あーやだねぇ全く、むさくるしいったらありゃしない。

 まぁたしかに、クソみたいなマフィアから街を守るって任務は格好いいと思うけどね?
 だからってノータイムで命捨てられるほど、覚悟完了してる奴ばっかじゃないんだよ。
 特に、あたしらみたいな末端はさ。

 でも長官ってば、たまにその辺り分かってないところあるんだよねぇ……
 なんて(ちょっと失礼な)あたしの思案が誰かさんに届くハズもなく、いつも通りに会議は進んでいく。

「そんじゃ点呼だ!参謀、やれ。」
「えやだ。めんどい。」

 あ、出やがったよやる気ないメンバーその2が。あーあー、長官キレてるし。
 ……誰って?[漢字]オルディネ[/漢字][ふりがな]この組織[/ふりがな]一番のサボり魔、参謀のラヴァさんに決まってるじゃん。
 ちなみに言っとくけど、末端を含めたってサボり魔と言えるレベルなのはこの人ぐらいだからね。
 え、あたし?いや、少なくともあたしはちゃんと仕事はしてるし。

「ほう、却説は死にてえのか? なら、今すぐにでも介錯してやるが。」
「ぎゃあ、長官キレたぁ!? ハイハイやるってやりますって!」

 いや、うん。あの人ホントに参謀なの?って思うよね。大丈夫、あたしも思ってるよ。
 けどあんなんでもウチが誇る天才で、作戦に間違いなんてあった事がない。ホント、大したモンだよねぇ。あぁそうそう、ちなみに好きな物はズル休みらしいよ。なんなんだろ、コイツ。

「えー、んじゃ、長官に怒られたんで点呼しまーす。けどぶっちゃけ帰りたぁい! 三徹だよ俺!! ここ一カ月ぐらい家帰ってないよ!!! ちょっとぐらいサボらせて!!!!」
「ボクと長官はここに住んでるんだけどな。案外、住めば都だよ?」

 在最さんの言う事も聞かず(まぁこれは聞く方がどうかしてるかもだけど)に、「俺、結構頑張ってると思わない!? 仕事とか大っ嫌いなんだけど!?」なんて騒いでいるラヴァさんは、多分後ろの長官の表情に気づいてない。

 あ、いや気づいたね。遠いけど、絶対顔面蒼白なんだろうなって分かるぐらい引き攣った表情してる。

「良いからやれと言っているのが聞こえんのか、この阿呆!!」
「痛っ、ボーリョク反対!!」

 えーっと、たった今ゲンコツが落とされました。ラヴァさんは……うずくまってるね。けど、首周り引っ掴んで持ち上げられてる。
 ……この茶番も書いとかなきゃいけないのかな。正直、めんどいんだけど。

「長官、発言の許可を頂けますか?」
「…なんだ葉陽か。いいぞ。」

 ラヴァさんの胸ぐらを掴んだまま、首だけを向けて返答する長官。視線の先にいるのは[漢字]威月[/漢字][ふりがな]いつき[/ふりがな] [漢字]葉陽[/漢字][ふりがな]はよう[/ふりがな]さん……何かと血の気の多いウチの戦闘員達……もとい捜査一課……更に言えば花形……の課長だ。まぁ、平たく言えば第一幹部だね。

「これ以上無駄な会話が続くようでしたら僕は退室します。弟が今、任務に出ているので。」

 ちなみにこの人、とんでもない真面目だけどとんでもないブラコンだ。
 弟さん……威月 [漢字]酔夜[/漢字][ふりがな]よや[/ふりがな]さんは幹部候補生だし、十分すぎるぐらい強い(え、もしあたしが挑んだとしたらどうなるか?……うん、あんま考えたくないよね)のに、かなり過保護なんだよ。
 まぁそれだけこの人が強い…と、言えなくもないのかもしんないけどさ。

「あ、それじゃ私も帰ろうかなぁ。ちょうど今さっき、任務に出てた鰲海が帰ってきたみたいだし。尋問が待ってるからね。」

 それに乗っかるような形で発言したのは、この組織の情報部隊、捜査三課の課長(まぁつまり第三幹部だけど)のヴァイラさんだ。やる気がないのとはちょっと違うんだけど……
 あぁそうだ、この人は多分、任務とか団体行動に対する優先順位が低いんだと思う。会議の欠席とか、結構多いし。

 ちなみに、鰲海さんってのは密輸とかの取締担当である捜査二課の警官をまとめてる課長(つまり第二幹部)ね。ヴァイラさんも鰲海さんも、やっぱりどっちもすごく強い。でもそれ以上に、なんか怖いんだよね。

 ヴァイラさんは何考えてるか分かんない上に尋問(と言う名の拷問)とか好きだし、鰲海さんは良い人のはずなのに返り血被ってもにこにこ笑ってるからなんか不気味だし。

 というか……情報量、この短時間で多すぎじゃない?この定例会議でこんなに幹部が来る事、そうそう無いよね。当たり前だけど、皆んな忙しいしさ。
 あ、でも今日は警備隊の……捜査四課の課長さん(つまり第四以下略)はいないのか。まぁ、あの人もあんまやる気なさそうだし……

「……いや流夢、お前幹部だろ。時間に間に合ったんなら出ろって。」

 なんて思った矢先、呆れたような声と一緒に、後ろのドアを開ける音がする。
 顔を出したのは二人分の人影だった。片方は警備隊の幹部候補生、[漢字]成夜[/漢字][ふりがな]なりや[/ふりがな] [漢字]霧真[/漢字][ふりがな]きりま[/ふりがな]さん。って事は……

「面倒だな〜、僕正義とかあんま好きじゃないし、霧真が代わりに出といてよ。」
「そうもいかないだろ。ホラ、席に着けって。」

 やっぱり。

 うん、ごめん。訂正する。たった今来たよ、第四幹部の[漢字]海原[/漢字][ふりがな]うみはら[/ふりがな] [漢字]流夢[/漢字][ふりがな]るむ[/ふりがな]さん。ホント、噂をすればなんとやらだ。
 そう言えばなんかこの人も、色々と謎が多いんだよね。あとこれ、さっき書いたっけ?まぁいいや、この人もやる気ないメンバーの一人だよ。
 ……よくよく考えてみたら大丈夫なのかな、この組織。トップにやる気ない人が多すぎない?

「そっかぁ、人に任せるって手があったね。鰲海のとこは候補生すら出してないけど。ねぇ朱梨、私も帰って良いかなぁ?」

 そう言ってヴァイラさんは隣を見る。
 けど、横には既に誰も居なかった。

「……いない、な。」

 そう口火を切ったのは霧真さん。

「あ?莱崎の奴、何処に行きやがった……」
「長官の顔、怖っ。……あ、メモ残ってるじゃん。」
「えーっと……『めんどいんでパス』……嘘、そんなんアリか!? 俺頑張ってるのに!!俺、頑張ってるのにぃ!!」
「うるさ〜、ちょっと黙って。」

 そして続くのが上から順に、長官・ヴァイラさん・ラヴァさん・流夢さん。……あ、ラヴァさんが流夢さんに蹴られてる。なんかこの組織、No.2の扱いが雑すぎない?まぁ、皆んな慣れてるからそんなモンなのかな。

 ちなみに一応補足しとくと、莱崎さん……もとい[漢字]莱崎[/漢字][ふりがな]らいさき[/ふりがな] [漢字]朱梨[/漢字][ふりがな]しゅり[/ふりがな]さんは、ヴァイラさんのところの幹部候補生だよ。なんて言うか、無気力な人って感じ?割とあたしとは波長が合うかな。あたしよりよっぽど強いけど。

「はいはい、全員席に着いてよ。それで長官、今日は何するの?」

 あー、在最さんがついに呆れちゃったよ。まぁこの一連の流れ、明らかに茶番と化しちゃってるししょうがないけど。

 けどまぁ、あたしたちの日常なんてそんなもんか。

「ああ。悪いな在最。助かった。」
「ふふん、長官のためだからね! もっと褒めても良いんだよ?」

 満面の笑みの在最さんとは対象的に、眉を顰めて頬を掻く長官。

「餓鬼の褒め方なんざ知らねえんだが……」
「んー……じゃあボク、美味しい物食べたいな! そうそう、お寿司とか!」
「何だ、それぐらいなら何時でも構わねえぞ。後で頼んでおいてやる。」

 ……うちの長官はさ、普段は気も回るし勘も良いのに、こーゆー時に限ってホントにポンのコツだよね。

「……この人相手に、分かりにくい手段使ったボクがバカだったよ。」
「あ? 急に如何した、何か言ったか?」

 いや……うん。ちゃんと飯食えって言ってるも同義じゃん、こんなのさ。
 ま、この人正義馬鹿だから仕方ないけど。

「べっつにー。 ……えー、ゴホン!それじゃあ今度こそ、定例会議始めるよー!」

 やれやれ全く、こんな大騒ぎして一切進んでないとか、本当にしょうがないね。
 ま、だからこそ命掛ける覚悟が完全に決まってなくても、皆んなついついこの人に着いて行っちゃうんだろうけど。

「嗚呼そうだ。議題の前に一つ、捜査二課から報告がある。ヴァイラ、頼めるか。」
「はーい。」

 珍しいな、なんだろう?

「ん、資料資料……あった。
 最近、無認可のミョーな魔道具店の噂が広まってるよ。『確かに通った筈の路地を通っても辿り着けない』、だってさぁ。これは未確認情報だけど、異界にあるって噂も流れてるね。
 しかも厄介なコトに、人間界のネット上でも情報が広まり始めてる。人間の手に渡ったうちの幾つかは回収したけど……まだどれだけ残ってるかは、正直ちっとも分からないよ。めんどい。
 えーっとあとは…あぁそうだ。マフィアとの関連は今の所不透明だから、各々で注意しといてね。」

 そんな(割と間の抜けた)注意喚起から始まって、次に捜査二課から麻薬やなんかの密輸犯の話が出て、そのあと抗争での街の被害の確認があって……
 それから、数時間後。

 ……この後続くのは、本当にどうしようもない、書くのも躊躇われるような茶番だ。

 そう、まさか言論が盛り上がった末、最終的にはこの部屋ごと派手に爆発するだなんて……
 この時のあたしは、(当然だけど)まだ知らなかった。

 あれ?よく考えたらいつの間にか、点呼がすっかり忘れられている。
 まぁ良いか、あたしには関係ないし。

 そんな訳だからとりあえず、この議事録はこの言葉で締めるコトにする。
 「爆発オチなんてサイテー」ってさ。

作者メッセージ

説明しよう!
クリアランスLevel1とは!
勤続二年以上の警官に与えられる情報閲覧権限である!
クリアランスLevelは最大で5まであるぞ!
幹部と長官だけが見られる情報がLevel5だぞ!

というおふざけはさておいて。
更新遅くなってすみません。
全力でお詫びします。

あとめちゃくちゃ更新遅かった手前本当に申し訳ないのですが………
予約の方、出来る限り早くキャラシートを頂けないでしょうか………
次回も多分、こんな感じでマフィア側のキャラ紹介をやるので………

なお、まだまだ参加者は大募集中です。

追記:ピクルーでいただいた見た目が軒並みリンク切れしているので、
https://ja.imgbb.com/
を使って再送信して頂けると非常に助かります……

2025/07/22 22:08

Ruka(るか) ID:≫ 6plUcmQRaF.2Y
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