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こちら、例によって拙作「ハーミット魔道学園は今日も事件だらけのようです。」と世界観を共有しています。
あなたの家のヤバい奴を連れてきて下さい。僕が喜びます。
一応、大規模な組織戦になる予定です。
そんで応募していただいたキャラでも死亡者&重症者が出るかもです。ご注意を。
おそらく、引っかからないギリギリの暴言・暴力etc…を攻めていく事になるので、そこも合わせてご注意下さい。
とか何とか言ってる割に僕はシリアスがド下手くそですので、更にご注意下さい。

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【大型参加型】魔法世界のアウトサイダー達は今日も大暴れしているようです。

#4

小競り合いは薄暮れで

《side クロノス・ブラック》

「はぁ、はぁ……」

 もうホント、ふざけんなよ。どうなってんだよあいつ。攻撃が一切届かねぇ。魔法を放とうが、銃を撃とうが、剣で斬りつけようが、何一つとして通じねぇ。
 ああ、隣を走っていたヤツが転んだ。ちょうどいい、この馬鹿を始末するために、あいつはきっと少し立ち止まるだろう。少し、逃げられる希望が出たかもしれねぇ。
 けどオレの右足はほぼぐちゃぐちゃだし、残ってるのはオレも含めて二人、もうこれは絶望的かもしれねぇな。

 ただ、まだ死にたくない。まだ生きていたい。その一心で薄暮れの路地裏を駆ける。

 ああ、確かにオレは、悪いコトなんてたくさん、そりゃあもう数えきれないほどにしてきたさ。
 気に食わないヤツを踏み付けにして、マトモに生きてるヤツらを喰い物にして、生きてきたさ。
 反省する気なんて、一片たりとも持っちゃいねぇさ。そんなヤツは死んで当然、地獄行き。当たり前だ。

 でもオレはまだ死にたかねぇよ。自分の命が一番大事、そのためなら例え他のヤツがどうなろうと、オレの知ったこっちゃねぇ。

「あれ?なんで逃げるんすか?今更逃げても、もう無駄だと思うっすよ?あんた弱っちいんすから。どうせすぐ、死にますって。」

 ああそうだ、確かにオレは弱ぇ。
 それを知らないまま、目を瞑ったまま、今までマフィアの威を借りて、散々に盗んで奪って殺して陥れてきたよ。
 今の今までクソみてぇな事して、野良犬かなんかみてぇに生きてきた。
 神なんざ信じちゃいない、仲間なんて裏切るのが当然、大事なのは自分だけ、自分以外のヤツの命なんてどうでもいいって。
 いやむしろ、オレに利用されるためにあるんだってぐらいに思ってたよ。

 けど、オレは死にたくねぇんだよ。死ぬのは怖い、ただそれだけだ。

 ああクズだ、我ながら、呆れるぐらいのクズだとも。
 でもそれがどうしたよ。
 クズはクズなりに、楽しく生きて来たんだよ。
 小悪党は小悪党なりに、色々考えて生きて来たんだよ。

 そう、だってのに…

「くっそ、どうなってやがんだよ!この…」

 化け物が!

 そう叫ぼうとした言葉が形になる前に、敵の持つ長い鎖と、それについた鉄球がが横を掠める。見ると、隣を走るラスト一人が殺されていた。
 自慢の長い金髪も、サファイアのようだと褒められた目も、気に入っていた真っ白いスーツも、全部全部真っ赤なぐちゃぐちゃの、ただのゴミに変わっている。

「む、意外と手こずったっすね。力加減ミスって殺しちまった。」

 そう言う黒髪の男の標的は、もうオレしか残っちゃいねぇ。

「う、うあ、うわぁ!!!!」

 こんな状況でマトモな言葉が出るわけもなく、それでいてどこかに冷静さを残した頭で死を実感した。

 目の前の化け物に、背を向けて走る。しかし、瞬きする暇すらもなく、そいつはオレの目の前に立っていた。

「あー、うん。よし、これなら捕まえられそうっすね。良かった良かった。ヴァイラに怒られずにすむっす。」

 目の前の化け物はにかりと笑っている。そいつの黒い髪に青黒い目と、返り血との不気味なコントラストが、妙に似合って見えた。

 けれど、オレは死にたくない。ただその一心で、相手に交渉を持ちかける。例え受け入れられずとも、数秒の延命になると期待して。

「やめろ、辞めてくれ!金なら出す、いくらでも出す、だから…」
「そっすか。でもあんたを生かすか決めるの、俺じゃねぇんすよね。俺は嬲ったりしませんし、大人しく捕まってもらえねぇっすか?」

 重たい絶望は、足先から冷えていくような感覚、今まで殺してきたヤツらの怨嗟の声…そう言ったものとごた混ぜになってオレを襲う。

 しかしその直後、頭上から背の高い人影が降ってきた。コレだからザコをヒノ様の部下にしたくなかったんだ…という、ぼやきの混じった声が響く。

「おいてめー、もう大丈夫だぜェ。ヒノ様に命令された以上、ボク様がてめーをたすけてやるからよォ。」

 長い黒髪が揺れる。こんな薄暗い裏路地には到底場違いな、一般人めいた格好。目の前で翻る長いベージュのコートには、見覚えがあった。
 彼の名前はクイ・オーダー。オレら、[漢字]宝石[/漢字][ふりがな]ジェンマ[/ふりがな]を率いる、ヒノ・マインド幹部の副官だ。

「おっとと。ボスのお出ましってヤツっすね?楽しそうな展開っす。そうだ、あんたの名前聞いても良いっすか?」
「はァ?名乗るならまずはてめーからだろうが。そもそも、ボク様がボスなワケがないだろォ?この世にはもっともっと、ボク様なんて足元にも及ばねェぐらいに尊いお方がいるんだぜェ?」

 その反応にきょとんとした表情になったそいつは、からからと笑い出した。

「なるほどそっすか。確かにそっすね。俺の名前は[漢字]鰲海[/漢字][ふりがな]ごうかい[/ふりがな]っす。これでも警察の幹部っすよ。よろしくっす。」

 ははは、なんだこいつ、警察の幹部かよ…そりゃ、化け物なのも納得だ。
 あーあ、あいつらまだ幸せだぜ。幹部に追われてたなんて、知らずに死ねたんだから。
 オレはもう、この人達の強さを知っている。いや、知ってしまった。
 確実に巻き込まれて死ぬんだろうな、と、頭が、体が、問答無用で理解する。

「あーちなみに。ボスってのはそっちの偉い人じゃなくて、ゲームの話っすよ。やったコト、ないっすか?」
「そんな話、今はしてねェんだよなァ…さてはこいつ、バカじゃねェか?」

 呆れたような溜息のあと、てめーはジャマだしさっさと帰っとけ、とだけ言い、クイさんはオレの首根っこを引っ掴んで上空に放り投げた。
 助かった…のか?

「弱っちいやつ、巻き込まないようにはするんすか?あんた、意外と仲間思いなんすね。」
「いやソレも大分違ェんだよなァ…まァいい、てめーが戦うってなら、相手してやるぜェ。」

 んじゃ、そーしましょうか。

 鰲海とか言った化け物はそう言うが早いか、手に持った鎖を振り回す。対するクイさんは愛用のマチェーテを取り出して、思い切り相手に斬りかかる。
 互いに一歩も引けを取らない戦いで、オレらを追っていた時のあいつは、本気など一割も出していなかったのだと実感させられた。

 そしてオレは今、それを上空から強制的に見させられている。落ちる恐怖と、助かった安堵に同時に苛まれながら。
 とは言え落ちる前にはちゃんと、オレと同じ[漢字]宝石[/漢字][ふりがな]ジェンマ[/ふりがな]の構成員が運転するヘリに回収された。

 クイさんが飛び降りてきたらしいそのヘリに乗り込んだ時には、度重なるストレスによるものなのかオレは既に意識を失っていた。


[中央寄せ][大文字][大文字]× × ×[/大文字][/大文字][/中央寄せ]

 目が覚めるとそこはベッドの上で、長い黒髪をポニーテールにまとめた美少女が目の前でにこにこと笑っていた。

「…起きた?起きたのね?」
「あ、あぁ…って、誰だよあんた。」

 そう言いながらも、大きなエメラルドグリーンの瞳に映るオレを見て驚く。
 傷が残ってない。よくよく考えてみると、肉すら見えていたハズの足の痛みももう感じない。
 マジで完全に完治してるぜ。ホントにどうなってんだ?

「きらるは[漢字]剣持[/漢字][ふりがな]けんもち[/ふりがな]きらる、なのよ!治してあげたのもきらるなのね!とぉっても、いい子でしょう?」

 ああそうかよ、こんなガキ…いや、ガキ!?なんでこんな所にガキがいやがるんだよおい。オレはガキなんて大っ嫌いなんだよ。

「なんでも何も、きらるがお医者さまだからよ?それから、きらるはこれでも15歳なのよ!ばかにしないでほしいのねっ!」
「ハン、やっぱガキじゃねぇか。帰れ帰れ、お呼びじゃねぇんだよ。」

 あーあーまったく、今日マジで厄日じゃねぇか…化け物みてぇな幹部に追われるわ、妙なガキが医者やってるわ……

「むー!治してあげたんだから、お礼ぐらいは言うべきなのよ!あなたはとっても悪い子ねっ!!」

 いや知らねぇよ。
 つーか30近いマフィアの構成員捕まえて言う事がそれかよ、くっだらねぇ。
 うっわ、しかもまとわりついて来やがるぜこいつ。

「はいはいそうかよありがとさん。じゃあな。」
「むふー!でも、もう来ないようにするのよ?死んだらそれでおしまいなのね!」

 ったく、気晴らしにカジノでも行くか。
 そういやあいつらの持ってた金とかブツ、まだあの路地裏に落ちてんのか?
 だとすりゃ、勿体ねぇ事したな…

作者メッセージ

鰲海、クイ・オーダー、剣持きらるが登場しました。

これはバンバンとオリキャラぶち込んで行きます。
今回の一人称視点であるクロノスも一応僕のオリっすね。
まだ我が家入りさせられるレベルまでキャラかっちり決まっちゃいないんですが。

これはほぼプロローグみてぇなモンっすけど次回は多分刑事側の視点の予定です。

予約いただいている方は早めにお願いします!!
特に幹部の方!!!マジで!!!!

2025/02/15 12:40

Ruka(るか) ID:≫ppOwyaLqNDBvA
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