用済み英雄と便利屋さん
「はい!?」
一拍置いて思わず大きな声で叫んでしまった。
い、今なんて…??
「じゃっで、わ、私ん彼氏になって欲しゅうて…」
(だから…わ、私の彼氏になって欲しくて…)
聞き間違いかと自分の耳を疑ったが、間違いじゃ無かった。すがるような目で、隣の悠さんを見る。
けれど悠さんは、何処か面白そうな目つきで僕を見ていた。口の端が上がっている。
「えっと、な、何でストーカーひがっ、被害で彼氏になっ、なるんですか?」
気が動転して舌が上手く回らない。
「新しか彼氏が出来たや、元カレも諦むっち思うて。あっ、ほんのこて彼氏にならじだいじょっじゃ!」
(新しい彼氏が出来たら、元カレも諦めると思って。あっ、ホントに彼氏にならなくて大丈夫です!)
その言葉を聞いて、ホッと安心し脱力した。
あくまで彼氏の[太字]ふり[/太字]をすれば大丈夫なのだ。ここは悠さんに任せて貰おう。チラリと横を見る。
あれ……?
悠さんの目がキラキラと光るようにして見ている。
「すまないヒロト君。私は生憎女性の扱いには慣れていなくてね。」
え……?
「いやいやいやいや!?僕なんかのモブよりイケメンの方が彼氏になった方が良いですよ!?」
「いやだなぁ。ヒロト君。イケメンだなんてもしかして私の事かい?」
手を顎に押し当て、決めポーズを決める悠さん。このまま押せばいけるか、と思った淡い思いは次の言葉で一刀両断された。
「でも今回はすまないね。私も他に依頼が入っているんだ。」
「えっ…」
そんなの聞いていない、と言う前に終わったらまた事務所に戻ってきてね。と言われ、出て行ってしまった。
どうしよう。僕は思わず頭を抱える。今まで魔王を倒す事だけに集中していた僕は、女性に免疫すら無いのだ。
残されたのは僕とリリィさん2人。リリィさんは心配そうに僕の方を見ている。
このままじゃ彼女を傷つけてしまう。女性への免疫がない僕でも分かる。何か、何か言わなくちゃ。
「良かったらしょっ…商店街とか行きませんか!?」
デートと言われ、連想されるのはショッピングモールや映画館。が、異世界の世界にそんなモノがあるわけでも無いため、必死に考えた結果、町の中央にある商店街だった。
「い、良かと!?」
(い、良いんですか!?)
途端ぱあっと顔色が明るくなる。にこやかな笑顔を見て僕は安心した。とりあえず、悠さんには帰ってきた瞬間文句の一つや二つを言ってやろう。
ぎゅ、と拳を握り締めた後、彼女を連れて外に出た。
一拍置いて思わず大きな声で叫んでしまった。
い、今なんて…??
「じゃっで、わ、私ん彼氏になって欲しゅうて…」
(だから…わ、私の彼氏になって欲しくて…)
聞き間違いかと自分の耳を疑ったが、間違いじゃ無かった。すがるような目で、隣の悠さんを見る。
けれど悠さんは、何処か面白そうな目つきで僕を見ていた。口の端が上がっている。
「えっと、な、何でストーカーひがっ、被害で彼氏になっ、なるんですか?」
気が動転して舌が上手く回らない。
「新しか彼氏が出来たや、元カレも諦むっち思うて。あっ、ほんのこて彼氏にならじだいじょっじゃ!」
(新しい彼氏が出来たら、元カレも諦めると思って。あっ、ホントに彼氏にならなくて大丈夫です!)
その言葉を聞いて、ホッと安心し脱力した。
あくまで彼氏の[太字]ふり[/太字]をすれば大丈夫なのだ。ここは悠さんに任せて貰おう。チラリと横を見る。
あれ……?
悠さんの目がキラキラと光るようにして見ている。
「すまないヒロト君。私は生憎女性の扱いには慣れていなくてね。」
え……?
「いやいやいやいや!?僕なんかのモブよりイケメンの方が彼氏になった方が良いですよ!?」
「いやだなぁ。ヒロト君。イケメンだなんてもしかして私の事かい?」
手を顎に押し当て、決めポーズを決める悠さん。このまま押せばいけるか、と思った淡い思いは次の言葉で一刀両断された。
「でも今回はすまないね。私も他に依頼が入っているんだ。」
「えっ…」
そんなの聞いていない、と言う前に終わったらまた事務所に戻ってきてね。と言われ、出て行ってしまった。
どうしよう。僕は思わず頭を抱える。今まで魔王を倒す事だけに集中していた僕は、女性に免疫すら無いのだ。
残されたのは僕とリリィさん2人。リリィさんは心配そうに僕の方を見ている。
このままじゃ彼女を傷つけてしまう。女性への免疫がない僕でも分かる。何か、何か言わなくちゃ。
「良かったらしょっ…商店街とか行きませんか!?」
デートと言われ、連想されるのはショッピングモールや映画館。が、異世界の世界にそんなモノがあるわけでも無いため、必死に考えた結果、町の中央にある商店街だった。
「い、良かと!?」
(い、良いんですか!?)
途端ぱあっと顔色が明るくなる。にこやかな笑顔を見て僕は安心した。とりあえず、悠さんには帰ってきた瞬間文句の一つや二つを言ってやろう。
ぎゅ、と拳を握り締めた後、彼女を連れて外に出た。
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