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用済み英雄と便利屋さん

#2


魔王を倒したという報告をすると、国民や王様は声を上げて喜んだ。
王様はその日を「英雄の日」と定め、盛大なパーティーをして魔王討伐を祝った。
そんな日から数年後――
勇者は、役立たずと成り果てた。
魔王軍が壊滅し、魔物すら現れなくなった今、勇者
はもはや用済みとなってしまったのだ。転職をしようかと何回も悩んだが、今まで剣しか振るって来なかった大翔は他のことは何も出来なかったのだ。
国民の態度も180度変わってしまった。

「あ、びんぼーゆうしゃさんだ」
「っ、え?」
まだ10歳にも満たしていないであろう男の子が僕に向けて放った言葉。
「あのね、おかーさんが」
その言葉を遮るかのようにその子の母親の手が男の子の口を塞いだ。
「……ごめんなさいね」
そう一言言い残し、そそくさと離れていく親子。

そっ……か。もう用済みなんだ。国民にも、王様にも誰からにも必要とされてないんだ、僕は。
魔王を倒して平和になったこの国に勇者という役割は必要ない。
……こんなことなら、魔王を倒すんじゃ無かったな。これからどうして過ごせば良いのだろうか。

勝手に召喚されて自尊心を傷つけられ、煙たがられて。こんな有り様酷くないか。
つ、とひとしずくの水が頬を伝う。1度流れた水は止めどなく流れ続け、相羽の頬を何度も濡らした。
もう終わりにしようかな、何もかも。ぽろぽろと涙をこぼしながら自害しようかと考えていたそんな時。頭の上から声がした。


「退屈かい?少年。」

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2024/11/21 23:38

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