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用済み英雄と便利屋さん

#1


『異世界転生』
この言葉を聞いたら誰でも、特に黒歴史製造期の中学2年生が聞いたら必ずと言っていいほど興奮するであろう憧れの展開。皆、1度はこの展開を妄想したり、俺が作った最強のキャラなどをノートの端っこにつづったりしなかっただろうか。否、自分もそう言う類の人間だったわけで。
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相羽大翔(あいばひろと)。中学3年生の頃、自室でネトゲをしてた最中に異世界転生された。
転生されて初めて見た光景は、髭をたっぷりと蓄えた王様らしき人物と、その王に寄り添うように座っているお妃様のような人が僕を見下ろしている状態だった。
「良かった、成功したぞ!」
「このお方が勇者様……?」
「流石王様だ」
周りにいる傭兵の喜ぶ声が聞こえる中、僕1人はその状況が飲み込めずにわたわたと焦っていた。
「お主には魔王を倒してもらう」
静かに口を開いて王様が僕に放った言葉。
これが物事の全ての始まりだった―――
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お約束の設定。お約束の言葉。お約束のキャラ達。
全てが異世界モノの王道展開だった。
でも僕は、剣を一生懸命に振った。うじゃうじゃと出てくる魔物をなぎ倒し、魔王軍に支配されていた村を救い、王様に言われた使命を全うした。勇者として、1国の希望の光として。そして魔王城での1戦のとき―――
つば競り合いの最中、魔王が作ったほんの僅かの隙を見逃さず、剣で胸元を1突き。この世の者とは思えないほどの叫び声を残して魔王は消滅した。
僕は、僕は遂に魔王をやっつけたんだ。
僕は世界を救ったんだ。

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作者メッセージ

新しくアイデアが降ってきたので書いた作品です。温かい目で見守っていて欲しいです。

2024/11/21 22:21

なつめ ID:≫.pAs0Q6TnkFRY
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