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おばけ

#1


「突然だけど、僕、おばけになっちゃった。」
まあ、急にそんなこと言われても「は?」って思うんだろうけど、僕もまだ実感わいてないだ~…
何でそうなったって?うーんとね、僕ある「用事」で路地裏通っていたんだけど、その時に急に、後ろから誰かに刺されたんだ。いや~びっくりしたよ~…そんで、すぐに力が抜けて倒れちゃって~体が熱くなって~ヒュー…ヒュー…っていう息しかできなくなってきてね!そんな状態の僕の近くに 刺してきた人がしゃがんできてこういったんだ、

[中央寄せ]​「生きたいか?」[/中央寄せ]

って、笑えて来るよねー!!だってさ、刺してきた側がそんなこと言ってるんだよ?でさ?僕この後予定あるから「うん。」っていったんだ。そしたらね、その人が

[中央寄せ]「分かった、まあ、いつも通りの生活には戻れんがな」
[/中央寄せ]
​って言って僕の心臓にザックっとさして、真っ暗になったんだ。
そんで今に至るってわけさ。その人はもうどっか行っちゃった。
僕はね、お化けにはなったんだけど「そっち」の世界にも干渉できるし、しゃべれるし、見た目も大体同じだし、他の人にも見える!死んだけどほぼ生きてるんだよね~あの人の言うとおりだね。もう用事は終えたし予定もない。つまり暇!というわけで君に話しかけているのさ。
ん?質問したいことがある?しょーがないなー、お化けの僕が答えてあげよう!一つ目!

​「用事」ってなに?

​んーとね、まあ仕事っていうかバイトなんだけどもね。世間でいう、闇バイトっていうやつだね!もーそんな怖い顔しないでよ~。生きるためにお金は必要でしょ?仕事内容は単純。死体を洗って、部位ごとに分けて、分けたのをまた洗うのさ。そこはいつも人手不足だし、報酬もほかのところに比べてお高いし、よく行ってるんだ。じゃあ次!

​なんでお化けって気づいた?

​あー言ってなかったねー、僕目覚める前に水みたいなひんやりした液体みたいなところに浮いて、ゆらゆらしてた感じだったんだ。死と生の間みたいな?そこで脳内でなんか聞こえるなー
って思ってちょっと気を付けて聞いてみたんだ。そしたらね、

​バイバイバイバイバイバイバイ…

​って聞こえてきて、そのことが分かった瞬間、たくさんの手?みたいなやつに下のほうに引っ張られたんだ。でも、対抗することもできなくてさー、そのまま沈んで、目覚めたんだぁ。そんで、僕、立ってる状態で目覚めて、下の方見たら僕の死体があって、

​「あー僕本当に死んだんだ」

​って思って、初めてお化けってのを認識したんだ。
…でさ、僕、君の質問に答えたよね?じゃあ、僕の質問にも答えてくれるかな?まず、君なんで…

​自分の背中に刃物を隠してるの?

​気づかないとでも思った?そんな怖い顔しないでよ。あと、

僕が、「あの人」、「その人」、「刺した人」っていうたびに表情がほんの少しこわばるのは何で?

僕の予想は当たっているのかなぁ。じゃあ、最後の質問。

​君は、「刺した人」で「その人」で「あの人」だね?――――――


[中央寄せ][明朝体]昨日未明、先日行方不明になっていた佐藤 御茶さんがビルの屋上で発見されました。[/明朝体][/中央寄せ]

[明朝体][中央寄せ]佐藤さんの近くにはほかの遺体もあったようで…[/中央寄せ][/明朝体]

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作者メッセージ

こんにちわ。
自分元々短編カフェで活動してたんですけど、その時に上げてた一話小説です。空白とかいつもと違いますがそれもそれで…って感じに受け取ってもらえると嬉しいです。では

2024/11/21 10:12

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