誠と偽りの狂情曲【コメントください】
黄夏視点
媒電通りから帰り、一夜が明けた。
黄夏「最近、あの天使の噂、聞かなくなりましたね」
レイル「天使の噂って…
人の心の脆弱な部分を煽り、絶望の底に墜として笑う天使の?」
黄夏「なんでそんな細部まで覚えてるんですかw」
あの時、ディーテと一緒に帰っていったアカツキ。
わたしはあの子が、その噂の…
「『これも物語を面白くするため』と言い、
人々の心の脆弱な部分を煽り、絶望の底に墜として笑う天使」
だったのかな…と思った。
でも、少しおかしい。
アカツキが「物語」なんて言葉、口にした所を見たことがないんだ。
じゃあ、いったい誰が…
黄夏「謎だ…」
[水平線]
ソプラノ視点
ソプラノ「…そのロザリオ、無理に付けてる必要はないんじゃないか?」
アルト「…いや、なんとなく…
…やっぱ、どこまで行っても「神に認められた証」なわけだし…つけとくべきかなって。」
ソプラノ「…アルト」
___[明朝体]ソプラノは、何も出来ねぇんだな。[/明朝体]
ソプラノ「…アルトがとっくに、私に思っていることだろうけど…」
アルト「はっ…?」
ソプラノ「私は、アルトがいなければなんにもできない。」
ソプラノ「そんな私が、なんでもできるアルトの横に並んでいる。」
ソプラノ「いつかくる幸せを信じてるだけの、空っぽの人間なんだ。」
アルト「…そんな、こと…」
ソプラノ「なぁ、アルト。」
ソプラノ「[太字]これが私だよ。[/太字]」
アルト「…違うだろ…ソプラノは、そんなやつじゃ…」
ソプラノ「教えてくれ」
ソプラノ「こんな弱い私が守れるものじゃないだろうけど、本当のアルトを…。」
アルト「…弱いって…空っぽだって…」
アルト「本当のソプラノは、そうじゃねぇんだよぉっ!」
ソプラノ「っ…だから…」
アルト「そんな風に抱え込んでたこと、オレはこれっぽっちも知らなかった。」
アルト「知らなかったんだよ…!」
アルト「…オレは、誰の気持ちにも寄り添えない。」
アルト「家出踏み込めるぐらい、強いソプラノを、ずっと弱いって決めつけて世話してた!!」
ソプラノ「…」
アルト「…[太字]全部、もう離れてほしくなかったからっ…[/太字]」
アルト「[太字]オレが放っておいたせいで、死んじまったマカロンみたいに…[/太字]」
アルト「[太字]ソプラノにそんな消え方…されたくなかったから…![/太字]」
息をしゃくりあげて、泣き声で話すその姿に。
前は「いつか」と逃げたけど。
もしかしたら、今なら…その縺れた不安を解けるかもしれないから。
ソプラノ「…安心してくれ」
ソプラノ「アルトが勝手に私を世話したんじゃない。
私がアルトに頼ったんだ」
アルト「っ…」
ソプラノ「…一人では、生きていけないから…」
ソプラノ「気持ち悪いかもしれないがね」
ソプラノ「…私はアルトを、離す気はないよ…」
アルト「…っぁっ」
アルト「…ふは、馬鹿だ、オレ。」
アルト「アカツキに暴かれそうになった時は、ソプラノにバレたらこの世の終わりだって震えたのに…」
アルト「自分から誠実にも、明かすなんてな」
ソプラノ「…そっか。」
ソプラノ「私も、こんな自分明かすつもりはなかったよ…
…アルトを救うとか、偉そうに言ってたのにな」
ソプラノ「なぁアルト。…[太字]今、幸せかな?[/太字]」
急に聞いてしまって、自分でも少し焦る。
…でも
アルト「なんだそれ…気持ち悪。」
アルト「…[太字]幸せじゃなきゃなんなんだよ。[/太字]」
君は
答えてくれるんだね。
…
視界の端っこ、短剣のアクアマリンが…[太字]輝きを失った。[/太字]
[水平線]
レイル「…はぁ」
___なんだ…仲間になりたいならそう言いなさいよ。
人手が多いのは嬉しいし、採用したら?黄夏ちゃん。
___まぁまぁ、やる気はある子みたいだし…
___私も…シエルみたいな、ありのままの完成形になれるの?
バカだ、私。
[漢字]あんな子[/漢字][ふりがな]アカツキくん[/ふりがな]なんか信じて。
挙句妹を妬んで、神頼み。
レイル「…つくづく最低ね」
やっぱり、お母さんは正しかったんだ。
レイル「私は…」
”失敗作”なのね。
媒電通りから帰り、一夜が明けた。
黄夏「最近、あの天使の噂、聞かなくなりましたね」
レイル「天使の噂って…
人の心の脆弱な部分を煽り、絶望の底に墜として笑う天使の?」
黄夏「なんでそんな細部まで覚えてるんですかw」
あの時、ディーテと一緒に帰っていったアカツキ。
わたしはあの子が、その噂の…
「『これも物語を面白くするため』と言い、
人々の心の脆弱な部分を煽り、絶望の底に墜として笑う天使」
だったのかな…と思った。
でも、少しおかしい。
アカツキが「物語」なんて言葉、口にした所を見たことがないんだ。
じゃあ、いったい誰が…
黄夏「謎だ…」
[水平線]
ソプラノ視点
ソプラノ「…そのロザリオ、無理に付けてる必要はないんじゃないか?」
アルト「…いや、なんとなく…
…やっぱ、どこまで行っても「神に認められた証」なわけだし…つけとくべきかなって。」
ソプラノ「…アルト」
___[明朝体]ソプラノは、何も出来ねぇんだな。[/明朝体]
ソプラノ「…アルトがとっくに、私に思っていることだろうけど…」
アルト「はっ…?」
ソプラノ「私は、アルトがいなければなんにもできない。」
ソプラノ「そんな私が、なんでもできるアルトの横に並んでいる。」
ソプラノ「いつかくる幸せを信じてるだけの、空っぽの人間なんだ。」
アルト「…そんな、こと…」
ソプラノ「なぁ、アルト。」
ソプラノ「[太字]これが私だよ。[/太字]」
アルト「…違うだろ…ソプラノは、そんなやつじゃ…」
ソプラノ「教えてくれ」
ソプラノ「こんな弱い私が守れるものじゃないだろうけど、本当のアルトを…。」
アルト「…弱いって…空っぽだって…」
アルト「本当のソプラノは、そうじゃねぇんだよぉっ!」
ソプラノ「っ…だから…」
アルト「そんな風に抱え込んでたこと、オレはこれっぽっちも知らなかった。」
アルト「知らなかったんだよ…!」
アルト「…オレは、誰の気持ちにも寄り添えない。」
アルト「家出踏み込めるぐらい、強いソプラノを、ずっと弱いって決めつけて世話してた!!」
ソプラノ「…」
アルト「…[太字]全部、もう離れてほしくなかったからっ…[/太字]」
アルト「[太字]オレが放っておいたせいで、死んじまったマカロンみたいに…[/太字]」
アルト「[太字]ソプラノにそんな消え方…されたくなかったから…![/太字]」
息をしゃくりあげて、泣き声で話すその姿に。
前は「いつか」と逃げたけど。
もしかしたら、今なら…その縺れた不安を解けるかもしれないから。
ソプラノ「…安心してくれ」
ソプラノ「アルトが勝手に私を世話したんじゃない。
私がアルトに頼ったんだ」
アルト「っ…」
ソプラノ「…一人では、生きていけないから…」
ソプラノ「気持ち悪いかもしれないがね」
ソプラノ「…私はアルトを、離す気はないよ…」
アルト「…っぁっ」
アルト「…ふは、馬鹿だ、オレ。」
アルト「アカツキに暴かれそうになった時は、ソプラノにバレたらこの世の終わりだって震えたのに…」
アルト「自分から誠実にも、明かすなんてな」
ソプラノ「…そっか。」
ソプラノ「私も、こんな自分明かすつもりはなかったよ…
…アルトを救うとか、偉そうに言ってたのにな」
ソプラノ「なぁアルト。…[太字]今、幸せかな?[/太字]」
急に聞いてしまって、自分でも少し焦る。
…でも
アルト「なんだそれ…気持ち悪。」
アルト「…[太字]幸せじゃなきゃなんなんだよ。[/太字]」
君は
答えてくれるんだね。
…
視界の端っこ、短剣のアクアマリンが…[太字]輝きを失った。[/太字]
[水平線]
レイル「…はぁ」
___なんだ…仲間になりたいならそう言いなさいよ。
人手が多いのは嬉しいし、採用したら?黄夏ちゃん。
___まぁまぁ、やる気はある子みたいだし…
___私も…シエルみたいな、ありのままの完成形になれるの?
バカだ、私。
[漢字]あんな子[/漢字][ふりがな]アカツキくん[/ふりがな]なんか信じて。
挙句妹を妬んで、神頼み。
レイル「…つくづく最低ね」
やっぱり、お母さんは正しかったんだ。
レイル「私は…」
”失敗作”なのね。