誠と偽りの狂情曲【コメントください】
アルト「…お!」
黄夏「あ、アルトさんたち!」
ソプラノ「合流できたな、ラッキーだ」
レイル「…そう、ですね」
神威「…レイルさん、顔色が悪いですよ?」
レイル「あ…なんでもないの、大丈夫よ」
アカツキ「…」
[水平線]
しばらく歩いていると、一際壮観な造りの扉が現れた。
ソプラノ「ここ…重要そうだね」
シエル「あたしたちだけで開くかなぁ」
黄夏「みんなで押してみましょっか」
神威「せーーの!!」
ゴゴゴゴゴ…
アルト「っ!!!」
ソプラノ「意外にすぐ開いたな」
黄夏「…ん?あの人…」
紫色に妖しく光る提灯。
フリルのカーテンが飾る窓の外は夕暮れ。
そんな大広間に、
夕暮れをただ見つめている女性の姿があった。
「…来たのね」
女性はゆっくり振り返える。…綺麗な顔立ち、しかし下半身は…
[太字]恐ろしい大蛇だ。[/太字]
「私は、[太字]ジリス・ディーテ・サクヤヒメ[/太字]。
…この楽園に、救いを与える者です。」
シエル「ジ、ジリス…?」
ディーテ「ディーテ、とお呼びくださいな。」
アルト「…っ、ディーテ…って…」
ディーテ。忘れもしないこの名前。
…[太字]天音家が信仰する、女神だ。[/太字]
…もし、こいつがいなかったら…
天音家はもっと普通の名家で。
…オレはあんな目に逢わなかったんだ。
ディーテ「可哀想な、住む場所を無くし行き場のない子供たち。」
ディーテ「…もしこの子たちの思想を変えて、人間に存在する情けない己を消し去ることができたら」
ディーテ「きっと救われ、苦しいことも悲しいことも忘れられる。」
ディーテ「ここは、[太字]生き場を無くした子供たちが、その悲しみを忘れ救われる楽園[/太字]であるべきなのです。」
母さんが、私たちの信仰するディーテ教は、
美しさと秀麗さ、救いの女神を敬い、強く穢れた存在である男ではなく、
儚く美しい女性を中心に生き、美しい世界と
命の源となる女性を生み出した神に感謝する宗教…とか言ってたな。
…バカバカしい。
黄夏視点
ディーテ「あなたたちも、[太字]映しの絵画[/太字]をご覧になられたでしょう?」
ソプラノ「映しの絵画、…まさかさっきの道にあった…」
ディーテ「…認めたくない、醜い自分の現実を叩きつけられて、心が辛いでしょう?」
神威「…まさか…」
ディーテ「私のところへいらっしゃい。…辛いココロを忘れ、幸せになりましょう。」
ソプラノ「……「認めたくない自分」を絵画で見せ、ココロを壊したところに付け入る…そういうことか」
ディーテ「まぁ、人聞きが悪い。…私はただ、人間たちを救いたいだけ。」
レイル「……」
レイル「…本当に、あの私を忘れられるの…?」
シエル「!?お姉ちゃん!?」
レイルせんぱい…?
レイル「もう、苦しくないの?」
レイル「辛くないの?」
レイル「私も…[太字]シエルみたいな、ありのままの完成形になれるの?[/太字]」
シエル「お姉ちゃん、どうしたの…!!」
ディーテ「ふふ、正直な子は大好き。おまけに綺麗な女の子ね。…さぁ、こちらに」
レイル「…」
先輩が虚ろな、救いを求める目で歩き出す。
誰にも止められない…
と思ったときだった。
アルト「…[大文字]違う!!![/大文字]」
ディーテ「?!」
ソプラノ「アルト…?」
アルト「[大文字]過去の醜い自分を忘れて、綺麗なだけで生きるなんて…[/大文字]」
アルト「[大文字]そんなのちっとも救われちゃいない!![/大文字]」
アルトさん…。
ディーテ「!!…でも、忘れられるのよ!なかったことになるの!
過去の苦しみも、醜い汚い己も…!」
アルト「…[大文字]過去の苦しみも!醜い汚い自分も!!![/大文字]」
アルト「[大文字][太字]全部受け止めて、向き合った先に…本当の幸せがあるんだよ!![/太字][/大文字]」
ディーテ「……」
アルト「オレだってそうだ!」
アルト「過去を忘れたら、マカロンとの思い出まで忘れちまう!」
アルト「最期にマカロンに応援された、あの日までなかったことになる!!」
アルト「そんなのは嫌だ!!」
ディーテ「……[太字]物わかりの悪い人間だこと。[/太字]」
ディーテ「アカツキ・メトロサンダー。」
シエル「!?」
アカツキ、って…
ディーテ「暴いてしまいなさい、こやつのすべてを。」
アカツキ「…了解。」
黄夏「あ、アルトさんたち!」
ソプラノ「合流できたな、ラッキーだ」
レイル「…そう、ですね」
神威「…レイルさん、顔色が悪いですよ?」
レイル「あ…なんでもないの、大丈夫よ」
アカツキ「…」
[水平線]
しばらく歩いていると、一際壮観な造りの扉が現れた。
ソプラノ「ここ…重要そうだね」
シエル「あたしたちだけで開くかなぁ」
黄夏「みんなで押してみましょっか」
神威「せーーの!!」
ゴゴゴゴゴ…
アルト「っ!!!」
ソプラノ「意外にすぐ開いたな」
黄夏「…ん?あの人…」
紫色に妖しく光る提灯。
フリルのカーテンが飾る窓の外は夕暮れ。
そんな大広間に、
夕暮れをただ見つめている女性の姿があった。
「…来たのね」
女性はゆっくり振り返える。…綺麗な顔立ち、しかし下半身は…
[太字]恐ろしい大蛇だ。[/太字]
「私は、[太字]ジリス・ディーテ・サクヤヒメ[/太字]。
…この楽園に、救いを与える者です。」
シエル「ジ、ジリス…?」
ディーテ「ディーテ、とお呼びくださいな。」
アルト「…っ、ディーテ…って…」
ディーテ。忘れもしないこの名前。
…[太字]天音家が信仰する、女神だ。[/太字]
…もし、こいつがいなかったら…
天音家はもっと普通の名家で。
…オレはあんな目に逢わなかったんだ。
ディーテ「可哀想な、住む場所を無くし行き場のない子供たち。」
ディーテ「…もしこの子たちの思想を変えて、人間に存在する情けない己を消し去ることができたら」
ディーテ「きっと救われ、苦しいことも悲しいことも忘れられる。」
ディーテ「ここは、[太字]生き場を無くした子供たちが、その悲しみを忘れ救われる楽園[/太字]であるべきなのです。」
母さんが、私たちの信仰するディーテ教は、
美しさと秀麗さ、救いの女神を敬い、強く穢れた存在である男ではなく、
儚く美しい女性を中心に生き、美しい世界と
命の源となる女性を生み出した神に感謝する宗教…とか言ってたな。
…バカバカしい。
黄夏視点
ディーテ「あなたたちも、[太字]映しの絵画[/太字]をご覧になられたでしょう?」
ソプラノ「映しの絵画、…まさかさっきの道にあった…」
ディーテ「…認めたくない、醜い自分の現実を叩きつけられて、心が辛いでしょう?」
神威「…まさか…」
ディーテ「私のところへいらっしゃい。…辛いココロを忘れ、幸せになりましょう。」
ソプラノ「……「認めたくない自分」を絵画で見せ、ココロを壊したところに付け入る…そういうことか」
ディーテ「まぁ、人聞きが悪い。…私はただ、人間たちを救いたいだけ。」
レイル「……」
レイル「…本当に、あの私を忘れられるの…?」
シエル「!?お姉ちゃん!?」
レイルせんぱい…?
レイル「もう、苦しくないの?」
レイル「辛くないの?」
レイル「私も…[太字]シエルみたいな、ありのままの完成形になれるの?[/太字]」
シエル「お姉ちゃん、どうしたの…!!」
ディーテ「ふふ、正直な子は大好き。おまけに綺麗な女の子ね。…さぁ、こちらに」
レイル「…」
先輩が虚ろな、救いを求める目で歩き出す。
誰にも止められない…
と思ったときだった。
アルト「…[大文字]違う!!![/大文字]」
ディーテ「?!」
ソプラノ「アルト…?」
アルト「[大文字]過去の醜い自分を忘れて、綺麗なだけで生きるなんて…[/大文字]」
アルト「[大文字]そんなのちっとも救われちゃいない!![/大文字]」
アルトさん…。
ディーテ「!!…でも、忘れられるのよ!なかったことになるの!
過去の苦しみも、醜い汚い己も…!」
アルト「…[大文字]過去の苦しみも!醜い汚い自分も!!![/大文字]」
アルト「[大文字][太字]全部受け止めて、向き合った先に…本当の幸せがあるんだよ!![/太字][/大文字]」
ディーテ「……」
アルト「オレだってそうだ!」
アルト「過去を忘れたら、マカロンとの思い出まで忘れちまう!」
アルト「最期にマカロンに応援された、あの日までなかったことになる!!」
アルト「そんなのは嫌だ!!」
ディーテ「……[太字]物わかりの悪い人間だこと。[/太字]」
ディーテ「アカツキ・メトロサンダー。」
シエル「!?」
アカツキ、って…
ディーテ「暴いてしまいなさい、こやつのすべてを。」
アカツキ「…了解。」