復 讐 のお時間
「よーし、始めるよー!」
「勝ったのが……丹羽くんと小曽根さんだね」
「ちょっと、私の名前勝手に言わないで」と小曽根が怒った。
使わないとどう説明すればいいのか分からなくなるじゃん、と心の中でツッコミを入れた。
「まあまあ。それで、今日は何をするかと言うと……」
二人はごくりと唾を飲み込む。
「二人でデートをしてもらいます!」
そうそう。私はこれが見たかったんだ。
実はこの二人、とても仲が悪い。小曽根は丹羽の事が嫌いで、丹羽は小曽根の事が苦手である。
このカップリング最高だなあ、と感じる。
「は?」と思わず二人は顔を見合わせる。
「場所は自由。制限時間は特に無い。上の人にも言ってあるけど帰ってこなくても大丈夫!」
「あ、ちなみに私はずっと監視してるからね。制限時間が無いからと言ってすぐに帰るのも無しだよ」
「じゃあ、いってらっしゃいー!」と元気よく私は手を振った。
「はあ」とため息を吐きながら二人は教室を後にした。
「帰ってもいい?」と小曽根はため息混じりに言う。
「あいつに見られてるけど?」
小曽根は、はあ。めんどくせえな。と呟き「でもあいつだよ? 雑魚じゃね?」と余裕そうな顔をして言う。
丹羽は「今の会話、聞かれてるかも」と小曽根の耳元で囁いた。
「ちょっと、近すぎ!」と小曽根は怒りをあらわにした。
「……ごめん」
丹羽は普通に謝っているが、心の中では注意しただけなのに。耳元で囁いただけで怒るなよ、めんどくさいな、と思っているだろう。
「もう近づかないで!」
「はいはい」
こんなの見せつけられて満足するか。私はそう思い、少し二人をイジろうと決めた。
二人と言っても小曽根だけ。丹羽は何もしていないから今回は見逃そう。
小曽根は金重の逆で、かっこいい人が大好きだ。
その習性を活かしてイジる。
まず、どうにかして小曽根を転ばせる。
顔を上げると私の父がいる。「大丈夫?」と手を出す。
私の父はかっこいい。しかも小曽根のタイプだ。
……という感じで。
私はすぐさま父に「かー。かー。白原しらばる通りお願い。白原音楽ホールがある場所。小曽根って分かる? そいつが転んだらこうして……」と伝えた。
私の耳にはイヤホンがある。それで家族と会話している。
ちなみに“かー”はカラスではなく、父の名前だ。父の下の名前は和之と言う。
だから略して“かー”と言っている。日常生活では使わないが。
「小曽根ね。り」と父も返す。
「ねえ。もう帰ろうよ」
まだ一時間も経っていない。
丹羽は何回この台詞を聞いたのだろう。
「ふあー。眠い」小曽根はあくびをしながら上を向く。
「うおっ!」
ずどん! と大きな音を立てて小曽根は転んだ。
丁度石があった。
「大丈夫ですか?」と優しそうな大きな手を小曽根の方へ伸ばした。
「ありがとう……ございます」
小曽根は顔を上げた。
そこにはタイプの男性がいた。
──父だ。
「良かった。カフェ、行かない?」
どうやって誘えばいいのか分からず、急に言ってしまったのだろう。
だが、小曽根は不思議に思わなかった。いや、タイプの人に出会えて嬉しく思っている。
「いいんですか⁈」
「大丈夫?」と小声で丹羽は心配するが小曽根は無視した。
「じゃあ、行こう」
三人は歩いて行った。
「勝ったのが……丹羽くんと小曽根さんだね」
「ちょっと、私の名前勝手に言わないで」と小曽根が怒った。
使わないとどう説明すればいいのか分からなくなるじゃん、と心の中でツッコミを入れた。
「まあまあ。それで、今日は何をするかと言うと……」
二人はごくりと唾を飲み込む。
「二人でデートをしてもらいます!」
そうそう。私はこれが見たかったんだ。
実はこの二人、とても仲が悪い。小曽根は丹羽の事が嫌いで、丹羽は小曽根の事が苦手である。
このカップリング最高だなあ、と感じる。
「は?」と思わず二人は顔を見合わせる。
「場所は自由。制限時間は特に無い。上の人にも言ってあるけど帰ってこなくても大丈夫!」
「あ、ちなみに私はずっと監視してるからね。制限時間が無いからと言ってすぐに帰るのも無しだよ」
「じゃあ、いってらっしゃいー!」と元気よく私は手を振った。
「はあ」とため息を吐きながら二人は教室を後にした。
「帰ってもいい?」と小曽根はため息混じりに言う。
「あいつに見られてるけど?」
小曽根は、はあ。めんどくせえな。と呟き「でもあいつだよ? 雑魚じゃね?」と余裕そうな顔をして言う。
丹羽は「今の会話、聞かれてるかも」と小曽根の耳元で囁いた。
「ちょっと、近すぎ!」と小曽根は怒りをあらわにした。
「……ごめん」
丹羽は普通に謝っているが、心の中では注意しただけなのに。耳元で囁いただけで怒るなよ、めんどくさいな、と思っているだろう。
「もう近づかないで!」
「はいはい」
こんなの見せつけられて満足するか。私はそう思い、少し二人をイジろうと決めた。
二人と言っても小曽根だけ。丹羽は何もしていないから今回は見逃そう。
小曽根は金重の逆で、かっこいい人が大好きだ。
その習性を活かしてイジる。
まず、どうにかして小曽根を転ばせる。
顔を上げると私の父がいる。「大丈夫?」と手を出す。
私の父はかっこいい。しかも小曽根のタイプだ。
……という感じで。
私はすぐさま父に「かー。かー。白原しらばる通りお願い。白原音楽ホールがある場所。小曽根って分かる? そいつが転んだらこうして……」と伝えた。
私の耳にはイヤホンがある。それで家族と会話している。
ちなみに“かー”はカラスではなく、父の名前だ。父の下の名前は和之と言う。
だから略して“かー”と言っている。日常生活では使わないが。
「小曽根ね。り」と父も返す。
「ねえ。もう帰ろうよ」
まだ一時間も経っていない。
丹羽は何回この台詞を聞いたのだろう。
「ふあー。眠い」小曽根はあくびをしながら上を向く。
「うおっ!」
ずどん! と大きな音を立てて小曽根は転んだ。
丁度石があった。
「大丈夫ですか?」と優しそうな大きな手を小曽根の方へ伸ばした。
「ありがとう……ございます」
小曽根は顔を上げた。
そこにはタイプの男性がいた。
──父だ。
「良かった。カフェ、行かない?」
どうやって誘えばいいのか分からず、急に言ってしまったのだろう。
だが、小曽根は不思議に思わなかった。いや、タイプの人に出会えて嬉しく思っている。
「いいんですか⁈」
「大丈夫?」と小声で丹羽は心配するが小曽根は無視した。
「じゃあ、行こう」
三人は歩いて行った。