「ん、、、？」

　目を覚ますとそこには真っ白な天井があった。

　見たことがない。ここはどこだ？

「目が覚めたか」
「!？」

　初めて聞く声に驚きつつ恐る恐る後ろを振り返った。

「驚かせたか？すまない」
「え、、、」

　振り向くとそこには綺麗な黒髪が似合う高身長の男性が立っていた。
　もちろん面識は無くて俺の頭の中は疑問で一杯だ。

「、、お前、異人だろう」
「っ!？な、なんで殺さないの、、？」
「、、それは俺もそうだからだ。」
「え、」

　そうだからって、この人も、異人ってことか？
　ていうかこの人誰、、？

「ああ、申し遅れたな。俺はナイト・アーヴァンだ。」
「は!？」

　あ、アーヴァンって、、、王族の!？
　アーヴァン家の方ってこと？異人なのに？

「まあ、細かいことは後々説明する。とりあえずお前は今日から俺の付き人として働け」
「えっ、、」

　は、、、？付き人？

「それと、これを飲んでおけ」
「、、これは？」
「異人の正体を隠す薬だ。王族にだけ秘密で使用許可が下りている」
「え、俺王族じゃないですけど」
「まあな。バレなければいいだろう」

　ええ、、。
　ミステリアスっていうか、つかみどころのない人だ。
　不思議な人、、。
　どうして俺なんかを、、。
　いくら同じ異人だからって、やり過ぎではないだろうか。普通だったらもうとっくに殺されいてる。
　というか、あの異人嫌いのライト・アーヴァンはこの人、、ナイト様をどう思っているのだろうか。
　異人ってことを隠してるし、国民にバレたらやばいんだろうな。

「それと、これが部屋の鍵だ。お前はこの部屋を使え、、、くれぐれも異人だとバレるな」
「は、はい、、」
「ではよろしく頼む。えっと、、」
「あっ、ルカ・ルーゼルです」
「、頼むルカ。」
「、、はい」

　付き人、か。
　絶対に異人だとバレないようにしないと。もしもバレたら殺される。
　レアルが、カナンが、命をかけて守ってくれたんだ。
　絶対に、生きないと。

　、!そうだ!

「あ、あのっ!カナンは、、、女の子を見ませんでしたか？」
「女、？知らないな」
「そう、、ですか。すみません忘れてください。それでは」
「、、、。」

　大丈夫。カナンはきっと生きてる大丈夫。
　
　レアル、。見ててね。
　俺、生き抜いて見せるから。

　こうして俺の『人間』のフリをした『異人』たちの物語が幕を上げた。