3年はぶられ組。
彼女は俺の手を引いて、とある裏庭へ連れてきた。
数個あるベンチの中、一つに俺を誘導すると、コーヒーを持ってきてくれた。
俺はそれを受け取ると彼女から俺のことクラスの生徒の話を聞いた。
「あっ、私は[漢字]河水 日葵[/漢字][ふりがな]かすい ひまり[/ふりがな]ですっ!あの、3年B組の担任していますっ。」
「どうも、知ってそうっすけど、飛鳥井千秋です。あの、用ってなんすか、?」
「えっと、、飛鳥井先生のクラスについてお話をしておきたくて、。」
そう述べる日葵は少し目線を落としていた。
明るい話じゃないんだろう。それだけは伝わってくる。
「聞きます。俺の生徒なんすから。知っておきたいっす。」
「、、もちろんです!では少し、お話ししますね。まずは琥珀くんから。」
彼女から俺は琥珀の話を聞いた。
琥珀は口調荒く、睨みが絶えないザ・ヤクザのように思えるが、いつだったか笑顔でとても優しい彼を見たことがあるそうだ。
そして彼の両親はもう他界していて、彼は施設で育っているということも聞いた。
彼にそんなことが起きているなんて当然知らない。
彼が大人や同級生に対して冷たくなったり、イライラしてしまうには何か大きなことが身に起きたからではないのだろうか。
俺の心配事は膨らんでいくばかりだ。
「私も琥珀くんはあんまり慣れなくて、少し怖いって感じてしまうんですけど、彼も何かを守るためにそうしているんじゃないかと考えると、なんか、、心配に思えます。
えっと、次は了魁くんについて、です。」
了魁も何かを抱え込んでいると言われた。
俺はそう言われて納得して話を聞いている。
なぜなら、了魁が遅刻の理由を濁したり、笑顔を耐えなさすぎるのにどこか違和感を抱いているからだ。
「了魁くんのことはあまり知らなくて、、ごめんなさい。聞いても答えてくれないんです、、
あ、、でも、なんか家庭環境がっていう話はどこかで聞いたことがありますっ
香月ちゃんもごめんなさい、。話も何も聞いてなくて、ほんっとに何もわからない状況なんです、、なんでそのクラスにいるのかさえもわからないです、。」
正直、香月のことも気になっていたから少し残念と言う感情がある。
しかし知らないのだから仕方がない。
でも何かがあることは確かだ、そう日葵は言っていた。
そういうことを頭に入れて暖かく接するしか俺にやれることはない。
「綾斗くんはですね、えっと、。いじめられっ子、です。綾斗くん、何も話さない子なんです〜、。私も一切声を聞いたことがないのですよ、。それがいじめられるきっかけなんです。真面目を装っているのかよ、構ってちゃんかよって言われていじめられているようで、、」
くだらない。本当にくだらない。
真面目で何が悪いのだろうか。
彼も話すのが苦手だったりして話せていないのかもしれないのに。
勝手に構ってちゃんだと言われ、避けられ、いじめられる。
こんなことがあってたまるものなのか。
「夕星くんについては、あまり見たことがないのでまだよくわかっていませんが、、両足をとある事故で失っていると聞いていますっ。なぜ学校へ来れなくなったのかはわからないですが、私の予想だとそれまでは明るい子だったので失ってしまった絶望を抱いてしまっているのではないかと、、」
夕星は会ったことがないからピンとこなかった。
でも俺の大切な生徒だし、知らずに卒業させるのは絶対したくない。
なんとかして接して来れるようにしてみせる。
ここまで言って日葵は一息ついた。
そしてもう少しでチャイムがなるからと言ってその場から離れていった。
少し変わった生徒たちだとは感じていたし、何かがあるとは思っていた。
でもこれで諦めるなんてことできはしない。
やり切ると一番初めに決めたんだ。
生徒と触れて、もっと話したいと思ったのだ。
「卒業させる。琥珀も了魁も綾斗も香月も、夕星も。全員が笑顔で卒業できるようにしてやる。」
卒業まで時間があるわけではない。素直に言うと僅かだ。
今は夏前。6月だ。
そう、約半年しか残されていないのだ。そして俺もいつクビになるかわからない状況。
しかし半年もあるならば十分だ。やりきってみせよう。
俺の生徒に危害を加えた奴らの上をいってやろう。
[太字]これは俺と俺の生徒の卒業までの物語。[/太字]
数個あるベンチの中、一つに俺を誘導すると、コーヒーを持ってきてくれた。
俺はそれを受け取ると彼女から俺のことクラスの生徒の話を聞いた。
「あっ、私は[漢字]河水 日葵[/漢字][ふりがな]かすい ひまり[/ふりがな]ですっ!あの、3年B組の担任していますっ。」
「どうも、知ってそうっすけど、飛鳥井千秋です。あの、用ってなんすか、?」
「えっと、、飛鳥井先生のクラスについてお話をしておきたくて、。」
そう述べる日葵は少し目線を落としていた。
明るい話じゃないんだろう。それだけは伝わってくる。
「聞きます。俺の生徒なんすから。知っておきたいっす。」
「、、もちろんです!では少し、お話ししますね。まずは琥珀くんから。」
彼女から俺は琥珀の話を聞いた。
琥珀は口調荒く、睨みが絶えないザ・ヤクザのように思えるが、いつだったか笑顔でとても優しい彼を見たことがあるそうだ。
そして彼の両親はもう他界していて、彼は施設で育っているということも聞いた。
彼にそんなことが起きているなんて当然知らない。
彼が大人や同級生に対して冷たくなったり、イライラしてしまうには何か大きなことが身に起きたからではないのだろうか。
俺の心配事は膨らんでいくばかりだ。
「私も琥珀くんはあんまり慣れなくて、少し怖いって感じてしまうんですけど、彼も何かを守るためにそうしているんじゃないかと考えると、なんか、、心配に思えます。
えっと、次は了魁くんについて、です。」
了魁も何かを抱え込んでいると言われた。
俺はそう言われて納得して話を聞いている。
なぜなら、了魁が遅刻の理由を濁したり、笑顔を耐えなさすぎるのにどこか違和感を抱いているからだ。
「了魁くんのことはあまり知らなくて、、ごめんなさい。聞いても答えてくれないんです、、
あ、、でも、なんか家庭環境がっていう話はどこかで聞いたことがありますっ
香月ちゃんもごめんなさい、。話も何も聞いてなくて、ほんっとに何もわからない状況なんです、、なんでそのクラスにいるのかさえもわからないです、。」
正直、香月のことも気になっていたから少し残念と言う感情がある。
しかし知らないのだから仕方がない。
でも何かがあることは確かだ、そう日葵は言っていた。
そういうことを頭に入れて暖かく接するしか俺にやれることはない。
「綾斗くんはですね、えっと、。いじめられっ子、です。綾斗くん、何も話さない子なんです〜、。私も一切声を聞いたことがないのですよ、。それがいじめられるきっかけなんです。真面目を装っているのかよ、構ってちゃんかよって言われていじめられているようで、、」
くだらない。本当にくだらない。
真面目で何が悪いのだろうか。
彼も話すのが苦手だったりして話せていないのかもしれないのに。
勝手に構ってちゃんだと言われ、避けられ、いじめられる。
こんなことがあってたまるものなのか。
「夕星くんについては、あまり見たことがないのでまだよくわかっていませんが、、両足をとある事故で失っていると聞いていますっ。なぜ学校へ来れなくなったのかはわからないですが、私の予想だとそれまでは明るい子だったので失ってしまった絶望を抱いてしまっているのではないかと、、」
夕星は会ったことがないからピンとこなかった。
でも俺の大切な生徒だし、知らずに卒業させるのは絶対したくない。
なんとかして接して来れるようにしてみせる。
ここまで言って日葵は一息ついた。
そしてもう少しでチャイムがなるからと言ってその場から離れていった。
少し変わった生徒たちだとは感じていたし、何かがあるとは思っていた。
でもこれで諦めるなんてことできはしない。
やり切ると一番初めに決めたんだ。
生徒と触れて、もっと話したいと思ったのだ。
「卒業させる。琥珀も了魁も綾斗も香月も、夕星も。全員が笑顔で卒業できるようにしてやる。」
卒業まで時間があるわけではない。素直に言うと僅かだ。
今は夏前。6月だ。
そう、約半年しか残されていないのだ。そして俺もいつクビになるかわからない状況。
しかし半年もあるならば十分だ。やりきってみせよう。
俺の生徒に危害を加えた奴らの上をいってやろう。
[太字]これは俺と俺の生徒の卒業までの物語。[/太字]