3年はぶられ組。
家のリビングのダイニングテーブルにお茶が置かれる。礼を言ってありがたくいただく。
「こんな夜にすみませんね、それにわざわざ上がらせていただいて」
俺がそう礼を言うと「面目ない」と言うような顔をする母親。
「あ、私、夕星の母の[漢字]優子[/漢字][ふりがな]ゆうこ[/ふりがな]と申します」
「改めて、夕星くんの担任になりました。飛鳥井千秋と申します。」
お互いが軽く自己紹介を済ます。
「失礼ながら、飛鳥井先生っておいくつですか?すごく若く見えるのですが、、」
「ありがとうございます。22です。」
「お若いですねっ。すごいたくましいです」
「たくましいですかねぇ〜。笑」
「えぇ。前の先生は私と同じぐらいの方でしたので、、」
「お母様も若く見えますが、、」
「あら、褒め上手ですね。ありがとうございます。若くはないですよ〜。」
なんて言って笑いあう。
そんな世間話をしていると、上から物音が聞こえた。
そこで母親は、はっと気がついたように話を中心へ戻す。
「すみませんっ!話を逸らしてしまいましたね、、夕星の話でしょうか?」
「あ、そーなんです。担任になったというのに直ぐに挨拶にこれていなくて申し訳ないです。夕星くんとはお話しできますでしょうか?」
俺がそう尋ねると母親はまたもや「少々お待ちください」と一言。
そして2階へ上がって行った。
静かになる1階。
まあご察しの通り2階にいる母親の声は丸聞こえだ。
「夕星、?先生が来てくださったわよ」
おそらく夕星がいる部屋のドアの前から話しかける母親。
「、、、違うわ。新しい先生らしいわ」
前の先生の名を出したのか上記の答えを返す母親。
「少しはお話ししたらどう、?」
嫌がっているのだろう。返事で何を話しているのか大体わかってしまうな。
なんて思いつつも話せないことに少し残念に思う。
案の定ダメだったのか、2階から母親だけが降りてきた。
しかし母親の口から出た言葉は意外な言葉。
「あ、あの。先生。ドア越しだけだとお話しできるようなのでそれでもよろしいでしょうか、?」
いけるんかい。とツッコミかける。
いや、話せるならば喜ぶべきか。なんて思いつつ俺はお願いします、と頼む。
「もちろんですよ。本当にありがとうございます」
何度も礼を言う母親。そんな母親に続いて2階へ上がった。
廊下を歩いている時、視界にちらちらと義足や折り畳まれた車椅子がうつる。あぁ、なんとなくは察せる。おそらく__、、
夕星の部屋の前へ行くと母親は後はどうぞ、と言わんばかりに1階へ降りて行った。
「えーっと、、新しく担任になった飛鳥井千秋だ。よろしくな」
ドア越しに会話をするなんてないことで少しどうすべきか悩むものの、嬉しいことに返事が返ってきた。
「、、[漢字]久東 夕星[/漢字][ふりがな]くとう ゆうせい[/ふりがな]、です、。なんで先生、はここ、、きたの?」
緊張しているのか、彼の話癖なのか途切れ途切れに話す。
「んー、、夕星と話がしたかった、からかな?別に話題があるわけでもないんだけどねー」
なんて気楽に返すと彼は「そっか」と一言。
それからこう呟く。
「ごめんなさい、、多分、いけない、、学校。」
そんな夕星に俺はこれだけを伝えた。これだけを伝えるためにここにきたと言っても過言ではない言葉を。
「別にいいよ?強制でこいってわけでもないし。休むのも大事。
夕星の場合、なんかしらの理由あるんだろ?ならいいさ。
行きづらいなら無理して行かなくていい。ただこれだけ覚えててくれ。
俺は今必死に他の生徒と話せるように、関わりが持てるようにしている。
いずれ行きやすいクラスを作ってやるよ。その時は是非来いよ」
夕星からの涙がかった「うん」を聞いた俺はまた会いに来ると母親に伝えて夕星の家を出た。
「こんな夜にすみませんね、それにわざわざ上がらせていただいて」
俺がそう礼を言うと「面目ない」と言うような顔をする母親。
「あ、私、夕星の母の[漢字]優子[/漢字][ふりがな]ゆうこ[/ふりがな]と申します」
「改めて、夕星くんの担任になりました。飛鳥井千秋と申します。」
お互いが軽く自己紹介を済ます。
「失礼ながら、飛鳥井先生っておいくつですか?すごく若く見えるのですが、、」
「ありがとうございます。22です。」
「お若いですねっ。すごいたくましいです」
「たくましいですかねぇ〜。笑」
「えぇ。前の先生は私と同じぐらいの方でしたので、、」
「お母様も若く見えますが、、」
「あら、褒め上手ですね。ありがとうございます。若くはないですよ〜。」
なんて言って笑いあう。
そんな世間話をしていると、上から物音が聞こえた。
そこで母親は、はっと気がついたように話を中心へ戻す。
「すみませんっ!話を逸らしてしまいましたね、、夕星の話でしょうか?」
「あ、そーなんです。担任になったというのに直ぐに挨拶にこれていなくて申し訳ないです。夕星くんとはお話しできますでしょうか?」
俺がそう尋ねると母親はまたもや「少々お待ちください」と一言。
そして2階へ上がって行った。
静かになる1階。
まあご察しの通り2階にいる母親の声は丸聞こえだ。
「夕星、?先生が来てくださったわよ」
おそらく夕星がいる部屋のドアの前から話しかける母親。
「、、、違うわ。新しい先生らしいわ」
前の先生の名を出したのか上記の答えを返す母親。
「少しはお話ししたらどう、?」
嫌がっているのだろう。返事で何を話しているのか大体わかってしまうな。
なんて思いつつも話せないことに少し残念に思う。
案の定ダメだったのか、2階から母親だけが降りてきた。
しかし母親の口から出た言葉は意外な言葉。
「あ、あの。先生。ドア越しだけだとお話しできるようなのでそれでもよろしいでしょうか、?」
いけるんかい。とツッコミかける。
いや、話せるならば喜ぶべきか。なんて思いつつ俺はお願いします、と頼む。
「もちろんですよ。本当にありがとうございます」
何度も礼を言う母親。そんな母親に続いて2階へ上がった。
廊下を歩いている時、視界にちらちらと義足や折り畳まれた車椅子がうつる。あぁ、なんとなくは察せる。おそらく__、、
夕星の部屋の前へ行くと母親は後はどうぞ、と言わんばかりに1階へ降りて行った。
「えーっと、、新しく担任になった飛鳥井千秋だ。よろしくな」
ドア越しに会話をするなんてないことで少しどうすべきか悩むものの、嬉しいことに返事が返ってきた。
「、、[漢字]久東 夕星[/漢字][ふりがな]くとう ゆうせい[/ふりがな]、です、。なんで先生、はここ、、きたの?」
緊張しているのか、彼の話癖なのか途切れ途切れに話す。
「んー、、夕星と話がしたかった、からかな?別に話題があるわけでもないんだけどねー」
なんて気楽に返すと彼は「そっか」と一言。
それからこう呟く。
「ごめんなさい、、多分、いけない、、学校。」
そんな夕星に俺はこれだけを伝えた。これだけを伝えるためにここにきたと言っても過言ではない言葉を。
「別にいいよ?強制でこいってわけでもないし。休むのも大事。
夕星の場合、なんかしらの理由あるんだろ?ならいいさ。
行きづらいなら無理して行かなくていい。ただこれだけ覚えててくれ。
俺は今必死に他の生徒と話せるように、関わりが持てるようにしている。
いずれ行きやすいクラスを作ってやるよ。その時は是非来いよ」
夕星からの涙がかった「うん」を聞いた俺はまた会いに来ると母親に伝えて夕星の家を出た。