俺の住んでいる村ではある言い伝えがある。

「この村にあるどんな強い力を持つ者でも抜けない剣を抜けた者こそ真の勇者なり」

凄い馬鹿馬鹿しい話だ。
そんな大きくもない村から魔王を倒せるような勇者がでるなんてあり得ない…いや仮に抜けたとしてこの剣はただの剣と変わらないかもしれないのに。一度も抜けないならどう確かめたんだこれが勇者しか抜けないなんて。
…と思いつつも毎日抜けるかもしれないだとか言われて面倒なので試してみる事にした。
大体俺は拳銃使いだから勇者なはずがない。

翔田「抜けるわけがない…まあやって駄目なら何も言われなくなるからいいんだがな…」

と呟いて抜こうとする。
…ん？なんかちょっとずつ剣が動いてるような…

翔田「ま、まあ気のせいに決まってるか。俺が抜けるなんて事は天地がひっくり返ってもないはず。小さな無力の蟻が1匹だけで国を壊滅させる事よりも可能性は低いんだ。他の人が試していたから若干そう感じるだけ…」

と次の瞬間剣の先端が見えた。どうやら抜けてしまったようだ。

翔田「そうか俺がそうなのか…ってまてあり得ない百パーないな。なんで拳銃使いなのに勇者なんだ？明らかに勇者にする人ミスってるだろ」

村人「おお、やはり勇者はいたのか！それもお前だったとはな…そうだ、あいつを呼んでくるか…」

そういい戦士のような人を連れてきた。

村人「こいつは勇者と共に旅をするのが夢だったらしい。実力もあるから連れてってくれないか？」

翔田「旅に出る前提かよ…まあいいけど。じゃあ俺はもう出発するぜ」

村人達「気をつけるんだぞー」


村を出発し数分で魔物と遭遇した。

戦士「よし、しっかりと練習はしてきたし実践も初めてじゃないからな…うおおおお！」

そういい武器である斧を振り下ろす。

[大文字]Miss！[/大文字]

どうやら外れたようだ。

翔田「…もしかしてその命中率低い技しか使わないなんて言わないだろうな」

戦士「いや、使える技はこれしかない」

その言葉が終わる前に拳銃を取り出し魔物を撃ち殺していた。

翔田「…この旅大丈夫かなぁ…」