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彼女の日記

#4


『2030年12月31日(火)
こんにちは。いや、こんばんはかな。今は6時だからこんばんは、か。
私は交通事故にあったようです。
冬休みに長野に出かけた途中で信号無視の車に轢かれました。今日はそれから3日後だそうです。私はずっと眠っていたそうです。
今は病院にいてこれを書いています。親とは違うところにいて、親は違う病室なのか、病棟なのか、病院なのかは分かりません。誰も教えてくれません。目を覚ましたという報告をさせてくれと言っても断られました。両親は今、どこで何をやっているのでしょうか。

2031年1月1日(水)
新年は病室で過ごすことになりました。過去最悪の正月です。そしてもう一つ、追い討ちをかけるかのような不幸な知らせがありました。
先日の事故で私の母親が目を覚まさないようです。一応一命は取り留めたそうですが。
いっそのこと亡くなってしまえばよかったのに、そう思う自分がどこかにいて怖いです。
今は私の病院とは遠いところの国立の病院にいるそうです。先生からは「全力で頑張るけど、最悪の場合も考えておいた方が良いかもしれない。」って言われました。
ほぼ無理そうですねw
母親には本当にお世話になったと思います。私の世話から習い事、勉強まで何不自由なく過ごさせてもらえて感謝しています。ですが、どうしてか母の危機的な状況を喜んでいる自分がいます。本当は相当追い詰められていたんですね。』
そこからは日付が開きながらも少しずつ書いてあった。
白いノートの中での彼女とは裏腹に、ドス黒い何かが彼女を支配しているようだった。
今まで私がみてきた彼女は母からのプレッシャーがありながらも喜ばせようと必死に頑張る姿、母との思い出を楽しそうに、幸せそうに語る姿。それは嘘では無いのだろう。彼女の心の中にその気持ちが全く無いわけではないのだろう。ただ、母の危機を聞いたときに今までの縛りから解放された瞬間に母への黒い、闇の気持ちが出てきてしまった。まだ先は読んでいないが、きっとこの先にも彼女の闇の部分が綴られているのだろう。見るのは怖い、怖いけど彼女のもう一面も見てみたい。私はページをめくった。

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作者メッセージ

また読んでくれると嬉しいです!

2024/11/13 20:54

Rui ID:≫94SCXkg9r2d.U
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